タイが大好きと公言しながら、もう丸2年もタイに帰っていません。
ブログでタイのことを書く機会もめっきり減りました。僕のアイデンティティー崩壊の危機です。そりゃ体調も崩すわけです。
なんだか寂しくなってしまって、タイのお守りコレクションを久しぶりに広げて、撫でたり匂いをくんくんしたり、舐めるように見つめたりしてゲヘゲヘしていました。
タイのお守り全般のことをプラクルアン(พระเครื่อง)と言います。直訳すると「聖なる物」とか「仏的な物」とでもいいましょうか。
形態としては仏像や、有名なお坊さん、ヒンドゥー教の神様などを象った物で、ペンダントとして首からぶら下げるタイプがほとんどです。
例えばこんな感じね。このおじさんはたくさんぶら下げすぎだけど。
このプラクルアンって、お寺でお坊さんが祈祷して魂を入れる儀式を済ませたものが正式なもので、タイに行くとよく道端に並べて売ってたりするけど、ああいうのはほとんどが効力のない偽物なので、手に入れるならお寺で買う(タイ語では「借りる」って言います)のが安心です。
じゃあ、効力って何よっていうとこれはもう欲丸出しの現世利益に関するものばかりで、厄除けとか金持ちになるとか銃で撃たれても死なないとかそんなことで効力があるとされているものほど高く取引されていたりします。どこが仏教なんじゃって思うんだけどこればっかりはしょうがない。
詳しくはこちらの過去記事を参照してください。
僕はこのプラクルアンにすっかり魅せられてしまって、すでに何個持っているのかわからないくらいのプラクルアンを持っています。
100個くらいまでは数えていたのですがめんどくさくなってしまって...たぶん200個行くかいかないかくらいだとは思うのですがよくわかりません。
今回はその中からおもしろいものを3つご紹介しましょう。
パラッ(ト)・キッ(ク)
ご覧のとおり男性器を象ったお守りです。
プラクルアンの一種なのですが特にこの形態のものは「パラッ(ト)・キッ(ク)」と呼ばれています。
かなり前に、バンコク都内にある不思議スポットをご紹介したことがあります。
男根信仰という点ではおそらく起源は同じでヒンドゥー教あたりから来ているものと思われます。日本にもありますよね。
ちなみに男根の根元についているのはヒンドゥー教の猿神ハヌマーンです。このパラッ(ト)・キッ(ク)を手に入れたお寺はハヌマーンで有名なお寺だったので、このようなスタイルになっているのでしょう。
このお守りの難点は、首からぶら下げているのを人から見られると恥ずかしいというところですね。
このタイプは首からぶら下げるよりももっと長い紐に通して腰まわりに装着するのが一般的とも聞いたことがありますし、実際に見せてもらったこともあります。
ご利益は、確かお金持ちになるはずなんですが未だ果たせず...
いつも身につけていないからか( ゚д゚)ハッ!
高僧の遺骨が練りこんであるお守り
プラクルアンの中には、徳が高くて奇跡を起こせると信じられているお坊さんの髪の毛や、爪などを貼り付けたりしたものがあります。これは、そのお坊さんの一部を身につけることでご利益があるとされるからです。
まあ、生きているうちの髪の毛や爪などならいいのですが、亡くなった後の遺骨にもご利益があると思われているお坊さんもいまして、そういうお坊さんの遺骨を練りこんで作ったプラクルアンがこちらです。白っぽい点々が遺骨と思われます。
この遺骨になっても安眠できないお坊さんはナコーン・パトム県のワット・グラーン・バーン・ケーオというお寺のルアン・プー・プーン(プーン和尚)という高僧です。
お守りの大きさは、どちらかというと小さい部類入りますが、今ではまず手に入れることが困難な貴重なプラクルアンです。
遺骨が練りこんであるっていうのがすごいですよね。本当にいいんでしょうか?
すごく効き目がありそうですが、まだペンダント用のケースに入れていないので身につけることができない状態のままです。どうせなら純金のケースに入れて大切に身につけたいのですが、金の相場が高くなりすぎてなかなか手が出ません。
銃で撃たれても死なないお守り
これは、アユタヤのワット・グラーン・コーン・タキアンという由緒あるお寺の古いプラクルアンです。これを身につけていた人が、銃で撃たれても弾が当たらずに無傷だったということで有名になったお守りのひとつです。
プラクルアンは同じ形状のものでも作られたのが早いものほど貴重とされています。要するに一番最初に作られたものだけが本当のオリジナルっていうことですね。
僕が持っているこのプラクルアンは、ルン1と呼ばれる一番最初に作られた貴重なもので、通常はお寺で保存しておく分だけでもう一般の人間には分けないというものなのですが、度重なる洪水被害を食い止めるための植樹とお寺の改修費用捻出のためにたまたま僕が訪れた時に特別に放出していたものです。
残りわずか6個だったので、全て買い占めようかという悪い心が芽生えたのですが、1つ6,000円もするので1個で諦めました。
このお守りは、タイの高僧が何人も集まって入魂の儀式を行った由緒正しいもので、やはりもう手に入れるのは困難な状態です。
このお守りは銃で撃たれても死なない効果があると書きましたが、お守り自体は製造過程で爆発事故だったか火災だったかに見舞われて本体が変形しています。
裏側を見るとけっこう傷だらけです。
僕としてはこの姿を、「自分の身すら守れなかったのに本当にご利益があるのか?」と見るか、「事故でも完全に破壊されないで残ったということはそれだけの力が備わっているのだ」と見るのかで評価が分かれるような気がします。
一緒に手に入れたタイ人は微塵も疑っていないようでしたが。
最後に3つ並べてみましょう。だいたいのサイズ感がつかめるのではないでしょうか。
今回は僕のプラクルアンコレクションからおもしろいものを3つご紹介しました。
やっぱりタイのことを書くのは楽しいねえ。
以前書いたプラクルアン関係のエントリもついでに下に載せておきますね。
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