死体博物館のあるシリラート病院から、ワンラン船着き場周辺に広がる市場を通り抜けて、ワット・ラカンという観光寺ではないけど有名なお寺に向かいます。
ワンランの市場はいろんなお店があって、地元の人たちで賑わっています。見てまわるだけでもけっこう楽しいですよ。
こういう食べ物はバラバラにしてタレをかけて袋に入れ、その場で食べられるように串もくれますから、つまみ食いしながら市場を見て回るのをおすすめします。
喉が渇けばいつでも飲み物は手に入るので、重たいペットボトルなんて持ち歩きません。
ここでは、カップに入っている果物をシェイクにしてくれます。
僕はシンプルにスイカシェイク!これが美味いんだな。日本にもあるといいのに。
食べ物や飲み物を適当につまみ食いしながら、シリラート病院とは反対側に市場を抜けると、ワット・ラカンに続く小道に出ます。
せわしないバンコクの中にあるのんびりとした風景。
とぼとぼと歩いているとワット・ラカンの別棟のある敷地の塀にタイのお守り好きの僕にはとても刺激的な貼り紙がありました。
ワット・ラカン141周年記念のお守りを売っています。なんで141年って中途半端な年なのかはよくわかりませんが。
高名なお坊さんたちが大集合してお守りに魂を入れる儀式の様子がパンフレットになっています。
僕が手に入れたのはこの2つ。右が500バーツで、左が400バーツ。
裏側はこんなふうになっています。お守りのタイプで言うと、左のものが「ソムデッド」、右のものが「プラクリン」と呼ばれるスタイルのお守りです。
どちらも美しい。うっとりです。
記念のお守りを手に入れたところで、ワット・ラカンの本堂へと入って行きます。
なぜ、仏像を前にして静かに座っていると心が落ち着くのでしょう。上から見下ろす仏像の視線に自分の心の迷いをすべて見透かされているような気になります。
ワット・ラカンはタイ人に人気のお寺なので、いつ行っても大勢の人がお詣りに訪れています。みんな熱心にお詣りをしています。
そんな境内のお守りコーナーで、大声で騒ぎ立てる青年を発見。カップルで来ているのですが、熱心にお守りの品定めをして大声で英語を発しているのは男の方。女の方は半ば飽きれているようでした。
男「俺は古いお守りが欲しいんだ。本物のグレートなパワーを持ったやつな!」
売り場のタイ人がいろんなお守りを出してきて説明しています。
男「これは本物か?本当にグレートなパワーがあるのか?古いのか?本当か?本当か?」
タイ人「本物ですよ。パワーもあります」
男「ホントにホントに本物か?絶対にグレートなパワーがあるんだろうな?」
タイ人「本当ですよ」
男「100年前のお守りはないのか?」
タイ人「100年前はワット・ラカンではお守りを作っていません」
そんな会話を聞きながら、ふと目の前のショーケースを見ると、タイ語で「100年」って書いてあるお守りが目に入りました。売り場の他の人にタイ語で「この100年前のお守りはいくらなの?」って聞いたら「20,000バーツ(約60,000円)です」って言ってました。
100年前のお守りあるんですよ。すっげー高いけど。
英語でやたら「グレートパワー」を連発するウザい香港人(って聞こえてきました)の相手をしているタイ人はうんざりした表情をしていたから、きっと100年前のお守りの説明をするのがめんどくさかったんでしょうね。
僕はここで仏歴2495年(西暦1952年)のお守りをいくつか見せてもらって、1つ手に入れました。
裏側はこうなっています。
62年前に作られたお守りですね。確認したら、62年前にワット・ラカンで入魂の儀式済だそうです。これが1,500バーツ(約4,500円)。宿代はケチるくせにタイのお守りプラクルアンにはそこそこお金をかけても惜しいとは思いません。お守り好きの病気ですね。
僕がこのお守りを手に入れて立ち去るときも、まだ香港人の青年は「グレートパワー!!!」をジェスチャー入りで連発していました。無事にお望みのお守りを手にすることはできたのでしょうか?
確かに、タイのお守りには不思議な力があると言われ、昔の高僧や有名な高僧が入魂の儀式を行ったお守りはそのご利益を求めて高値でやり取りがされています。
僕も銃で撃たれても死なないお守りとか高僧の遺骨が練り込んであるお守りなどを持っています。
でも、僕は思うんですけど、そんな現世利益を求めるためだけに鬼の形相でお守りを求める姿はあさましいと思うんですよね。あの香港人の青年のように。
僕がタイのお守りを身につけているのは、もちろん現世利益を求める気持ちもありますが、常に自分自身の気持ちや規範に正直に生きるためだと思っています。
自分自身が「これは間違っている」「これは自分の意志に反する」って行動をとらないように、首からぶら下げたお守りを意識することで自分を客観視する視点を得られるのだと思っているんです。
まあ、グレートパワーがどうしたこうしたとか本気で信じている人をバカにするつもりはありませんが、それだけじゃないだろ!って気持ちは常にあります。
それにしても、あの青年の異常なほどの「グレートパワー」へのこだわりはちょっと常規を逸している感じがあって怖かったなって思う @kun_maa でした。
なにがあの青年をあそこまで駆り立てるのか、グレートパワーを手に入れてどうしたいのか、ちょっと気になりました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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