[ま]川越のうなぎ老舗店「小川藤(おがとう)」は甘すぎないタレが魅力のおすすめ店 @kun_maa
インフルエンザの熱が下がって2日たったので、本日から職場復帰。仕事を長いこと休んだので出勤がとっても憂うつです。
ずっと寝たきり生活をしていてロクなものも食べていなかったので、昨日はリハビリとスタミナ回復を兼ねて川越市内のうなぎ屋さんへ行ってきました。
うな重でも食べて気合いを入れようというのが狙いです。
ほら、うなぎって精がつくっていうじゃないですか。僕は割といつもボーッとしている感じなので、たまには精力ギンギンギラギラして出勤するのもいいんじゃないのって思ったんですけど、あまりギラギラしていると仮病を疑われても癪だと思い、能ある鷹は爪を隠します。ちょっと何言ってんだかわかんない。
最初は以前ご紹介した「小川菊(おがきく)」という老舗店に行こうかと思ったのですが、観光客で混んでそうな店はちょっと疲れそうだなと思いやめておきました。
代わりに選んだのがこちらの「小川藤(おがとう)」。「小川菊」からもそれほど離れていませんが、ピカピカに改装した「小川菊」とは違って、昔ながら佇まいと内装をキープしている庶民的な雰囲気のお店です。
お店の中は狭くて、昔の定食屋風のテーブルが3つと小上がりがひとつでこんな風情。なかなかいいでしょ。
噂だと2階にも座敷があるらしいけど見たことがないので不明です。
さてうな重を注文しようかと思ったら、座席横の壁にこんな貼り紙が。僕の大好きなCOEDOビールの「紅赤」があるじゃありませんか。
これは飲みたいよね。おひとりさまインフルエンザ快気祝いってことでいいよね。
COEDOビール「紅赤」と、つまみに「白焼き(小)」を注文し、適当な頃を見計らってうな重「松」を持ってきてもらうようにお願いしました。
メニューはとてもシンプルです。うなぎ専門店ですから。
メニューを以前のブログ記事と比べると4年前よりも、うな重(松)は1,300円値上げされていました。
あ、でもその当時はきも吸いは別料金(100円)だったので実質1,200円の値上げです。
(竹)が800円(実質700円)、(梅)が400円(実質300円)の値上げなのに比べると(松)の値上げ率がハンパないっす。以前は値段設定間違えてたんじゃないだろうか。
それでも市内のうなぎ老舗店の中では安い方ですね。やっぱり庶民的。
うな丼なんて200円しか値上がりしてないし。
ちょっと待ち時間が長いかなって思い始めた頃に、ビールともれなく付いてくるサービス枝豆が登場。久しぶりの昼ビールもいいものです。
この「紅赤」が美味いんだよねえ。枝豆をつまみにちびちび飲んで白焼きを待ちます。
ちょうど枝豆がなくなる寸前に白焼き(小)が登場。
タイミング的に白焼きの焼ける時間を見計らって、ビールを出すのを遅らせていたと思われるさりげない気遣いを感じました。
想像していたよりも肉厚ではなく少しがっかりしましたが、表面はカリッと、中はふわっと焼けた白焼きの香ばしい川魚の香りが食欲をそそります。
そりゃ大きいのは好きですけど、ちょうど手のひらサイズくらいのも好きなんですよ。
わさびをのせて、醤油でいただきます。
厚みがないくせに中がふわっとしていて生意気です。こういう生意気な美味さは嫌いじゃありません。紅赤とも合いますね。いいおつまみです。
ちょうど白焼きを食べ終わって、少しビールがグラスに残っている頃にうな重(松)が満を持しての登場です。
お重のフタを静かにあげた途端、鼻腔を突く香ばしさMAXでよだれが噴き出すいい匂いと、見事な照り具合を誇らしげに仁王立ちしているかのような全面総うなぎ張りの景色が僕の前に広がりました。こりゃたまらん。
せっかくなので、蒲焼もつまみにしながら残った紅赤を味わいました。
醤油とわさびのシンプルな白焼きも合いますが、きっちりと秘伝のタレが染み込んだ蒲焼も、まろやかなコクのあるフルボディのビール紅赤のつまみとしてはいい感じです。
うな重のうなぎは、白焼きのものよりは肉厚でしたが、やはり少し肉厚感が足りない気がしました。余計な脂がないってことなんでしょうか。
表面はパリッと、中はふわっと柔らかいという食感は健在です。
タレがね、あまり甘くないんですよ。以前はもう少し甘かったような気がするのですが、久しぶりに食べた「小川藤」のタレは甘さをあまり感じないちょっと硬派な大人味のような気がします。僕はこの味がすごく好きなのですが、体調も関係あるのかな?
このタレがとっても美味しいんですよ。タレの染み込み具合も、うなぎやご飯へのかかり具合もホントちょうどよくて、甘すぎず、しょっぱすぎず「適度」という言葉はこのうな重のためにあると言っても過言ではない。
焼きの香ばしさとうなぎのまろやかな脂とこの甘すぎない秘伝のタレの絶妙な組み合わせが、上手に炊かれたご飯の旨味とともに口の中に広がってもうファンタスティック!すばらしい。
「小川藤」にしてよかったよー。
...と喜んでいたら、ご飯の下からうなぎの蒲焼が!そうか、確か以前(竹)はうなぎ1匹分って言ってたから、(松)は1匹半なのか!忘れていました。
思ってもいなかった「蒲焼 in the rice」に胸が打ち震えます。
気張って(松)にしてよかった!これはうれしい誤算。
フタを開けた時の「全面総うなぎ張り」の光景に、うなぎがこれだけデカいならこれで全てだろうと思い込んでしまった浅はかな自分をほめてあげたい。
ところで「蒲焼 in the rice」って英語としてどうなの?むしろ「蒲焼 between rice」ですか?だいたい英語で表現する必要ないだろ。
蒲焼の下のご飯の間にもう1枚蒲焼が挟まっていたってことだよね。日本語で書いても分かりにくいわ!
卓上の山椒を振ることも忘れて、無心で味わい尽くしました。ブログ用に写真を撮らなくちゃ、なんて思っている自分が情けなくなりました。
美味しいものを食べるときは食べることに集中しなさいと!
ええ、ちゃんと気持ちを切り分けていましたとも。食べるときは無心で味わう。写真を撮るときは撮ることに集中して口の中には食べ物を入れない。
しっかし、美味しかったですよ。以前ご紹介した「小川菊」もすごく美味しいんですけど、この「小川藤」もかなりいい線いってます。
きも吸いは生姜が効いていてさっぱり味。
三つ葉の風味はよくあるけど生姜って珍しいよね。そしてやっぱり美味しいんだな。
夢中で食べているうちに、もちろん完食です!
近頃甘いタレが多すぎるとお嘆きの貴兄・貴女に、甘すぎない絶妙なタレで焼き上げた蒲焼が食したければ「小川藤」をおすすめします。
この「小川藤」ですが、先ほどから何度も出てきた「小川菊」というお店と名前が似ているので「あれ?」って思った人もいるかと思いますが、僕がご主人に伺ったところでは、現在のご主人のお爺様が「小川菊」で働いていて、独立・のれん分けをしてもらったとのことでした。
ですから歴史は「小川菊」の方が古いのですが、この「小川藤」も創業は大正12年なので、もちろん老舗と呼べるレベル。
僕のお気に入りのタレも創業以来つぎ足しで使っている秘伝のタレなのです。
とても美味しいうな重と白焼きをごちそうさまでした!また精をつけに来ます。
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