こんにちは!
僕は今、仕事をしていないので、手帳も使わず、予定は専らiPhoneのカレンダーに入れておけば事足りています。
GTDもタスク管理も、そもそも「必ずやるべきこと」がほとんどないことに気がつき、すっかり挫折状態です。
たまに「Due」がチン!と鳴り、「おい!薬飲んだか!」と教えてくれるくらいなものです。
さて、この本「シゴタノ!手帳術」
帯に書かれている次の文章が、本書がどのようなものかを端的に表しています。
「デジタルツールとアナログ手帳で人生を切り拓き仕事を楽しくする倉下・北式『ほぼ日手帳』活用術」
著者は倉下忠憲さんと北真也さんのお二人です。
僕も半分ほど読んだところで、たまらず「ほぼ日手帳」を買ってしまいました。
残念ながらカズンではなく、オリジナルですが。
さて、本書全体を通して、一貫して流れている思想は「仕事、生活を<楽しく>する」ということです。
本書は先にも書いたように著者の2人が行っているデジタルツールと「ほぼ日手帳」を組み合わせた体系的な実践例が中心であり、その内容は非常にわかりやすいです。
単純に読むと、ここに書かれていることを全て真似すれば、それだけで仕事が楽しくなるような気になってしまいます。
でも、それは違うと思います。
本書に書かれていることは、あくまでも著者である2人がこれまで様々な試行錯誤を通して工夫してきたことの、現時点での完成形なのです。
そこを抜きにして、ただその手法を猿真似したところで、きっと続かないでしょうし、楽しくもならないでしょう。
例えて言うなら、シャア専用機に一兵卒がいきなり乗って、そのスペックをフルに使いこなせなるでしょうか?
本書は、言わば倉下専用機、北専用機なのです。
したがって、本書が提示しているのは、仕事や生活を楽しくするための「処方箋」ではなく「ヒント」なのだと思います。
人それぞれ抱えている仕事も、生活環境も、人生観も様々です。
そんな種々雑多な人間の活動に対して「このとおり真似れば大丈夫。絶対楽しくなるよ」などというものは、そもそも宗教か怪しい薬くらいしか存在しないでしょう。
大事なのは自分自身が何に困っていて、どうしていきたいのか。
そのために、本書に書かれている手法を自分の仕事や生活にどのように活用できるのかを考えながら、自分なりに試行錯誤しつつ実践していくことなのだと思います。
本書の「おわりに」で北さんも次のように書いています。
「大切なことは、本に書かれた運用フローをきちんと回すことでも、びっしりと手帳に文字を埋めることでもありません。あなた自身の困っていることを解決したり、進む方向を示す羅針盤としたりと、手帳とその運用フローがあなたが必要とする機能を果たしているなら、それで十分なのです。まずは、ご自身の手帳を使う目的、手帳に求める役割を再度確認し、その上でベストな手帳との付き合い方を見つけ出していただければと思います(P.237)
そのような視点で本書を読み込むとき、きっと多くの大切なヒントを得ることができるでしょう。
<最後に>
以上のことに、僕は読み終わったあとに気がついたのです。
だから、これから読む人は一応全部読み終わって、自分の目的を考えてから、それでも「ほぼ日手帳」が欲しかったら買いましょうね。
僕?僕はせっかく買った「ほぼ日」を楽しみながら、使いますよ。っていうかもう使い始めました。
やっぱり、書き心地といい、質感といい「ほぼ日手帳」はいいと思います。