[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]映画「ゲット・アウト」の巻 @kun_maa

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僕は走るのがあまり得意ではないから速く走れる人がうらやましかった。

特に短距離走の黒人選手が力強く颯爽と走り抜ける姿はとても美しく憧れたものだ。

あんなふうになれたなら僕の人生も全く違っていただろうにと。

そもそも遺伝子レベルで骨格や筋肉の付き方が違うのだから諦めるしかないのだなんて言い訳を自分にしながら努力する気はさらさらないという時点でお察しだけど。

 

さてそんなところで映画「ゲット・アウト」だ。

逃げろ!的なタイトルに加えてパッケージ写真がそこそこ強烈。

ゲット・アウト(字幕版)

自分にない優れたものに対する憧れの気持ちを醜い差別主義で染め上げて歪めた果ての自分勝手な思想の発露にじわじわと蝕まれる感覚を味わえる。

単純な黒人差別主義者たちによる薄気味悪い仕打ちが待ち受けるホラー作品なのかと思いきや想像の斜め上をいく展開が待っている。

事前情報なしで観た人はきっと驚くことだろう。

僕も驚いた。

 

頭のいかれた家族による逃げ場のない不気味な恐怖感という意味では「クライモリ」や「テキサスチェーンソー」を、罠にはめられて気がつくと...なんて意味では「ホステル」を連想してしまう。

それらの作品とは違って血しぶきばしゃばしゃ系のスプッラタ映画ではないけどね。

それでも独特の不気味な空気と怖さに満ちた作品だ。

 

アメリカの田舎の方は得体の知れない怖さが潜んでいるって気持ちは今までもいろんな映画やドラマで感じていたけど「ゲット・アウト」もそれに異存を挟む余地がない。

やっぱりアメリカの郊外って怖いよって思ってしまう。

出演者が知らない俳優ばかりというのも現実感を醸し出すことに一役買っている。

ただのバカだと思っていた主人公の友人が意外な活躍を見せてくれるのも良き良き。

 

それにしても作品で描かれる白人たちの言動に見え隠れするいやらしい黒人差別的な空気が気持ち悪いのだけどもしかして実際の社会でも同じような空気感あるんじゃないのって観ていて思わされるところがもっと気持ち悪い。

そこんとこどうなのさアメリカ?って問い質したくなる C'mon,baby アメリカ!的な。

 

とはいえ多少突飛な部分も含めて全体を通してとてもおもしろいし、ひとつひとつのセリフやストーリーの中に仕込まれたあざといとも思える伏線など細やかでよくできている作品なので本当おすすめ。

かなり良き映画。 

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