こう見えて僕には妹が2人いる。
妹が生まれたときに自分が赤ちゃん返りした記憶はないし何かそのことで深く傷ついたって記憶もない。
妹に嫉妬して「好きくない!」なんて言ったことはないと思うたぶん。
念のため親にも確認してみたが妹が生まれたことで僕が親を困らせたといったこともなかったようだ。
自分で言うのものなんだけど僕は小さい頃はとてもいい子だったのだ。
こう見えて僕には子供が3人いる。
今でこそちゃらんぽらんな僕だけど昔はちゃんと子育てしてたので子供たちの小さい頃のことはよくわかる。
記憶を浚ってみても下に弟妹ができたことで上の子供が僕らを困らせたということはなかった。
愛情が十分だったからなのか元々不足していたから親を奪い合うほど執着がなかったのかはわからないけれど。
だから赤ちゃん返りがあることは知っているけど実感がないので「未来のミライ」のくんちゃんの態度には全く共感できなかった。
いやむしろ大画面に映し出されるくんちゃんの不毛な態度が腹立たしくさえあった。
と憤ってみる。
映画を観て憤って終わりにしても仕方ないので視点を変えてみよう。
この作品を観て感じたのは親はなくても子は育つけど親がいなけりゃ子は生まれないってことかな。
ちょっとなに言ってるかわからないかもしれないけど。
主人公のくんちゃんが不思議な空間や時間を行き来しながら自分で成長していく物語を通して、家族の繋がりの軌跡を知りその奇跡的ともいえる繋がりがあるからこそ僕たちは生きていけるみたいな。
親がいなけりゃ僕らは生まれてこなかったわけだし、親の親そのまた親だったり親の親だったりの選択次第ではやはり僕らは生まれてこなかったのかもしれないとかさ。
僕らはそんな奇跡的な繋がりに想いを馳せながらも自分自身で様々な選択をして成長していかなくちゃねっていうメッセージが含まれているんじゃないかなって思ったんだ。
そこで振り返って僕の子供たちには多くの選択肢を与えられるようダメ親なりにやってきたつもりなのだけどどうなんだろうかという忸怩たる思いと、僕自身も自分の選択に責任を持って生きなくちゃだよねって肝に銘じたというかまあ今更なんだけどさ。
派手さはないしストーリーらしいストーリーもない上に、まるで知らない人のホームビデオでも観ているような居心地の悪さもあって観た直後はあまりおもしろくなかったなって思ったのだけどそれでいて後からじわじわとくる作品だった。
タイトルの割りに未来のミライちゃんの出番少なっ!てなったのも付け加えておく。