出だしから愚痴をこぼしちゃって申し訳ないけどこの作品に時間を消費してしまったことをかなり後悔してる。心外からの残念無念。
ジャケットはまあそこそこおもしろそうですよね。
だって「ゾンビ時代劇」ですよ。
マカロニウエスタンとゾンビを組み合わせた作品があるくらいですからゾンビ時代劇があったっていいよね。期待しちゃうよね。
それにバナナマンの日村が主役のように見えるでしょ。
だから最初からシビアなゾンビ映画なんて期待はしていませんけど、その分コメディー的な要素を期待するじゃないですか。それがなんなんすかこの作品は......
新選組の名を語っても近藤勇や土方歳三、沖田総司なんて有名どころはもちろん登場しません。唯一ちょっと名前の通っているのが監察方の山崎烝だけどこれもなんちゃって山崎 of The Deadって雰囲気。
新選組の隊士もほとんど登場せず、京都の町もなんとなく江戸のような風情。
時代劇を謳いながらチャンバラシーンもほぼ皆無。
バナナマン日村演じる「屑山下衆太郎(くずやまげすたろう)」は実は主人公ではなく、あっという間にゾンビに噛まれてなんだかなあってイマイチすぎる残念な扱い。
この憤りでパンパンに膨れ上がった気持ちをどこにぶつけたらいいんだい僕は。
坂本龍馬が登場して新選組の山崎たちと協力したり、謎の武器商人カウフマン商会やら殺し屋の唐人エックスとかわけわかんないのが登場したりして時代考証なんてものはハナから放棄。
こういう作品ってある程度は史実の部分を土台にした上で無茶苦茶をやるからおもしろいんであって、土台からガタガタだと全く笑えません。
もうこうなると笑いは笑いでも苦笑嗤笑失笑憫笑で終いには噴飯物のこの作品に冷笑するしかなくなるっての。
そもそも時代劇として成立していない時点でお察しだとは思うけど、ゾンビ作品としてもかなりがっかりな作品。
噛まれるとゾンビになるという点だけは基本的ですが、最初の感染者であるジョージだけは死体を超えた緑色で宇宙人みたいになってるし、感染しても人によっては最後まで意思が残っていて会話も成立するという不思議さ(もちろん理由は明かされない)。
ゾンビたちは脳を破壊しなくても首さえ切れば死ぬらしいという妙なサムライ仕様。
うすのろ系のゾンビは大量に現れないと恐怖感もおもしろ味もないのにあまりにもお粗末な発生量と戦闘シーン。
かなりの低予算なのでしょうか。
もちろんスプラッタなお食事シーンなんてものは、最初の方で脚を普通にむしゃむしゃ食ってるところがある程度でほぼ皆無。ゾンビのメイクもかなり低予算。
その割には日村のメイクだけはなんだか凝ってて相当アンバランスなんだよね。
なんかずっと貶してきたけど、これAmazonプライムで無料で観たからこの程度で済ませているけどお金払って映画館で観たらもっとボロクソ書いてると思う。
海外のゾンビ映画にもクソ(言葉が悪いですね)みたいな作品は多いけどそれでも屈折したゾンビ愛みたいなものを感じることがあるんだよね。
でもこの作品には時代劇愛もゾンビ愛も感じなかった。
時代劇でもゾンビ映画でもコメディでもない......どうしてこうなった?と思わされる作品なので、滅多にお目にかかれないという意味では一見の価値ありとも言えますが、それはつまり死ぬまで観なかったとしてもなんの後悔もしない作品でもあるということでもあります。
ここまで貶すばかりであらすじにすら触れてこなかったので参考までに作品の公式サイトに掲載されている「ストーリー」を引用しておきます。
ある夜、新選組の名を盾に、放蕩の限りを尽くすお荷物隊士“屑山下衆太郎”は、ばったり出くわしたゾンビに噛まれてしまう。
新選組監察方の“山崎烝”らが駆けつけ、棒術の達人である一番組見習い“火藤純”の活躍もありゾンビを捕縛。屑山も救出され一命はとり留めたものの、脈も心臓の鼓動もない死人の状態だった。
一方、輸送中のゾンビに逃げられた武器商人カウフマン商会は、新選組に捕縛されたゾンビを取り戻すために、腕利きの殺し屋“唐人エックス”を差し向ける。
徐々にゾンビへと変貌をしていく屑山下衆太郎、迫りくる唐人エックス、時を同じくして、京の町にもゾンビ感染が蔓延し、脅威となりつつあった...。
はたして、生き残るのはゾンビか?新選組か?
映画史上ありえなかった夢のバトルロワイアルが始まる...!
(公式サイトから引用)
嘘こけっ!なんかおもしろそうじゃないか。よくもまあこんな「ストーリー」をシレっと書けるものです......やれやれ。
そういえば、この作品のナレーションは俳優の目黒祐樹さんが担当しているし、主題歌はサンボマスターが担当しているんだよね。
やっぱりなんかバランス感覚がおかしい気がします。
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