[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」は泣けるゾンビ映画/ダジャレな邦題に騙されるな @kun_maa

韓国発のゾンビ映画新感染 ファイナル・エクスプレス」を観てきました。

もともとの英題は「Train to Busan」で日本語に直訳すれば「釜山行き列車」とでもいうのでしょうか。

それはそれでイマイチな感じもしますが内容に合っているだけまだマシでしょう。

韓国の高速鉄道KTXを舞台にしているからといって日本の「新幹線」にかけたおもしろくもないダジャレな邦題になっているのは残念至極。

タイトルだけ見るとダメなホラー映画にありがちな空気が漂っているじゃないですか。ところがこの作品、タイトルだけで切り捨てるにはとっても惜しい映画なんです。

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さらっとゾンビ映画と書きましたが、正確には謎のウィルス感染によって人が凶暴化するパンデミックの恐怖を描いた作品です。

でも凶暴化した人間が人を襲って噛み付く様はさながら人間を喰らうゾンビの様相を呈しているのでこれはもうゾンビ映画といっていいでしょう。

登場するゾンビ(言い切っちゃてるけど)の様子はブラピが主演して話題となった「ワールド・ウォーZ」のゾンビ(あれもウィルス感染だったけどね)のごとき瞬発力と猛烈な運動量。

特殊メイクもなかなかイケてる上にガラスを突き破ったり他のゾンビの上に折り重なるように積み上がって倒れてきたり空から降ってきたりと、ワラワラ集まって迫ってくる彼らの様子が凄まじく見応えがあります。

さらに駅の構内や操車場をうまく使った演出も際立っているのですがなんといってもほとんどの舞台が走行中の列車の中という狭い密閉空間。

その狭さ故に銃はおろか攻撃用の武器を全く持たない一般人がゾンビに取り囲まれることなく、素手や普通のバットでゾンビと対峙して突き進むことを不自然に思わせないというところがうまいなあと思いました。

とはいえ、おいおいそんな笑っちゃうような弱点あるのかよと苦笑してしまうゾンビの性質の御都合主義的な面もしっかりとあるのでそんなところがまたゾンビ映画好きにはたまりません。

 

この作品は簡単に言うと高速鉄道の中でのゾンビの大量発生による乗客たちの生き残りをかけた過酷なサバイバルを描いています。

このような作品ではパニックになった時に必ず自己中で身勝手な奴が出てくるものですがこの映画も期待を裏切りません。

っていうかほんと腹立つくらい嫌な奴が出てくるし、それに迎合して自分さえ生き残ればいいという人間のエゴ丸出しの醜さをこれでもかと見せつけてくれます。

本当に怖いのはゾンビか人間かっていうゾンビ映画の王道のテーマをベタに描きながらも「愛」について上手に取り上げているのがこの作品の肝。

中心になっているのがファンドトレーダーの主人公ソグとその娘スアンの親子、そしてマッチョ系のちょい強面だけど情に厚い男サンファと出産間近の妻ソギョンの2組の家族。それに加えて名前忘れたけど高校生の恋人同士。

親子愛、家族愛、恋人同士の愛をうまく取り上げるために彼らの人間性やそれぞれの関係を丁寧に描いているのがわかります。

それはそれぞれの人物像を表現するシーンだったりちょっとしたエピソードを利用したり。それらを積み上げていくことで浮かび上がるそれぞれの抱える悲しみや苦悩、喜びや恋心が観客の感情移入を誘うんです。

 

ゾンビによるパニックや惨劇をしっかりおもしろく描きながらも、主人公たちのキャラがしっかりと立ち上がっているから終盤の展開に泣かされるんです。

もう涙腺崩壊します。ゾンビ映画で泣いたのなんて久しぶりです。

え、そんな酷すぎる...それはあまりにも...そしてラストにあの歌をあんな使い方するのか...って。よく考えるとベタなんだけど感情移入してるから泣いちゃう。

この作品の盛り上げ方は本当に巧みだと思うし、個々の映像も全体のストーリー展開も本当にすばらしいと思います。

いやもう個人的には「君膵」なんかより全然泣けますから。 

kun-maa.hateblo.jp

ネタバレしないように書いているから詳細は書かないけど僕が完全に涙腺崩壊したのはソグとスアンの親子がすごく切なくてなああああああああ。...取り乱しました。

 

ダジャレな邦題に騙されず、ゾンビ映画好きな人にはぜひ観て欲しいと思うし、なんならゾンビ苦手な人にも観て欲しい。そんな映画です。


「新感染 ファイナル・エクスプレス」予告編

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