[ま]映画「MEG ザ・モンスター」の巻 @kun_maa
海洋パニック映画の主役といえばサメ。
冷酷で凶暴な海のギャングというか殺し屋というかまあそんなイメージ。
あの何の感情も読み取れない黒目を見ると絶対こいつらとは意思疎通できないよね、金輪際分かり合えることはないよねって思えてしまうから余計に怖いのかもしれない。
愛嬌の欠片も感じられないサメはだからこそパニック映画の主役になれるのでありそんな悪役のサメが僕は好きだ。
懐かしいところでは「ジョーズ」なんてほんと名作だと思う。
子どもの頃にどれほどドキドキしながら観たことか。
何回観てもあの音楽が流れると条件反射的に動悸がしてしまう。心音が1オクターブ上がってしまう。
ジョーズ以降サメを使ったたくさんのバカらしいB級作品も生まれた。
最近のB級作品のなかでは「メガ・シャーク」三部作や「シャークネード」シリーズなんておすすめ。
ほんとバカらしくて笑ってしまうから。
「ディープ・ブルー」や「オープン・ウォーター」、「シャーク・ナイト」あたりは他のくだらないサメ映画(失礼だな!)と比べるとそれぞれ一工夫あっておもしろい。
さてそこで「MEG ザ・モンスター」である。
MEG(メグ)って響きがちょっと女の子の名前を連想させて可愛らしい感じがするのは僕だけだろうか←それは「魔女っ子メグ」
この作品に登場するのは全然可愛くないサメだ。
サメといってもそんじょそこらのフカヒレ野郎とはわけが違うよ。
太古に滅びたとされるメガロドン。
そうメガロドンだから「MEG」ってわけ。
ちなみに前段で紹介したB級作品「メガ・シャーク」シリーズに登場するのもメガロドンなんだよこれマメな。
さてさてこのメガロドンがものすごくでかい。
普通サイズのホオジロザメがメダカに見えるくらいでかい。
クジラを頭からバリバリと喰らい尽くすほどでかい。
全長23メートル、大型バス2台分くらいの大きさがあるってんだから相当のものだ。
この作品ではその巨大なメガロドンがスケール感もバッチリ素晴らしい映像で楽しめる。
これはけっこう迫力があっていい感じだ。
まるで実在するかのようなメガロドンが大迫力でガシガシと大暴れするのだからサメ好きにはたまらない。
加えて出演者もこの手の映画にしてはなかなか豪華。
主演のジェイソン・ステイサムに相手役はリー・ビンビン。
アメリカドラマ好きにはおなじみ「HEROES」のマシ・オカや「Fear the Walking Dead」のクリフ・カーティスなんかも出ていて懐かしみ。
ただ残念なことにストーリーがいただけない。
なんでそうなるの?って違和感をいたるところで感じてしまう。
話の膨らみに欠ける。
わざと落としているとしか思えないところもしばしば。
いろんな意味でこれから盛り上がるかと思った場面で裏切られてはしごを外された気分を堪能できる。
伏線を張っているのかと思いきや回収されずに放置されて僕の期待はどうすればいいのと途方に暮れたくもなる。
海洋パニック映画かと思ったら...いやもうやめておこう。
最後に付け加えると登場人物の描き方が薄っぺらいというかほとんど掘り下げていないので誰かが死んでも全く響かない。
そんなわけでせっかくの迫力ある映像の無駄使いという感は否めない。
とはいえそれなりにドキドキ体験はできるし映画館の大きなスクリーンで観るのが気持ちいい類の映画ではあるのでストーリーの稚拙さには目をつむってひたすら映像を楽しむというのも一興かと。
僕は2Dで観たのだけどいっそのこと3DやIMAX上映で観ればより映像に集中して楽しめるのかもしれないなって思った。
さあどうするどうする?