[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]俺うつ病だったんだよとその人は言った @kun_maa

以前の職場ではうつであることを同僚に話していたが今の仕事の関係者には自分から積極的に告げてはいない。

どうしてかと言われると少し返答に困るのだけど、たぶん以前より体調が良いので急に仕事を休むことがなくなったこと、そのために同僚に迷惑をかけることがないというのが理由かもしれない。

一緒に仕事をしていく上で特に告げる必要を感じなかったのだ。

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現在は2〜3人でチームを組んで外回りをする仕事をしている。

今日は僕よりも10歳年上の見た目は堅気に見えないが面倒見のいい兄貴肌で就職する前は暴走族でぶいぶいいわせていた先輩と一緒に仕事に出かけた。

移動時間の閑散とした駅のホームでその先輩と電車を待ちながら雑談をしていたら仕事の話になり「俺うつ病だったんだよ。意外だろ?」と言われたのだ。

いつも強面で誰に対しても言いたいことを言い放ち、理不尽なことに対しては相手が誰であろうと役職関係なく噛み付くその先輩の日頃の行動からは全く想像もつかなかったので、僕は不意を突かれた感じになり曖昧な笑いを顔に貼り付けながら戸惑っていた。

 

先輩がうつになった当時の話には僕も知っている大きなプロジェクトの名前や苛烈な組合交渉のことなどが登場してきた。すごく忙しく大変そうな話の連続。

そんなことを楽しそうに話す先輩の表情には暗さは微塵も感じられず、冗談でも言うように「俺死のうとしたんだよ。でも子供に止められちゃってさ」とか「テーブルの角があるだろ?そこに額を思いっきり何回も打ち付けたりしてな。額が血だらけになったけどそんなんじゃ死なねーんだよ」なんて言ったりして。

その人がうつになったのは仕事だけが原因ではなく、家庭内の問題なども複雑に絡みあっていたそうだ。僕なら仕事だけで十分心潰れるとは思いながら聞いていたけどね。

 

先輩はある日突然通勤電車から降りられなくなってしまった。

脂汗が噴き出してきて身体が動かなくなりどうにもならなくなったそうだ。

それがうつの始まりだと知ったのはそのことを相談した人事経験のある同僚からすぐに病院に行けと紹介されたメンタルクリニックでのこと。

典型的な反応性うつ病という診断だったそうだ。

半年休職してから復職し、その後寛解まで5年間かかったそうだ。

最後はこんなもん飲んでいるからいつまでも治らないんだって自己判断で抗うつ薬をやめてしまったら治ったというので、人にはおすすめできないけど僕はその人らしいなって思った。

 

最初に書いたように僕はこの先輩にも自分のうつのことは話していなかったので「実は僕もうつで1年間休んでいたことがあるんです。今も通院しています」と告げた。

特に驚くでもなく「そっかー!」と言った先輩は僕を促してうつになった時の話をさせ黙って聞いてくれた。

そして先輩はこう言った「寛解した当時やっていた仕事が今のまーさんと同じポジションだったんだよ。この仕事いいだろ?」って。

それから「まーさんのうつのことは知ってたよ」ってボソッと言った。

 

人事にも顔がきくこの先輩の影響力を考えて「もしかして今の仕事に引っ張ってくれたのはこの人なのかな?」って思ったけど僕は何となくそれ以上聞けなかった。

そんなこと聞いちゃいけないような気がしたしさ。

もちろん先輩もそれ以上のことは言わず普通の雑談へと戻っていった。

 

その先輩のことは、仕事の実績でもヤ◯ザみたいな風貌でも目立つ人なのでもう随分前から知っているのだけど、その強面な態度にビビってしまい何となく距離感を感じていたのは事実。

仕事が終わってひとりでの帰り道。

何で先輩は今日自分がうつだったって話を僕にしてくれたんだろうかと考えながら歩いていた。

そしてこんな僕でも気にかけてくれている人がいるんだなって思ったら心の片隅が少し温かくなったような気がしてこの仕事も捨てたもんじゃねぇなって思えたんだ。

明日からも仕事頑張ろう。単純だな。 

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

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