もう「死んでもいいわ」と答えてくれる人がいなくなってしまった
ずっと月は綺麗だったのに
自分はいい加減で刹那的に生きているくせに何の根拠もなくこれからも「月が綺麗ですね」って言える日々が続いていくと思っていたなんてバカみたいだ
もうダメかなって思ったことは何度もあったけど 本当にダメにならなかったのはきみがそうなることを本気で望んではいなかったから
たったそれだけのことでつながっていただけなのに 僕はいつのまにか当たり前のように太いつながりだと勘違いしてしまったみたいだ
そんな僕の傲慢さをあざ笑うかのように その時のきみの声にはもはやそんなつながりを感じさせるものは微塵もなかった
まともに連絡がとれなくなってひと月あまり
久しぶりに聴くきみの声に表面上はなんの変化もないようだった
すぐにそれが思い違いだと気付いた時には ただ虚ろに響くきみの声から感じる冷たさが僕の心を震えさせた
そして一番聴きたくなかった言葉が 聴き慣れているはずのきみの声が どこか遠い世界の片隅で知らない人がついたため息のように僕の耳に届く
それですべてが終わった
僕に決める権利なんて最初からなかった
恋はもうとっくに終わっていたのに僕だけが気づいていなかったんだ
僕にはもう月がどこにあるかもわからない
情けないことに仕事を2日休んだ
意識の外で見えない心が身体と直接手を組んだようで僕の身体はいわゆる原因不明の悲鳴をあげていた
感じない心と軋む身体を抱えて布団にうずくまりながら無為に時間だけが過ぎた
月を見失った僕にも毎日の生活は容赦なく降り注ぐ いつまでもうずくまってばかりもいられない 起き上がらなければ
鏡の前でつくり笑いの練習をしてから仕事に出かける
心の痛みは麻痺しているというのに身体の痛みはやけに響いて自分が生きていることを実感させる
こんなのなにかの嫌がらせか皮肉にしか思えないのだけれど
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