ネット上で見かける「承認欲求」って言葉はあまりいい意味で使われていないことが多い気がする。ああ、ネットだけじゃないか。
特にリアルの生活がみじめだから手軽に発信できる手段であるネットで多くの人に承認されたい...認められたい。たくさんの賛美と共感と同意と「いいね!」を欲しがる。そんな行動が悪目立ちすると、あいつは承認欲求が云々などと言われる。
共感ではなく、非難されても存在を主張できればいいといういわゆる「炎上」行為でさえも「承認欲求」の成れの果てと称されることもあるよね。
また、「意識高い系」と呼ばれる実力を伴わないくせに前のめりな若者たちの鼻につく言動も「承認欲求」のなせる業であると引き合いに出されたりもするし。
でも承認欲求っていうのはそんなに悪者なんだろうか。
例えば誰でも「あの人に認められたい」「あの人にほめて欲しい」「あの人と懇ろになりたい(これは違うか...?)」という気持ちが行動のモチベーションとなることがあるんじゃないかなって思うんだよね。
そういう承認欲求がその人のやる気を引き起こして、何かがうまく進むのであれば承認欲求も一概に全て悪いものだとは言い切れないんじゃないのって。
いやむしろ僕なんか「やる気スイッチ」としてそんなふうに思える人が欲しいくらい。乞う承認欲求の対象となる素敵な人!って感じ。
それじゃ「ダメな承認欲求」と「いい承認欲求」ってあるんだろうか。あるとすればその違いはなんだろうかと考えてみた。
考えたっていうのもおこがましいほど時間をかけない粗々な感じでとりとめもなく。
それはおそらく承認欲求を満たすことを目的とするのか、承認欲求を単なる動機とするのかによって区別されるんじゃないかな。「ダメ」と「いい」っていう二分法がいいのかどうかは別としても。
承認欲求を満たすことを目的にしちゃうと、自分の行動の評価を自分以外の人に完全に委ねることになっちゃうよね。他人が認めてくれれば満たされるし、そうでなければ不満な気持ちだけが残る。
そうなると、極端なことを言えば中身がどうあれ意中の他人が喜ベば、そして注目してもらえればそれでいいという行動をとることが全てとなりかねないと思わない?
しかも承認欲求の対象となる相手がどう思うのかという視点は自分の妄想でしかないから承認欲求はどんどん肥大し、肥大した承認欲求を満たしたくてバカなことをしたり自分を見失ったりするんじゃないだろうか。
承認欲求を目的ではなく動機とした場合、承認されたいという気持ちは行動を起こすための一歩を踏み出すきっかけにすぎない。
承認欲求をきっかけとして起こした行動に対して、結果的に欲求を満たすことができるかもしれないしそうではないかもしれないけど、たとえ満たされないとしても目的は承認欲求を満たすことじゃないから、結果はどうあれやり遂げたことに対する満足感は得られるんじゃないだろうか。承認欲求がいい仕事してるじゃんって感じ?
言い方を変えると、承認欲求に執着するかしないかの差っていうことかな。
承認欲求に執着してしがみつくことで、それを満たすことが目的となってしまう。そのために、欲求が満たされるか否かは100%他人の評価に委ねられちゃって自己のコントロールが効かなくなっていくんだと思う。
承認欲求に執着しなければ、たとえ満たされなかったとしても捨て去ればいいだけのことでしょ。まあいうほど簡単なことではないのは重々承知だけど。
あとは満たされることを目的としなくても承認を与えてくれる誰か(何か)を見つけることか。
そうすれば承認欲求をきっかけとして起こした行動に対する評価は自分自身に残されているから、承認欲求を満たすために暴走する必要もない(はず)だよね。
承認欲求は単なるきっかけであって、自己の責任においてとった行動に対する充足感を得ることは自分に委ねられているから、たとえそれが失敗したとしても自分のこととして受け入れやすいと思うし(そうでもないかもしれないけど)、成功して結果的に承認欲求まで満たされることになればラッキーって感じなんじゃないかな。
承認欲求を満たすことに執着しなければ、それは行動のきっかけであって目的ではないのだから。
そうはいっても人は弱い。僕自身も毎日泣きたくなるくらい弱い。いろいろ弱い。
だからこそ常に意識していないと承認欲求を満たすという魔性の魅力に取り憑かれて、いつの間にか動機と目的がすり変わり、他人に承認されることに執着してしまうんだよなあ。
でき得ることならば、承認欲求をやる気スイッチとしてだけ利用させてもらって、承認欲求にとらわれることなく自分のやりたいことをやり、好きなことを好きだといい続けられる自由な自分でありたい。
そんなふうに僕は思っているのだけど、言うは易し行うは難しってこのことだよね。
そして僕にもっと智慧を!
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