なぜ僕はひとり旅をするのか。
明日から10日ほどひとりでタイを旅する。 僕はひとりで旅をすることが多い。
一緒に旅をする友だちがいないというのもあるんだけど、理由はそれだけじゃない。
実際、友だちと一緒に旅をしても、昼間は別行動をとることが多い。ずっと一緒に行動するなんてなんか落ち着かない。たぶん僕はひとりになりたいんだと思う。
ひとり旅のいいところは、誰にも遠慮せず自分が行きたいところへ行って、好きなだけ 時間を過ごすことができること。 市場の喧騒の中、思いつくままに歩き回り、写真を撮ったりつまみ食いしたり。 涼しい風がそよぐ気持ちのいい場所が見つかれば、昼寝だって自由にできる。
日本で抱えている仕事や家族のしがらみからまったく解放されて自由に過ごせる時間。 他人のことなんか何も気にしないで、自分の気持ちに素直に従える時間。それが僕にとっ ての旅の魅力なのかもしれない。
ひとりで旅をすれば、当然すべてのことを自分で行わなければならない。別に何もしたく なければしなくてもいいんだけど、泊まることもできなければ、食べることもできないっ てだけ。すべての責任は自分にある。これも実はひとり旅の魅力だと思っている。
自分が 行動を起こさなければ誰も助けてなんかくれない。自由はめんどくさくて、厳しくて、そして行動したときのワクワク感を伴って僕を旅の空の下に放り出してくれる。
思わぬできごとに巻き込まれて、喜んだり、怖がったり、泣いたり、がっかりしたり。 起きるできごとは、もちろんそのときの出会いや環境にも左右されるけど、誰のせいでも なく、自分の行動が招いた出来事だとストレートに感じることができる。
いいことも、 悪いこともね。それが、なんていうか日常の生活とは違う充実感をもって「ああ、生きているんだなあ」って思う。
ひとり旅をしていると、常に自分と会話をしていることに気付く。別に独り言をぶつぶつとつぶやいているわけじゃない。
頭の中での自分との対話。これが普段まったく意識していない自分に出会える機会を与えてくれることもある。大胆な自分、臆病な自分、卑怯な自分、わがままな自分、怠惰な自分などなど。 ああ、こんな場面で自分はいまビビりまくっているんだとか、なんでこんなことしているんだろう?ホントにバカだなあとかね。いろんな自分に出会うことができる。それもまた新鮮な感覚。
それでも、自分との対話に飽きたり、人恋しくなることも多いのがひとり旅。 そんな時は、旅先で出会った人に声をかければいい。市場のおばちゃんでも、タクシーの運転手でも、食堂の兄ちゃんでも。気兼ねなんかいらない。話しかけたければ誰にでも話しかければいい。たとえ言葉が通じなくても、こちらに話したい気持ちがあって、相手が理解してくれようとすればなんとかなるもの。相手がめんどくさがれば他の人を探せばいい。
それでも、どうしてもさみしくてしかたないときもある。そんな時は、ひとり街並みに溶け込みながら、屋台でビールでも飲んでさみしさを飽きるまで噛みしめればいい。そういう体験もあとから思えばいい想い出になるものだ。
僕が初めてひとり旅をしたのは、中学3年生の夏。JR(当時はまだ国鉄だったんだ!)の切符を安く買うために、担任に学割を申請したら 「受験生がふざけんな。旅行なんかする暇があったら勉強しろ」と言われて、学割がもらえなかったことを思い出す。
仕方がないから大人料金で切符を買って、ひとりで夜行列車に飛び乗った。旅先ではいろんな失敗をし、多くの人に助けられながら、さみしさを噛みしめたことも覚えている。
あれから、もう30年以上が過ぎたけど、僕はまだひとり旅を続けている。
若いころとは違って、日常生活の中で背負うべきものや、いろんなしがらみがどんどん増えていくことに戸惑いながらも、僕はこれからもきっとひとり旅を続けていく。
最後までお読みいただきありがとうございます。
このブログを気に入っていただけたら、下のボタンからツイートやいいね!、お気に入り登録などしていただけるととてもうれしいです。
また、RSS登録していただける方はこちらのボタンをご利用ください。