40歳過ぎると体力は落ちるは、物覚えは悪くなるはなんだか一気にガタがくる。
こればかりは、自分がその歳になってみないとわからないんだけど、ホントもう無理がきかないってことを身にしみて感じている。っていうか僕の場合もう50歳に近いんだが。
本書が40代以上のビジネスマンに提案するのは「全力」で脱力系の生き方を追い求めるための方法論。これからのミドルエイジに必要なのは「仕事論」じゃなくて「脱力論」だよって言い切ってしまう。
最近、なにかと40代をテーマにした仕事本って流行ってる気がするんだけど、その多くは「40代でキャリアを見直して転職しよう」とか「40代で新しい仕事の在り方を考えるべき」とか「これまでのキャリアを活かして独立を!」って感じのものが多いような気がする。ポジティブすぎてちょっと疲れる。
でも、この本は違う。ミドルエイジは今いる会社にとことんしがみつけと。たとえ流行の「追い出し部屋」に配属されたとしても会社はやめるべきではないと。
そして、こんなことも書いている。ちょっと極端だけど概ね同意。
仕事はなく、給料は減らされるのだとしても、いくらかはもらえる。それは普段、「仕事をしたくない」と愚痴をこぼしながらサボっている多くのサラリーマンの理想の姿ではないだろうか。会社が仕事をしなくていいと決めたのだから、ネットをみるなり本を読むなり、好きに過ごせばいい。私なら、プラモデルを持っていってつくるかもしれない。仕事をしなくても誰も怒る人がいないというのは、ほんとうはとても幸せなことだ。(P18)
ただ、周りの視線が冷たかろうとなんだろうと会社に居座れと言いつつも、会社に心まで売り渡してはいけないということを強調する。ミドルエイジの脱・社畜論って感じ。
それは、会社の将来なんか考えなくてもいいし、決められた就業時間内に与えられた仕事を最低限こなし、自分の時間を大切にすることが大事なんだよって。ただし、仕事は一生懸命やっている振りをすることが大切だよと。
仕事に生き甲斐なんか求めるのではなく、会社にしがみつきつつも、自分の人生は自分でデザインするものなんだよって説いている。
毎日、満員電車に押し込まれて会社に通い、無機質なビルで一日を過ごすホワイトカラーなど、たいした仕事などしていない。そう考えれば、会社での仕事に生きがいを求めるのは、かえって空しいものだ、とわかるのではないだろうか。そもそも資本主義社会においては、資本家になるのが最終目標であり、社内で出世してもあまり意味がない。そもそも、、サラリーマンはすべて”負け組”なのだ。(P21)
40代、50代になったら、会社と仕事が全てという生活はもうやめにして、いかに会社で息をひそめて気力・体力を温存するかを考え、仕事の外の世界を切り拓くことができるかが大切なんだと。そこで温存した気力・体力を使って、あらゆることに興味を持って、行動に移して行くことがこれからの生き方として必要なこと。
行動に移すと言っても、いきなり大金をつぎ込んでサイドビジネスを始めるなどと、大きく動く必要はなく、小さくいろいろなことに手を出してみて、つまらなければ止めてしまえばいいってこと。
だから、タイトルにあるように40歳を過ぎたら三日坊主でいいんだと。
くれぐれも、大きく動きすぎて大コケしないことが肝心。
ミドルエイジで大コケしたら立ち直れないから。
ちょこちょこと手を出してみて、自分がおもしろいと思えるものを見つけることが大事。
そして、結局はそういう行動を繰り返す中で、他人とは違う自分の打ち込める世界を見つけたものが勝ちなんだよってお話。
そのために必要な心がまえや、やるべきこと、戦略などが成毛節炸裂で楽しく書かれている。
著者は最後にこう書いている。
多くのミドルエイジは、いままで本業第一で生きてきたはずだ。仕事で成功することが、自分の人生の最大級の幸せだと信じてきただろう。しかし、それは世の中が勝手につくり上げた幻想だ。
ほんとうは、ほかの人とは違う人生を選べた時点で、自分の人生における勝者になっている。お金の多寡など、たいした問題ではないのだ。
これからの人生は思い切り脇道に逸れ、いままで見たことのない景色をみて、いままで味わったことのない感動をとことん味わえば、最上のミドルエイジ時代を過ごせるだろう。(P197)
僕も好奇心を失わずに、いろいろ手を出しながらゆるっと人生楽しみたいなと思った。
ちょっと違った視点で書かれた楽しいミドルエイジ論。
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