こんにちは!その人の顔が見えるインタビュー記事が好き @kun_maa です。
毎回、日本を代表する推理作家が登場し、嗜みやこだわり、お気に入りや作品についての想いなどをインタビューに答える形で語っています。
1回1回の内容としてはそれほど長くはないのですが、みなさんそれぞれ個性が出ていて、作家の素顔を垣間見ることができます。
特に作品を読んだことがある作家が登場する回では、あの作品を書いている人は普段こういう人なのか・・とか、あの作品はこういう思考から生まれたのか・・などとても興味深く読むことができます。
人によっては、作品とそれを書いた人物とは別物だから、作家には興味がないという人もいるかもしれませんが、僕は作品もそれを書いた人にも興味があるので、こういう企画は大歓迎です。
僕がいいなと思ったインタビューの一部をいくつか抜き出してみます。
<東野圭吾>
—自らを振り返って、新社会人へのメッセージはありませんか。
「仕事でみんな名刺を持たされますよね。そこには社名が書いてあって、その社名には力があるんですよ。とても大きな……。
それを自分の力だと勘違いしてしまうことがあります。そうならないよう、いつも自分を戒めること。そして、名刺のない時に自分はどんなことができるか、名刺のない自分は何なのか、それを見極めていくことが大事なんですよ。そう思いますね」
<道尾秀介>
—お気に入りのものや、手放せないものってありますか。
「手書きの手紙を出すのが好きです。仕事のやりとりは電子メールや電話ばかりですが、手書きの手紙をよく書きますよ。縦書きの便箋を使って。知人や恩師から手紙が届いたら、やっぱり返信は手紙ですね」
—手紙を書くのが好きとは意外です。
「忙しくても手書きの手紙はいいですね。もらえば、紙や筆の選び方や字面から、書いている人がどんな気持ちなのかよくわかるし、僕の手紙もそんなふうに受け止められているかもしれない。にじみ出るものがあるから好きなんです」
<石田衣良>
「大きな問題ほど、真剣に考えなきゃいけないという人が多いんですが、それは違うと思うんです。ぼくは小さな問題は真剣に一生懸命に考えるけど、大きな問題は逆に感覚に任せるんですよ。心の声や体の声をよく聞くようにして、感覚や肉体が反応することを大事にした方がいいと思います。そういうおおらかさを持った方がいい」
<高野和明>
—近年の生物学研究の進歩も著しいものがあります。理系はお得意でしたか。
「いや。それまでの書き物は文系で事足りていましたが、今回の取材を通して、理系の分野の専門家のものすごさを思い知らされました。人文科学系の学問と比べて、アマチュアと専門家を隔てる壁が途方もなく高いんですね。私たち素人は、いくら勉強したと言ったって、所詮は上っ面をなでているだけではないかと。創薬に関することも、様々なジャンルに細分化されているんですが、どのジャンルも奥が深いんですね。2008年11月から本格的な下調べを開始したのですが、『これは書けない!』と諦めかけたときが何度もありました」
<川瀬七緒>
—デザイナーとミステリー作家に共通点はありますか。
「何もないところから生み出していくこと、そして感性に頼るということでしょうか。小説を書くという作業も、私にとっては映像を文字化していくような感じなのです。だから、一気に早く書き上げないと勢いが弱まるというか、とにかく書き始めたら、先を急がないとイメージがどんどん薄まっていってしまうのです」
—趣味として集めているもの、長く持ち続けて捨てられないものはありますか。
「人形が大好きで30体ぐらい持っています。人の形をしたものであれば、たとえ板きれでもいいです。今後自分で創ってみたいのは球体関節人形です。関節が球体になっているので手足を自由に曲げたり、いろんなポーズをとれるようになっていて、マニアがたくさんいますよ。人形って、そもそも何かが入っていると思うのです。そういう何かが入っていそうな人形が好きなんです」
<香納諒一>
—そんなストレスの多い日々の中に、木彫りとピアノという趣味の時間を持った。何か変化は出てきましたか。
「生活というもののとらえ方が柔らかくなった気がします。それまでは、精いっぱいに小説を書く、それが私の生きる道、みたいな生き方でした。とがっていましたね。編集担当者の意見なども聞かない事が多かったですし。趣味のおかげで、何だか体も筋肉も柔らかくなった感じです。読書についても、最近、読み方が変わりました。今までは、やはり仕事のためというか、仕事に役立つ何かを吸収するという読み方でしたが、今はゆったりと、ごく普通の一読者として、楽しむ度合いが増えました。それに今は、例えばインタビュー記事はインタビューした人のもの、装丁は装丁家のもの、それに、本作りは編集者との共同作業、というふうに思うようになりました。迷い過ぎず、こだわり過ぎず、淡々と自分の仕事をやっていたいですね。」
<貫井徳郎>
—そもそも小説家になろうと思ったのはいつごろからですか。
「10代の頃から、海外のミステリー小説と日本のSF小説をよく読んでいました。高校1年生の時、小説を自分で書きました。なぜかというと、新人賞に選ばれると賞金が出ると知って、ぜひ書いてみようと。その賞金でパソコンを買おうと思ったんです。でも結局、アルバイトをしてパソコンを買いました。やがて創作活動自体が楽しくなり、作家になりたいと考えるようになりました」
これまでに、18人の作家のインタビューが行われています。
最新号は、僕が好きな作家のひとりである貫井徳郎さんです。
これからも、作家の素顔を垣間見ることができる毎月の掲載が楽しみです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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