[ま]「論語」は2500年前のTwitter!「論語なう」 @kun_maa
学びたいときに学べるって、むっちゃうれしい!
遠くの友だちが訪ねてきてくれて、学問を語り合う。これまたむっちゃ楽しい。
こんなに学問に打ちこんでいるのに、世間はだれもおれを認めてくれない。
だからといって、腹を立てているようじゃ、まだまだだよね。 P.12 (学而第一)
これは「論語」の冒頭を飾る有名な文章の「なう語」訳です。
わかりやすい中にも、孔子が自分の不遇を嘆きながらの強よがりが伝わってきませんか?
書物と言っても、当時の本は紙ではなく竹簡といって、竹を割って乾かしたものを使っていたそうです。
そのため、長い文章は書けず、論語のほとんどの条(項目)は100字〜200字。
しかもストーリーとか体系がないので、アトランダムに次々と孔子の言葉が出てくるという具合です。
見開き1ページで1つの「なう語訳」とその解説があるという形態は非常にわかりやすく、あっという間に読めてしまいます。
そういう世の中に嫌気がさした人びとは口をつぐみ、内向していった時代です。
そのためか、2500年前に「つぶやいた」こととは思えないほど、とても現代に通じる親和性を感じます。
僕が気に入ったものをいくつかご紹介しましょう。
弁舌さわやかで、いつもにこにこスマイル。
こういうやつって、なんかうさんくさいよね。 P.16
こういう人って昔からいたんですね。自分の周りにもいませんか?w
「だれもおれをわかってくれない」なんて、本当の悩みじゃない。
「お前が周りのやつを認めたくない」ってのが、本当の問題だろ? P.20
そして、なんとなく自分が社会に感じていることも見透かされているようで。
どんなことでも、知識をもっているだけのやつは、好きでやっているやつには勝てない。好きでやっているやつは、楽しんでやっているやつには勝てない。 P.24
仕事でも趣味でも当てはまりますよね。
なんでも楽しんでやっている人にはかないません。
間違いを犯したのに、改めようとしない。それを「間違い」って言うんだよ! P.34
誰でも失敗はする。でも同じ失敗を繰り返す者は努力を惜しんでいるんだ!というのが孔子のスタンスです。かなり耳の痛い言葉ですね。
おれにも嫌いなやつっているよ。
人の陰口ばかりするやつ。責任がなんにもないポジションにいながら、責任を負って仕事をしている上司の批判ばかりするやつ。ポジティブ思考だとかいって周りのことを考えないやつ。即断即決するけど、実はちゃんと考えていないやつ。こういうやつは嫌いだね。 P.48
孔子の時代も現代も、こういう典型的なダメ社会人はいるようで・・。
欲望の方が理性よりも強いやつって、ヒャッハーでしょ?
理性の方が欲望よりも強いやつって、クソ真面目でツマンネーでしょ?
理性と欲望の2つは、バランスが取れていてこそ、すばらしい人物が生まれてくるんだよね。 P.70
孔子というと「聖人君子」というイメージが強いけれど、決して欲望を否定していないんですね。理性と欲望の調和が大事なんです。自戒を込めて。
弟子の曾子がやっている毎日の反省ポイント3つ。
1.人の相談に乗っておきながら、内心面倒くせえ!と思ったことはないか。
1.友だちづらしてつきあっているのに、ほんとはそいつのこと好きじゃなかったりすることはないか。
1.聞いたばかりのことを、知ったかぶりしてドヤ顔で人に教えなかったか。 P.96
この3つの反省ポイントはそのまま現代にも通じますね。気をつけよっと。
リアルが充実しているやつは、仲間はたくさんいるけど、めったに仲間自慢をしない。充実していないやつは、「おれにはこんなにすごい友人がいるんだ」とよく口にするけど、ほんとうは一人ぼっちだったりする。 P.98
こういう自分を少しでも大きく見せようとしている人もけっこういますよね。
え?いない?僕の周りだけかな・・。
音楽ってサイコー!パーカッションから始まってさ、いろいろな楽器が加わってきて、調和の取れたアンサンブル。そして、明晰なソロパート。Aメロ、Bメロ、サビと展開していく構成。それで音楽が完成する。やっぱり音楽っていいね! P.126
孔子は自分で作詞作曲もするミュージシャンでもあったそうです。とても意外ですね。
こういう「つぶやき」を残している孔子も好きです。
「結局、おれはだれにも理解されなかったなあ」と口にしたら、弟子の子貢が「なんでそんなことをおっしゃるのですか」と言う。
不遇な人生だったけど、天を恨むわけでもなく、世の中のせいにもせず、ただただ学問に打ちこんできた。
おれを理解してくれるのは天だけかもしれないなあ。 P.216
以上、いくつか僕が気に入ったものをご紹介しました。
論語というと堅苦しくて難しいというイメージがありますが、本書はそれを打ち破る破壊力を持っています。
著者も「おわりに」で述べていますが、論語には様々な解釈があり、これが正解だというものはありません。
だからこそ、こういう本も十分ありだなと思います。
なう語訳で、躍動感にあふれた論語の言葉に触れてみるのはいかがですか?
楽しく読めるオススメの一冊です。
論語なう ?140文字でわかる孔子の教え? (マイナビ新書)
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