[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]心配事の9割は起こらない/「いま」「ここ」だけに集中して生きていくこと @kun_maa

僕の家(といっても親がという意味だが)はもともと臨済宗のお寺の檀家で、現在は曹洞宗のお寺の檀家なので、禅宗について少しは知識があってもよさそうなものだが、これが悔しいくらい全く知らない。

座禅を組んだこともないし、お寺で禅の体験などもしたことがないので「禅」については全くの「ど素人」である。

 

本書「心配事の9割は起こらない」は、曹洞宗のお寺の住職であり、庭園デザイナー、多摩美術大学教授までこなしている多才な禅僧である著者が、禅の教えの中から日々の生活で余計な不安や悩みを抱えないように、シンプルに生きていくためのヒントを、僕のような「ど素人」にもわかるように噛み砕いた表現で、わかりやすく説いてくれている本である。 

「はじめに」で、著者は次のように簡潔に本の趣旨を述べている。

余計な不安や悩みを抱えないように、他人の価値観に振り回されないように、無駄なものをそぎ落として、限りなくシンプルに生きる。

それが、この本で私がいいたいことです。

無駄をそぎ落としてシンプルに生きる!などと言うと、まるでミニマリストみたいで「うへぇ〜」ってアレルギー反応を起こす人がいるかもしれないが、この本は別に物質的にミニマルに生きるとか断捨離万歳ってな話ではない。

 

著者は禅僧という立場上、多くの人から様々な相談を受けるのだが、心配事の先取りをしてしまって、客観的に見ればたいしたことではないことに振り回されて思い悩んでしまっている人が多いのだという。

禅語の「喫茶喫飯」というのは、余計なことを考えずにお茶をを飲むときにはお茶を飲むことだけに、ご飯を食べるときにはご飯を食べることだけに集中しなさいという教えだそうだ。このように一見あたりまえのことのようだが、そのあたりまえのことを大切に、丁寧に実践することで「いま」「ここ」だけに集中することの大切さを説いている。

「いま」「ここ」だけに集中して未来を考えないというと何か刹那的な自暴自棄な態度に感じる人もいるかもしれない。

しかし、そうではないのだ。

心配事の先取りなどしないで、「いま」「ここ」だけに集中することで、人は余計な不安や悩みを抱えないように心が整っていくというのである。 

なんだか自分がいつも思っていることに少し似ている。もしかして、僕は生まれながらの禅僧なのだろうか(そんなわけない)。 

kun-maa.hateblo.jp

 

僕の妄想が少し入り込んでしまったので本題に戻ろう。

本書は全部で次の5章から成っている。

  1. さっさと減らそう、手放そう、忘れよう
  2. 「いま」できることだけに集中する
  3. 「競争」から一歩離れると、うまくいく
  4. 人間関係が驚くほどラクになるヒント
  5. 「悩み方」を変えると、人生は好転する

それぞれの章は10項目程度にわかれていて、例えば「妄想しない」、「あるがままでいる」、「『あたりまえ』を見直す」、「自分の『ものさし』で生きる」、「コツコツ続ける」、「簡単に逃げない」、「『流れ』に任せる」、「過ちは『すぐ』に認める」、「損得で判断しない」などの行動や生活の指標となるようなものから、「『お金』について」、「『恋愛』について」、「『死』について」など生き方そのものに関するものまで、幅広く取り上げている。

具体的な話題を使って、わかりやすく述べられる数々の禅の教えをもとにした内容は、読み進めるほどに少しずつ心が軽くなっていくような感覚を伴いながら、「これで間違ってなかったんだ」、「こんな考え方も必要なのか」といったさまざまな感情を自身の中に呼び起こす。

個別具体な内容は百聞は一見に如かずで、ぜひ本書をお読みいただきたいのだが、「死」について述べている項から印象に残った部分を2か所引用しておきたい。

「前後裁断」という禅語があります。

その一瞬一瞬が絶対であり、前も後ろもつながっていない、ということです。生も死もそれぞれに絶対なのです。生は死にいたる前の姿ではなく、死は生の後の姿としてあるわけではない。生ききるとはその絶対の生をまっとうすること、ひたすら一生懸命にいきること。

そして、106歳の天寿をまっとうしたというある禅師の言葉。

「人間はいつ死んでもいいと思うのが、悟りやと思うておった。ところがそれは間違いやった。平気で生きていることが、悟りやった。平気で生きておることは難しい。死ぬときがきたら死んだらいいんや。平気で生きておれるときは、平気で生きておったらいいんや」

こんなふうに僕も生きていけたらと思う。もちろん簡単にかなうはずもなく、なかなかできずに、もがきながらこれからも生きていくのだろう。

とりあえず、できるだけ先のことを思い悩むことなく、「いま」「ここ」に集中して生きていこう。 

心配事の9割は起こらない 三笠書房 電子書籍

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