ネガティブな動機ではダイエットは続かない。
独りで行うダイエットの成功率はわずか20%
ダイエットは食事管理8割、筋トレ2割。
これらは会社の健康管理プログラムの一環で行われたライザップ健康セミナーで言われたことだ。
ライザップのトレーナーを招いて、不健康な或いは逆に健康オタク的な男性社員を対象に行われたこのセミナーでは半日だけという短時間だけだがライザップ式健康法の講義と筋トレが行われた。
講義はともかく筋トレはなかなかキツかった。
週末の朝ランや毎日の腹筋ローラーなどで脚や腹筋はなんとかなったものの普段ほとんど使うことのない腕や肩や胸などの筋肉の運動はプルプル震えてくるしめちゃくちゃ汗だくになってすっかりヘロヘロ。
本当にもうがっつり筋力がなくなったなあああああというのが正直な感想で健康への危機感マシマシ。
週2回の筋トレをちゃんと続ければいつからでも体は必ず変わりますとトレーナーは爽やかな笑顔で言う。
筋トレはみなさんを笑顔にします!
今の食生活のよくないなあと思うところを見直しましょう!
そりゃもうもちろん低糖質ですってばとぅーす!
あなたにとっての理想の体型を書き出してください。
そしてその理想の体型になったらしてみたいことを思い描きそれを筋トレと食事管理を続けるモチベーションとしてください。
繰り返される呪文のように滑らかなトークと「すごい!」「ナイス頑張りです!」と褒められアゲアゲで続けられる筋トレ...最早なにか宗教的な感さえある。
食事管理の方法や筋トレの進め方、モチベーションの維持の仕方などの話はとても興味深かったし、聞いただけなのになぜかちょっと取り組み始めたような気になってお腹いっぱい小鼻が膨らんだ。
がっつり取り組んだ筋トレのおかげでたっぷり汗をかいたし、体がすごくスッキリしたのでその帰り道で飲むクラフトビールに罪悪感は皆無だった。
そして酔っぱらった僕はその日のセミナーで「明日からは飲んだ後の〆はやめます!」とライザップのトレーナーに宣言させられたにもかかわらず、まだ明日じゃないからと立ち食いそば屋で〆の冷やしたぬきそばを食べ、さらにコンビニおにぎりをむしゃむしゃと...
筋肉痛が始まりかけた重だるい体を持て余しつつ、満腹感と敗北感にまみれながら僕はいつもより深い眠りへと落ちた。
明日から始めるといいながら結局始まることさえなくダイエットが終わる人が多いのですというトレーナーの言葉がリフレインするのを噛み締めながら見る夢は...