見た目は実年齢よりも若く見られることが多いのだけどいうてもそこそこいい歳なので新しいことを始めるのがいささか億劫なところがある。
取り掛かるのがめんどくさいという意識に加えて「こんなことをやりたい」なんていうとバカだと思われるんじゃないか笑われるんじゃないかという恐れのようなものが多分に含まれている。
なにいってんだこいつなにやってんだこいつってみんなに腹の中で笑われるのが怖いのだ。
なんでそんなことやって喜んでいるんだよって失笑されるのが怖いのだ。
それで「どうせ今更うまくいくわけがない」とか「どうせ楽しくないに違いない」とか言い訳ばかり考えて一歩が踏み出せない。
おもしろそうだとかおもしろいなって思ってもそこから自分で積極的に踏み出すことができなければその先に進めるわけがない。
そんなふうにウジウジと自分の殻に閉じこもっているとやがて魅力的に感じたものが次第に色褪せて輝きを失っていく。
やがて「まあいっか」というつぶやきとともに好奇心が消え失せてしまうのだ。
人生を劇的に変えるとか仕事を辞めて新しいことをやろうとかそんな大それたことを考えているわけでもないのに自分の中に生まれた楽しみの小さな芽さえ摘み取ってしまってどうするというのか。
意気地なしで女々しい自分に腹が立った。
めんどくさいという気持ちは踏み出す歩幅を小さく刻んで誤魔化した。
別に笑われたっていいやと開き直ったら一体誰に笑われるのが怖かったのかわからなくなった。
みんなって誰だよ自意識過剰か。
バカにされてもいいや失笑なんてどんとこいって思ったらおもしろいと思えることがとても愛しくなった。
うつですべてのことに興味を失って砂を噛むような灰色の毎日を送っていた頃のことを思い出した。
小さな一歩を踏み出してみた。
何も変わりはしなかった。
やはりダメなのかなって弱気になった。
他の扉をノックしてみた。
やっぱり反応は無いに等しかった。
それでも時間が経つにつれてようやく少しだけ光が見えてきたような気がした。
具体的に何かが決まったとか動き出したわけでも自分の行動が何かを生み出したわけでもないのだけどわくわくしてきた。
ああやっぱり試してみたかったんだなやりたかったんだなって思った。
自分がわくわくしているだけで他人から見たら何だそんなことって思われるかもなあって相変わらずウジウジしているところもあって実はこんなことやりたいんですよって素直に書けない自分はやっぱり情けないと思う。
それでも何だかこのわくわくしている気持ちを書き残しておきたくてのエントリ。
ちょっと何いってるのかわかんないとは思うけど。
日々は小さな楽しみを少しづつ積み上げながらまだまだ続くと思いながら。
自分が楽しければ笑われてもいいのだきっと。