例えば職場に出勤していつものように挨拶をしたときにいつもはすぐに返ってくる挨拶がない。
あれ?おかしいなって思って気にしているとなんだかその相手の態度が妙によそよそしくて冷たい気がする。
気になり始めると相手の態度のちょっとした変化でもすごく気になる。
何か嫌われるようなことをしてしまったかなとか考えてしまう。
何で朝からこんな不愉快な思いをしなけりゃならんのさ...とか腹立たしくなってきたら要注意。
もしかしたら相手はたまたま僕の挨拶が聞こえなかっただけなのかもしれない。
あるいはタイミングが噛み合わなくて挨拶を返し損なうことだってあるある。少なくとも僕はある。あー、ちょうど唾を飲み込むタイミングー!とかくしゃみを我慢してたのにー!とかね。
あるいは花粉の季節だからさ。体調が悪くてちょっと機嫌が悪いことだってある。
いずれにしてもそんな不確定要素たっぷりの相手の態度を勝手に深読みして不機嫌になるのは自分が消耗するだけだからやめようよっていう反省。
それが今朝の僕。
なんかわかんないけど僕に対して嫌な感じだなあって思ってね。具体的に言うと隣に座る先輩が。
挨拶は返ってこなかったし話しかけてもなんだか面倒くさそうによそよそしく冷たい態度。まあ全部僕が感じた印象だけど。
特に嫌われるようなことを言ったりした覚えはないんだけどなあってこちらも思っているから相手の態度の理由を考えながら理不尽な気持ちになってだんだん腹立たしく不機嫌になってくるわけ。
たぶんだけどそうなるとその先輩に対しても周囲の同僚に対しても僕の不機嫌さがなんとなく伝わるんだと思う。
誰ともなく次第にみんな口をきかなくなって重い空気が流れてたもの。風通しの悪い職場的なやつ。
あんまり空気が重たいし今朝は花粉症がいつもよりも酷くて目薬をさしても痒みが取れないもんだからトイレに行って目を洗って仕切りなおそうと思ったんだよね。
洗面所で鏡に映った自分の顔を見たら思い切り不機嫌で眉間に力が入ってた。
なんだかすごく疲れたような怒っているようないかにも「ザ・不愉快」って顔してやがんの。
こんな顔してちゃそりゃ周囲も嫌気がさすだろうし職場の空気も悪くなるよなって。
相手のちょっとした態度に勝手に意味を被せて不機嫌になりその人のせいで職場の雰囲気が悪くなってんじゃんとか思っていたのはこれまた自分の思い込みにしか過ぎず実は僕自身が元凶だったってこと。
鏡の中で口角を上げていやらしい作り笑いを繰り返しているうちになんとなく馬鹿らしくなって自然に笑えるようになったからそのまま席に戻って仕事して自分からみんなに話しかけたら普通に返事が返ってきてさ。
悪いと思っていた雰囲気が別にいつもと変わらないってことに気がついたっていうかいつもと同じ空気に戻ったというか。
それもこれも全部僕の印象にすぎないからひょっとしたら周囲は最初からいつもと変わらなかったんじゃないかと思えてきたりして。
もしかしたら独りで不機嫌になって独りで心折れそうになって独りで鬱々としていただけかもしれないって急に自信がなくなっちゃったから、ああなんか今日は相手の態度がおかしいとか冷たいとかよそよそしいとか感じちゃったらまずは自分を疑えって思った。鏡を見て自分の表情を確認してみろって。
仮に全てが勘違いだったとしても口角が上がって楽しそうな顔してたらいいことあるかもしれないしさ。
不快に感じた相手の態度に意味付けしてあれこれ考えて落ち込むよりもずっといいかなって思うわけ。
仕事も私生活もたぶんそんなもんじゃないの。