「本が好き!」からの献本。
タイトルだけを見るとかなりスピリチュアル系なイメージを読者に与えるんじゃないかと心配してしまうが、実はいたって真面目で地道な思考法の本だった。
サブタイトルの「世界一クレイジーでクリエイティブな問題解決スキル」ってのはちょっと大げさだなあとは思うけどさ。
アイデアが「降りてくる」といっても、何もせずにただボーッとしていれば自然に素晴らしいアイデアが空から降るように思いつくはずがない。
本書の主張の肝は、地道に考えて考えて考え抜いた末に、休んだ脳のもたらす無意識の力を利用しようというところにあるのだ。
このような思考法自体は、もちろんスピリチュアルなものでもクレイジーなものでもない。思考法のテクニックとしてもこれまで様々な著作で取り上げられてきたものであり、特段目新しさは感じられなかった。いわゆる既視感のある内容なのだ。
それでは本書は読む価値がないのか。いや、そうではない。
本書の利用価値はタイトルでうたっている「思考法」の部分ではなく、著者が体験的に学び実践してきた「脳を狭く小さく使うため」の具体的な方法や、徹底的に考えるための下準備に必要となる基礎の部分について述べているところにあるのだ。
加えてその価値は、考えが行き詰まった時の対処方法や情報の収集・整理法など地味だけど問題解決の基本となる数々のスキルについてのアドバイスにもある。
そういう意味では本書のタイトルのつけ方には少々疑問を抱かざるを得ないが、仕事や趣味の世界でしっかりと自分の頭で考えて問題に立ち向かうための手引書として読むことにその利用価値があるといえる。
平易な言葉使いと自分でもできそうに思えてくる内容の適度な煽り方を考慮すれば、思考法の本というよりも自己啓発本として分類した方がいいかもしれない。
いずれにしても書いてあることを地道に実践しながら、自分の頭を使ってしっかりと考え抜くことなしには優れたアイデアも降りてきてはくれないのは確かだ。
どちらかというとあまり本を読まないような人向けの本なのかもしれない。
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