お笑い芸人のキングコング 西野さんが3ヶ月前に発表した「えんとつ町のプペル」という絵本。彼のブログを時々読んでその姿勢に感銘を受けているのでずっと気になってはいた。
何度か買おうと思い本屋で実際に手に取ったけど「絵本に2,000円か...」と、どうしても考えてしまいレジが遠のいた。
「えんとつ町のプペル」はすでに23万部突破という驚異的な売れ行きを見せている。
そんなに売れている絵本なのに、西野さんは昨日のブログで「お金の奴隷解放宣言」と題して全編をweb上で無料公開することを発表し、すぐさま実行に移した。
その理由がすごくイカしてる。
ある小学生から届いた「2,000円は高い。自分では買えない」という意見に反応して彼が導き出した次のような結論。
お小遣いなんて貰えない幼稚園児や小学生が、出費が重なってしまって手が出せない主婦が、何かの関係で本屋さんまで足を運ぶことができない人達が、『お金』の許可なんぞとらなくても、それぞれ自分達の意思で、『えんとつ町のプペル』を見れるようにします。制作サイドの理由になるのですが、実はこの決断には勇気が要りました。制作スタッフには最初の段階ですでに給料が支払われていますが、僕や出版社は絵本の売り上げ(印税)で生活しているからです。「無料にしてしまうと、食いっぱくれてしまうのではないか?」そんな不安もあります。しかし僕は、『10万部売れるコト』よりも、『1億人が知っているコト』の方が遥かに価値があると考えます。
あまりにも男前でかっこよすぎる。
でもこの絵本にかける彼の意気込みやこれまでの行動・発言から考えればいつかはここにたどり着くような気はしていた。
それが売れまくっているこの時期にかよってさすがに驚いたけど。
「お金」に制限されて作品を読めない人は無料で読めるようにし、買える人は買って読めばいい。そんなこと言われたら買っちゃうでしょ。
もう高いとか思わなかった。ちゃんと西野さんが応援しているローカルな本屋で今度は迷わず購入した。レジは思っていたよりもずっと近かった。
仕事帰りに買ってすぐに電車の中で読み始めた。
第一印象は絵がすごくきれいだということ。それぞれ得意分野を持つイラストレーターが分業して制作しただけのことはある。
そして絵の美しさに魅せられながら読み進めるうちに、ストーリーに不意打ちを喰らって僕は混み合う通勤電車の中だというのに不覚にも泣きそうになってしまった。
僕の拙い感想はこちら。
kun-maaのバインダー / えんとつ町のプペル - メディアマーカー
西野さんの今回の決断と行動の素早さは只者ではないが、もちろん「えんとつ町のプペル」も只者ではない作品だった。たかが絵本と侮るなかれだ。
多くの人の手元に届いて欲しい絵本だと思う。
彼の今回の行動でいろいろ感じるところがあった人が多かったのだろう。
無料公開してから「えんとつ町のプペル」のAmazonでの売り上げが急上昇しているそうだ。
このエントリを見て、Amazonだけじゃなく僕のように町の本屋で買った人も多いんじゃないかなって思っている。こういう結果が彼の想定内だとしてもあんなふうに話を展開させられたら心が動いちゃうよな。
この影響力、やっぱり只者じゃない。
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