Kindle の読書用端末の最新版 Kindle Oasis が2016年4月27日に発売されました。
ディスプレイの解像度や本体容量は Kindle Voyage と変わらないし、事前に噂のあった防水仕様にもなっていませんが、値段だけは跳ね上がっているということでネット上では「絶対買わない」とか「これじゃない感が...」といった話題ばかり。
僕は発売の発表日に予約をしていまして、4月27日には手元に届いていたんですね。
ネットで見かける悪評が気になって何度かキャンセルしようかなって思ったことはあったのですが、そうしなかったのはやっぱりこの端末を使ってみたいという誘惑に勝てなかったから。
使ってみてダメならブログのネタにでもすればいいかなと。
それよりも「至福の読書体験」を謳った Kindle Voyage 以上の読書体験ってのを自分で体験してみたかったんですよ。
届いた Kindle Oasis のパッケージを見て最初に思ったのは「小せえな...」ってこと。
公表されていた仕様は見ていたのでサイズは知っていたのですが、数字で知っているのと体感するのは別物。
ほぼ正方形の箱の形による視覚効果もあったかもしれませんが、そのパッケージの小ささにまず驚かされました。
箱の中には本体とバッテリー内蔵カバーが入っています。そう、Oasisにはカバーが付属品として最初から付いているんです。それもバッテリー内蔵型。
本体はこんな感じね。
僕が購入したのは Wi-Fi+3Gモデルなので重さは133gです。
今まで使っていた Voyageが180gですから約50gほど軽いです。でも実際に持ってみた感じはそれ以上に軽く感じます。あまりの軽さに本気で驚きます。
僕の使っている iPhone 6 Plus が172g ですから、そりゃ軽く感じるわけですな。
縦143mm、横122mmとほぼ正方形の形もとてもコンパクト。ベゼルを狭くするとこんなにもコンパクトな印象になるんですね。
これでもVoyage と変わらない 6インチディスプレイなんです。
特徴的な背面の凸凹スタイル。
一番薄い部分で 3.4mm しかありません。3.4mmですよ。実物を見るとなにこれスッゲー薄いよ!ってちょっと感動します。
それに対して厚い部分は 8.5mmと Voyage よりも 0.9mm厚くなっていますが、この凸凹の傾斜のせいか厚みが増した部分はほとんど気になりません。
Voyage と Oasis を並べて比較してみましょう。
Voyage のサイズは 162mm × 115mm × 7.6mm で重さ 180g
Oasis のサイズは 143mm × 122mm × 3.4~8.5mm で重さ 133g
厚い部分との比較。
薄い部分との比較。
重ねてみるとこんな感じ。縦が短くなって横幅が広がってます。
画面の解像度は同じ 300ppi なのですが、内蔵ライトの数が Voyage の LED 6個に対して Oasis は10個となっています。
そのおかげで画面の光の均一さやコントラストが上がっているように感じ、全体の色味も Voyage より白っぽくなっています。
この白っぽさは好みが分かれるかもしれませんが、明るさを最大にした時に目立つ程度なので気になる人は光度を少し落とすと白っぽさも気にならなくなります。
さらに Oasis の特徴的なところはページ送りの物理ボタンとそれを左右どちらの手で持った時にも使えるように画面の上下が自動で反転するところ。
しかも寝転がって使っている時に勝手に反転しないよう、90度傾けたくらいでは画面が反転しないようになっていて地味に便利。
カバーをつけないと133g(Wi-Fiモデルは131g)しかないので、片手で持った状態で寝転がって読んでもすっごく快適です。50gってこんなに違うのかと思い知ります。
片手持ちに特化した点は軽さの利点だけではありません。
正方形に近い形は片手で持った時のバランスも取りやすく、ページ送りの物理ボタンがある部分のベゼルが広くなっていて持ちやすいことや、片手持ちをした時に物理ボタンの位置が親指で操作するのに絶妙な位置にあることも見逃せません。
片手持ちでゴロゴロしながらのKindle読書でこれ以上の快適さは今までありませんでした。もうこれだけでも Oasis 素晴らしい。
部屋で寝転がって使う時にはカバーなしが快適でいいのですが、電車の中やカフェなど外出時に使用するときはさすがにカバーがないと不安です。
それなりに高級品ですし、軽さの快適さを犠牲にしてもカバーの安全性を取りたい。
カバーはマグネットで装着するようになっていて簡単に着脱できますが、カバンの中に入れておいて自然に外れてしまうようなヤワな作りではありません。
表面は本革製の高級志向。僕が選んだウォルナットはスウェードです。
カバーを装着するとこんな感じになります。
カバーの重さは 107g あるのでカバーなしで使っている時と比べると、確かに片手持ちではそれなりに重さを感じますが苦になるほどではありません。Voyage に純正カバーをつけて使っていた時(339g)と比べても 99gも軽いのですから。
ただカバーをつけると片手持ちで寝転がっての読書はちょっと疲れますね。
ゴロゴロするときはカバーなしがいい。
寝転がっての読書以外ではカバーをつけていた方が安心だし、こんなふうにカバーの間に指を挟んで片手持ちをすると安定感が増して落としてしまう感じが全くしません。
カバーをしている方が見た目もかっこいいんだよね。Voyage の純正ORIGAMIカバーと比べると全然雰囲気が違います。
今まで使っていた Voyage に特に不満を感じていたわけではありませんでした。
それなのに 3日間ほど Oasis を使った後で Voyage を使ってみたらあれ?あれ?ってその違いに戸惑います。
Oasis の軽さ、片手持ちしやすい形やバランスの良さと比較してしまい Voyage にはもう戻れません。
一度使ってみればわかる Oasis の素晴らしさって感じ。
Kindleの読書端末はクラウド上に本を無限に保存しておけるのだから本体の容量を増やしたりSDカードを使えるようにする必要はないし、防水はちょっとうれしいけどなくても風呂場で読むときにはジップロックに入れれば済む話。
だからどれだけ快適に電子書籍を読むことができるかってのがポイントだと思うんですよね。そういう意味では Oasis って革新的な技術でゴリゴリ進化した端末ではないけれど、読書の快適さを追求した地味だけどいい端末だと思います。
見た目や仕様書からではわからないのがもどかしいところ。使えばわかるんだよなあ。
そうは言っても、値段が値段なのでこの快適さをこの値段で買うかどうかは個人の価値観の問題。こんな快適なんだから買わなきゃ損だよとまでは言えないし。
だから「Oasis なんて買わないで Paperwhite で十分。その浮いたお金で本がたくさん買える」という意見も分かります。
Voyage だって Oasis を使うまでは僕のお気に入りの端末だったんだから。
それでもちょっとだけ今より快適なKindle読書を堪能したかったら Kindle Oasis がおすすめです。小さな声でおすすめします。想像以上に快適です。
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