昭和26年創業の高知県にある菱田ベーカリーというパン屋さんの「羊羹ぱん」というのをたまたま見かけた。
なんだかすんごく疲れていて、気分的にも落ちていたのでこういうときは甘いものでしょ!って感じで買ってみた。
「羊羹ぱん」って初めて見たけど、中に羊羹でも入っているのだろうか。とりあえず疲労による「妖怪ぱん」の見間違いではないようだ。
よく見ると、表面に羊羹がコーティングされている。
なんとなく饅頭のようにも見えてきた。
袋から取り出す時に、表面の羊羹がはがれてしまうのでは...と心配したが杞憂に終わった。けっこうしっかりとパンに張り付いている。
羊羹コーティングをペロッと舐めてみたら、思ったほど甘くない。甘さ控えめの上品な味わいだ。美味しいお茶がほしくなった。
半分にパッカーンと切ってみたら、中にはこしあんがぎゅっと詰まっていた。
あんまりぎゅっとしてるから、これも羊羹かと思ったよ。羊羹のダブルかっ!ってね。
こしあんは滑らかでしっとりとしていてこれまた上品な味わいなんだなあ。
がぶりと食らいついてみる。
甘さ控えめな羊羹と、しっかりと酵母で作られたきめ細かでしっとりした小麦の風味が豊かなパンと、滑らかなこしあんが絶妙なバランスで婚前渾然一体となりとっても美味しい。おお!これはかなり美味しい。
嫌なことがあったり、疲れたりしてささくれ立っていた心までが羊羹ぱんのようにしっとりとしてくるようだ。
しかし、僕の心はまだまだ癒えない。それくらい疲れちゃったんだ。
そこで次に僕が取り出したのが、「羊羹ぱん」のとなりにしれっと置いてあった「羊羹ツイスト」。羊羹ぱんと同じく菱田ベーカリーの製品だ。
羊羹ツイストってネーミングがけっこう強烈。
羊羹ぱんもそこそこインパクトがあったけど「ツイスト」にはかなわない。「あんたに!あげ〜た〜♬ 愛のひーびーを♫」古すぎてわかんないか。ごめん。
こちらはコッペパンのような形のパン(これがツイストなのか?)の表面に羊羹のコーティングがしてある。
これも袋から出すときに羊羹が引っかかってはがれるんじゃないかと心配したけどやっぱり杞憂に終わった。なんて強いんだよ羊羹!
パッと見はチョコレートみたいに見えるけど、間違いなく甘さ控えめで上品な羊羹。
こちらもパッカーンと切ってみると、中にはホイップクリームが入っていた。
このホイップクリームはけっこうしっかりとしている。ホイップの空気感が希薄な感じで甘くて美味しい。
上品な甘さの羊羹と、どっしり甘めのホイップクリームに、しっかりと作りこまれたしっとりパンがこれまた絶妙なバランスで美味しさを醸し出している。
羊羹とこしあんの小豆コンビも素晴らしかったけど、羊羹とホイップクリームの白黒ショー和洋折衷も最高だ。
どちらも、キワモノかと思いきや本当に美味しくて心が休まった。
羊羹やこしあん、ホイップクリームの味わいの良さは当然のこと、それをどっしりと支えている骨太な感じの美味しいパンの存在が一番の功労者ではないだろうか。
このパンの美味しさ無くして「羊羹ぱん」も「羊羹ツイスト」もこれだけのいい仕事はできなかっただろう。
さすが菱田ベーカリー。昭和26年創業だけのことはある。
荒ぶりささくれ立った僕の気持ちを優しく癒してくれたパンに対して、なんで上から目線になってしまったのか自分でもよくわからないまま幕を閉じる。
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