相武紗季、溝端淳平、栗山千明、平岡祐太という若手のそこそこ中堅どころが出演している2010年の作品です。
この手の日本映画ってなんとなく観る前から「くだらねー!」って思ってしまい、ついつい敬遠してしまうものなのですが、たまには観てみると意外とおもしろい作品もあるんだねっていう典型的な作品でした。
基本的にコメディホラー作品です。だからあまり怖さを期待すると裏切られます。
だからといって、くだらない笑いだけじゃないところがこの作品のいいところなんですけどね。
相武紗季が演じている大学院生・杉奈は、子供の頃から怖いもの好きです。
幼なじみの崇史やゆかりちゃん、同級生たちを怖がらせるという子供の頃の体験や、自身の恐怖体験から、首からの上の恐怖の妄想が幽霊やお化けを実体化させるという「ネック理論」(詳しくは本編をご覧ください)なるものを考えつき、実験をしています。
杉奈に想いを寄せる大学生・首藤(溝端淳平)を利用して、自作の「ネックマシーン」で実験をしてみますが失敗。今までに何度も失敗を繰り返しているようです。
そこで、なんとか実験を成功させる為に、今は人気恐怖小説家の越前魔太郎(平岡祐太)として活躍している幼なじみの崇史、その担当編集者である赤坂英子(栗山千明)らの協力を得て、4人で山奥の別荘地で実験をすることにします。
その別荘地がいわくつきの恐怖の館ということになっているのですが、その場所にまつわるお話とそこに登場する人形たちが意外と怖いんです。けっこう本気です。
実際には、魔太郎が子供の頃に杉奈に怖い思いをさせられたことがトラウマになってしまったことに対する仕返しのつもりで仕組んだ作り話と屋敷のセッティングだったのですが、ネックマシンにより恐怖が現実化して・・・
ついに実験は上手くいくのですが、その結果が思わぬ方向へと進んでいきます。
実はこの作品、導入部分で子供の頃のストーリーにけっこう時間を取っているのですが、そこで張り巡らせた伏線を後半のストーリーの中で見事に回収していきます。
出来の悪いホラー映画だと、伏線を張りっ放しでまったく放り出してしまう作品が多いのですが、この作品はそんなところがない丁寧さをもっているという点において、僕好みのいい作品だと思うわけです。
そして、ツボを押さえて丁寧に作られた笑えるコメディホラーという点もとても楽しいです。どうしても雑でくだらなくなりがちなジャンルですが、くだらなさも計算されているかのようでホント楽しめます。
笑いの中に恐怖がちりばめられていて、そのバランスも絶妙です。ちょっとほめ過ぎか。
まあ、とにかく人形っているだけでも怖いよねって感じです。
そして、くだらなくも壮大、おもしろさと恐怖、伏線とオチというふうにいろんなことがきっちりとしかもすごくわかりやすく繋がって、観終わったあとには爽快感すら感じました。なんか気持ちいいです、この映画。
ありそうで、なかなかない丁寧に作られたコメディホラー作品だと思います。
出演者もみんな楽しそう。スタッフも含めてみんなが楽しみながら製作に携わっているのがひしひしと伝わってる作品です。
そして、やっぱり相武紗季は表情豊かで可愛いと思います。ちょっと不思議で天然な役がとても似合っています。
まだ観てないよーって方は、だまされたと思って観てみてください。けっこう楽しめる作品ですよ。ホラー映画が苦手な人は誰かと一緒に観ましょうね。その程度には怖さも楽しめますから。
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