[ま]宗教で読み解く世界(橋爪大三郎氏講演会)/なんで宗教に関心をもつべきなのか @kun_maa
こんにちは!特定の宗教には属していません @kun_maa です。
先日、「ふしぎなキリスト教」や「おどろきの中国」などの新書の著者として知られる東京工業大学教授の橋爪大三郎氏の講演会を聴きに行ってきました。
初めて行ったのですが、昔の映画館を思い出せてくれるような年季の入ったレトロな作りに驚きました。椅子は狭いし、座り心地はイマイチだしちょっと辛かったです。
それはさておき、この講演会は橋爪氏が最近出した「世界は宗教で動いてる」という新書の刊行記念で開催されたものです。
お話しされた内容は、本に書かれていたものを概観するようなもので、講演会前に本を読み終わっていた僕には特に目新しい内容ではありませんでしたが、本で語られていた内容がスーッと入ってくる感じが心地よかったです。
講演を聴いて感じたことをつらつらと書いてみます。
世界の人口は現在約72億人と言われています。
そのうち、
キリスト教をベースとする西欧キリスト教文明圏に属している人々が約25億人。
イスラム教をベースとするイスラム文明圏に属している人々が約15億人。
ヒンドゥー教をベースとするインド文明圏に属している人々が約10億人。
この4大文明圏に属する人々を合計すると、約63億人です。
日本人約1億2千万人はこれらの文明圏に属している人々から見れば圧倒的に少数派。
それぞれの文明圏では、宗教が表面に出てきているものもあれば、姿を隠しているものもあります。中国を例にすると宗教そのものは表面上見ることはできず、どちらかというと宗教的なものは弾圧されていますが、その行動様式には政治を一番重要と考える儒教の影響が色濃く存在しています。
同様に、キリスト教世界、イスラム教世界、ヒンドゥー教世界のいずれも政治や経済、人々の行動規範や価値観などにそれぞれの宗教は密接に関係していて、そのエッセンスは人々の中に刷り込まれています。
外国を訪れるとなんとなくそういった雰囲気を感じることがありませんか。
僕はよくあります。日常生活に溶け込んでいる宗教の存在を色濃く感じることが。
翻って日本はどうかというと、共通の宗教が政治・経済、社会生活に影響を及ぼしているという例を探すのが難しいくらいで、日常生活で宗教を意識することなんてほとんどありません。
日本のような社会に生きていると宗教が人間の行動規範に与えている影響や、政治・経済や社会生活に及ぼしている影響を本当の意味では理解できないのかもしれません。
だって僕もそうですけど宗教と政治や経済は別物だと思っていますから。
でも、各文明圏ではそうではない。
それぞれの文明圏に属する人々の考え方や主張の根底に存在する宗教的なモノの存在を無視して、本当の意味でのお互いの共通理解を図ることは不可能なのだと思います。
日本人の人口が世界の多数を占め、日本の中で日本人とだけ接していれば済むのなら、それでも構わないと思います。そういう状況ならば共通理解なんか必要ないからです。
でも、世界に占める人口の割合からもグローバルに広がる経済活動や国際政治の駆け引きを見てもそれでは済まないことは明らかです。
だからこそ宗教について関心を持ち、4つの文明圏の人々が展開するそれぞれのロジックに内在するものを理解しようとする姿勢が必要なのです。
そのためにはそれぞれの宗教を知らなければなりません。
宗教に着目しそれぞれの文明圏に属する人々が何を考え、何を大事にしているのかを相手の立場に立って考えられるかどうかということが、これからますます重要になってくるのだろうと思います。
宗教アレルギーを起こして宗教について思考停止している場合じゃないんですね。
それぞれの宗教の視点で物事を俯瞰してみる。その上で日本はどうすればいいのか、日本人は彼らとどう付き合っていけばいいのかを考えることってすごく大事だよなあと感じました。
講演を聴いて一番感じたのはこんなところです。簡単に言うと宗教を通して他者の視点を得ることの大切さとでも言いましょうか。
ちなみに、講演会には質問タイムが設けられていて、本当は僕も橋爪氏の「イスラム教ひいき」について質問をしたかったのですが、肝心な時に手が上げられない引っ込み思案の性格が災いして、質問することができませんでした。残念至極!
僕の場合は、グローバル云々を語る前にその性格を何とかしろよって話ですな。
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