[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]映画「君の膵臓をたべたい」を観ても泣けなかったのは/浜辺美波はかわいかったけどさ @kun_maa

原作を読んでめちゃくちゃ泣いてしまった「君の膵臓をたべたい」が映画化されました。2017年7月28日からすでに公開されています。

SNSのタイムラインを眺めていても「泣いた!」という感想をちらほら見かけたのでこれは観ておくかなと重い腰を上げて行ってきました映画館。

ちょうど会員証の有効期限が迫ってたから更新もしなくちゃいけなかったしさ。

映画「君の膵臓をたべたい」オリジナル・サウンドトラック

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いつもは空いてて隣に他人が座るなんてことはない映画館なんだけど、ちょうどお盆休みの時期だからかこの作品の評判がいいのか、とにかく両脇も前も後ろもがっちり人で埋め尽くされていて「こりゃ泣いたらバレバレで恥ずかしいかな」なんて心配になりました。

まあ結論から言うと全然泣けなかったんでいらん心配だったんですけどね。

少し離れた席からは鼻をすする音が聞こえてきたので泣いている人もいたのでしょうが少なくとも僕の両隣の女性たちと後ろの高校生男子は泣いてなかったな。

なーんで泣けなかったのかなあって冷静に考えてみたんだよね。

原作を読んだ時の感想も振り返りながら。 

kun-maa.hateblo.jp

12年後の世界が邪魔していた 

映画では原作になかった12年後の世界が描かれています。

これが効果的に使われているならよかったのかもしれないんだけど本当に邪魔だったんです。

原作では他人に関心を持たずにクラスで孤立している「僕」と誰からも好かれる人気者の桜良がお互いに惹かれあいながらも愛だ、恋だ、友情だっていうありきたりな言葉では表現できない特別な関係を築いていく様子に「僕」と桜良の軽妙なやりとりの中に浸りながらどんどん読者が感情移入してのめり込んでいけるんです。

そしてこの作品の感動はそんな二人の本当の関係性と「僕」の成長していく姿に自分の気持ちが入り込んでいればいるほど大きなものとなり後半に涙が止まらなくなるんじゃないかと僕は思うんです。

二人の関係性を理解してこその「君の膵臓がたべたい」なんです。

それが高校生の頃の場面に12年後の場面が脈絡もなく挟み込まれてくるし、さらに高校生の頃の話を生徒に話して聞かせている風だったりするもんだから、せっかく二人の関係性に気持ちがのめり込めそうになってもなんだか萎えちゃうんですよ。

12年後の余計な世界が邪魔して大事なところで泣けるほど入り込めない。さらに感動を無理やり未来に持ち越そうとしているところが白けちゃうんです。

作品のハイライト部分を知っていたから

それに加えて先に原作を読んでいて作品のハイライト部分を知っていたというのも泣けなかった理由かもしれません。

内容を知らなければもしかしたら泣けたのかも。

原作ほど「僕」と桜良の関係性に感情移入できていなくてもストーリーさえ知らなければ泣けたのかもしれません。

でもそこを知っていてもやっぱり泣ける作品を期待していたんだけどな。

ややお涙頂戴的な演出が気になる

膵臓の病で余命いくばくもない高校生の少女という、ともすればお涙頂戴的な闘病シーンなどが想像されるテーマを扱いながら原作では意図的にそれを描かないことで二人の軽妙な会話がより一層カラッと活きてきてその後の感動に結びついているように感じました。

前半はとにかく軽妙で明るい。

それでもそうした病気を想像させる要素がふとした楽しい瞬間に入り込んでくるシーンはあり、登場人物の「僕」も読んでいる僕もドキッとさせられる場面はあるんです。それがいいんですよね。ほんと。

だけど映画は原作に比べるとどことなく全体的にウエットな雰囲気なんです。これも未来にウエイトを置いちゃった弊害じゃないかな。

文章から想像するのと役者が演技をしてそのシーンを見せられるのとではもちろん感じ方が違うのは仕方ないと思うんですけど、どうも泣かせるシーンに向けて明るさが足りないというかなんていうか上手く言葉にできないんですけど泣かせようとする演出の企みが背後に見えてしまうような気がして仕方なかったんです。

最終的にはなんつーか「はい!ここ泣くとこですよー!」って指示されてる感まであってさ。勘ぐりすぎの気のせいかもしれないですけどね。

 

そんなこんなで僕はこの作品を見ても全く泣けませんでした。

前半の「僕」と桜良の関係性が不完全燃焼というか気持ちが入り込めなかったのがきっと一番の原因なんだろうなとこうして書き出してみてあらためて感じました。

なんであんな12年後のシーンが必要だったのかさっぱり意味がわかりません。それもいいところで何回も挿入されて挙句はラストシーンまで違ってるしさ。ああいうのよくないよね。好みの問題かもしれないけど僕はあまり好きじゃない。原作の良さが潰された感じすらしてしまいます。

やっぱりお涙頂戴なのかな。

 

ところで全く泣けなかった作品だけど桜良を演じている浜辺美波ちゃんはとってもかわいかったです。演技がイマイチだなって感じる部分もあったけどそんなところも含めてさ。いやdisってるわけじゃなくて本当にほめてます。桜良役にはぴったりの笑顔。


「君の膵臓をたべたい」予告

もちろん僕は原作の方が好きです。感情移入のしやすさもラストシーンも含めてその全てが。 

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

 
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