[ま]ほぼほぼ @kun_maa
ボボボーボでもぼのぼのでもなくほぼほぼ。
てけてけでもうほうほでもなく(ry
そんなほぼほぼ。
僕の記憶が確かなら僕の若い頃には誰も使わなかったよほぼほぼ。
ほぼほぼって一体なんだよ。
ほぼ単独の意味だとおおかた、およそ、だいたいってところか。
それを重ねて強調している形式のほぼほぼは、もっともっとおおかたとか超だいたいとかなんだろうか。限りなく完成形に近い感じだなうん。
気になってググってみたら三省堂の「今年の新語2016」大賞を受賞してたねほぼほぼ。
どうりで古参感ないなって思ったらやっぱり新語だったよね。
僕自身日頃の何気ない会話や雑談やブログなんかでは普通にほぼほぼを使ってきたし或いはそういう場面で誰かがほぼほぼを使っても特に違和感なかったんだけどさ。
最近になって公式な場というか具体的にいうと仕事上の会議や説明会でなんだけど、その場で発表者として話をした人の中にほぼほぼを連発する人に立て続けに会ってね。
すごく耳障りで気持ちがもやもやとしたんだよ。
なんでだろうなあって不思議になってもやもやの元を探ってみたらいずれも資料にはしっかりと正確な数値が載っているのに、その肝心な部分をほぼほぼで十把一絡げにして説明したからなんだ。
えー、そこはしっかりと数字で捉えようよってもやもや。
だって数字大事だよこのシチュエーション!ってぱやぱや。
それじゃいったい何のための説明なんだよー!って心の叫びが聞こえる。幻聴?
そもそもほぼほぼってどのくらいなのさ!90%?95%?99.999%?ってツッコミたくなるでしょ。え?ならない?そんなわけない。
ここは大事な会議の場で遊びじゃねーなんだよ!ほぼほぼほぼほぼ言ってんじゃねー!って言えたら僕のもやもやも昇華できたのだろうか←大げさ
だいたいほぼほぼなんて新参者の言葉を公式な場で安直に使うなよ日本語乱れるよとか急速に義憤に駆られちゃったから僕も立派なおっさんなのかもねおっさんだよ立派かどうかはともかくとして。
「ほぼほぼ」「いまいま」?!?クイズ おかしな日本語? (光文社新書)
- 作者: 野口恵子
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[ま]けやきひろば春のビール祭りに散る @kun_maa
日本最大級のクラフトビールの祭典である「けやきひろば春のビール祭り」。
2018年は5月23日(水)〜27日(日)の5日間で開催された。
僕は仕事の関係で最終日の27日(日)しか参加できないとわかっていたし、ちょうどビール仲間たちも最終日に集合することになったのでそこに照準を合わせてビール祭りの始まりとともに日々Instagramに流れてくる美味しそうな写真の数々を日曜日になればこの僕も...とやり過ごして仕事に励んでいた。
平凡な日々でも楽しみな目標があるというのはいいものだ。
日曜日を目標につい仕事に励みすぎた僕は自分の計算以上に仕事をこなしてしまい金曜日の午後にふっと空白を生み出してしまった。
仕事という抑止力を失った僕は気がつくと有給休暇を取ってけやき行きの電車に飛び乗っていたのだ。
来たぜけやきひろばビール祭り#beerkeyaki #craftbeer #beerfest #beerstagram #ビアスタグラム #ビールクズ
まさか金曜日の昼間からけやきに行けるとは思いもしなかったのでもとよりノープラン。
声をかけられるまま気の向くままにビールを飲み歩いた。
仕事の服装だったしシートなんて持ってきているわけもなくテーブル席はほぼほぼ埋まっているし地べたに座り込むのはちょっとあれなんでとりあえず立ち飲みスペースを確保して同じところで飲んでいる見知らぬ人たちに代わる代わる「すいません!ちょっとビール買ってくるんで見ていてください!」などと声をかけてはブースに買い出しに出かけて呑んだくれた。
明るいうちに飲むビールはなんであんなに美味しくて酔いがまわるのが早いのだろう。
いい感じに酔った僕は東南アジアの街角で人々の写真を撮るときのようにブースの人たちに声をかけて写真を撮らせてもらった。
この日はなぜか人とビールの写真が撮りたかったのだ。人寂しかったのかもしれない。
伊勢角屋麦酒のブース横で立ち話をしていた鈴木社長を見つけた僕はその場で買った「ねこにひき」のプラカップを半ば強引に頼み込んで社長に持たせて写真を撮ったりもした。これが今回のベストショット。
確保した立ち飲みスペースでは僕以外の人たちは入れ替わるものの適当におしゃべりしたり美味しそうなつまみを食べている人から売っている場所を教えてもらったりとぼっち参加なのに孤独感を感じることなく過ごせたせいかついつい飲みすぎた。
普段はビールの量と同じくらいの水を飲むのだけれどこの日は水を飲むのも忘れてビールを飲み漁り酔うほどに見知らぬ人たちとしゃべり笑いあった。
基本的に極度の人見知りの僕にしては珍しいテンションだ。きっと頭のネジが数本外れていたのだろう。
流しの肉売りから肉を買い叩くー♪#craftbeer #meat #beerkeyaki #beerstagram #ビールクズ #けやきひろば春のビール祭り #クラフトビール
途中から記憶があやふやになり取り置きをお願いしていた京都醸造のグラスをピックアップするのを忘れてしまった。
それでも見知らぬ人たちと会話もできていたしブースで写真を撮らせてくださいとお願いすることも忘れずにできていたようなので不思議だ。
そしてなぜか坂本さんだけ2回登場。
ひとり飲みとは思えないようなビールタワーが出来上がった。
この日水は一滴も飲んでいない。
そろそろ帰りますかねとInstagramに投稿した後にもう一杯うしとらで飲んだような気がしていたのだが本当に飲んでいたと写真で知った時の衝撃ときたらもう...
しかもハッシュタグだって使えてるし。
恥ずかしながらこの日どうやって帰ったのかほぼほぼ記憶がない。
うわー、寒いな!って目が覚めたらパンイチでクーラーがギンギンに効いた自分の部屋に転がっていたのだ。
買った覚えのない大量のコンビニ飯が足元に転がっていた。
目が覚めた時から喉が痛かったのだがその後急激に症状は悪化して翌日を迎えた。
普段の土曜日は休みなのだがその日は仕事の都合で休日出勤。
喉の痛みと体のだるさに呻きながら滴り落ちる鼻水を拭い続けて仕事をした。
その日の夜は大好きな amazarashi のライブだったのでこりゃ熱があるなという直感を押さえ込んでライブに参戦。
終了後には六本木によって体調わるー!とか思いながらビール飲んでた←アホ
そして迎えた日曜日。
僕にとってとても楽しみにしていたけやきひろば春のビール祭り本番の日。
止まらぬ咳とめどなく流れ落ちる鼻水にハンマーで後頭部を殴り続けられるような頭痛と全身を内側から焼き尽くそうとするかのような発熱。
それでも着替えてけやきひろばに向かおうとしたのだけど途中で息切れがして断念。
仲間にLINEで詫びを入れるのも息絶え絶えな感じで泣きそうになったからね。
みんなと楽しく飲むのをほんと楽しみにしてたんだ…
けやきひろば春のビール祭りに散った僕の生きる希望と言ったら大げさだろうか。
楽しげな仲間の写真を見ながら僕はあと何回バカな飲み方をしてこんな後悔を重ねるのだろうかと慚愧の念。
それもこれも自業自得。
Discover Japan_GASTRONOMIE もっと知りたい! クラフトビール (エイムック 3805 Discover Japan_GASTRONOM)
- 作者: ディスカバージャパン編集部
- 出版社/メーカー: エイ出版社
- 発売日: 2017/08/21
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[ま]夕焼け小焼け @kun_maa
ゆったりと流れる川のほとりをのんびりと散歩していた。
香港人の男女5人と僕とネパール人ガイド2人。
ここはネパールにあるチトワン国立公園内のラプティ川の川辺。
あたりには大麻草が青々と茂る。
その生き生きとして生命力にあふれる姿からはイリーガルな香りはもちろんしない。
先ほどまでじりじりと照りつけた太陽が西に傾き川面を渡る心地よい風が草いきれの名残を僕らに運びながらやさしく通り過ぎていく。
傾いた太陽が次第に赤みを帯びてあたりを染めながら大きくなる。
さっきまでぺちゃくちゃとしゃべっていた香港人たちも静かになって夕焼けの中を歩く。
夕暮れのなんとなく寂しくて人恋しいような虚ろな気分というのはもしかしてここにいるみんなに共通の心持ちなのだろうかとか考えたりして。
ネパール人ガイドがみんなで Sunset Song を歌わないかと提案する。
僕らは順番にそれぞれの国の夕暮れソングを歌うことにした。
言い出しっぺのネパール人が最初にふたりでネパール語の歌をゆっくりと歌う。
意味はわからないけどしんみりとした情緒を纏うその歌声は夕焼けのもの哀しい雰囲気を盛り上げた。哀しい雰囲気を盛り上げるというのも変か。
続いて僕が大きな声を張り上げて「夕や〜けこやけ〜の赤とんぼ〜♪」
「負われ〜て見たの〜わ〜いつの〜日〜かあ〜♪」と歌った。
勢いのまま2番に突入したのだけど勘違いしていた僕は3番の歌詞を少しトーンを落として「十五〜で姐ぇや〜わ〜嫁に行〜き〜♪」「お里〜のた〜よ〜り〜も絶えは〜て〜た〜♪」と気持ちよく歌って自爆。だがしかし日本人は僕だけだから誰も知らない。
さらにそのあとは歌詞が分からずハミングでごまかすという勝手に日本代表として恥ずかしい体たらく。
歌い終わった僕はネパール人から現地の噛みタバコを分けてもらって口に含んだ。
人生初の噛みタバコで嗜み方も知らないくせに大声で歌った後の変な高揚感に包まれていた僕はやり方を教えてもらいながら彼のマネをしていい気になっていたんだ。
香港人たちが歌う少し陽気な感じの歌を聴きながら僕は噛みタバコの美味しさがさっぱりわからず口の中で持て余し気味になりながらも歯茎から有害物質を吸収し続ける。
突然目の前がぐらぐらと揺れたような気がして僕は立ち止まった。
揺れているのは目の前の世界ではなくて僕の頭の中だった。
急激なめまいとこみ上げる吐き気。
何か話すのもしんどいような気分の悪さをこらえながらなんとかガイドに声をかけてその場にしゃがみ込む。
むちゃくちゃ具合が悪いときに英語で自分の状態を説明することの難しさと伝わらないもどかしさ。
動けなくなってしまった僕にガイドは噛みタバコを吐き出して水を飲めと言った。
そいうときに限って水を持ち歩いていないという間の悪さに自分で苦笑い...タイミング〜
冷たい汗が額を流れ落ちる。
僕を取り囲んでどうしたどうしたと覗き込んでいた香港人女性のひとりが僕にペットボトルの水を差し出した。ああ天使よ...
もうフラフラで余裕はないしそのボトルが飲みかけだったこともあって僕はいつもの癖でそのまま直接ペットボトルに口をつけて水を飲んだ。
一瞬微妙な空気が流れたような気がした。
水を飲んで休んで落ち着いた僕は Thank you ! と言って彼女に飲みかけのペットボトルを返そうとした。
困ったような顔をした彼女は「それあげるから...」と言って受け取りを拒否した。
え?なんで?と僕がきょとんとしていると仲良くなったネパール人ガイドが「お前が直接口をつけて水を飲んだから嫌がられているんだよ」と耳元で囁いてニヤリと笑った。
えー!そんなことで?と思ったけどここはネパールで僕は得体の知れない外国人で衛生面に気をつけるのは当然だよなと思ったもののそんなに不衛生に見えるのかと傷ついたのも今ではいい思い出。
その後も一人旅の僕は訪れるネパールの町々でこの時の香港人たちと顔を合わせ一緒にバスで移動したりトランプで大貧民をしたり食事をしたり、帰路で立ち寄る香港の安宿を紹介してもらったりと仲良くしてくれたので嫌われているわけではなかったはずと思いたい。
そして今さら気づいたのだけど僕があのとき歌ったのは夕焼けの歌ではなくて赤とんぼ。
[ま]52 @kun_maa
西城秀樹の訃報が流れた2018年5月17日僕はひとつ歳を重ねた。
僕が小学生の頃からアイドルとして活躍していたヒデキが僕と11歳しか違わないことがなんだか不思議だった。
ついでに言うと西城秀樹の妹コンテストで優勝して芸能界デビューした河合奈保子は僕が初めて好きなったアイドルだ。
中学生の時に彼女のサイン会にドキドキしながら出かけたことを今でもその当時の甘酸っぱくて青臭い感覚もろとも覚えている。
そんな憧れのアイドルだった河合奈保子が現在54歳だというのもなんだか納得いかない気持ちでいっぱいだ。
西城秀樹が僕と11歳しか年上ではなかったということも亡くなってしまったことも河合奈保子が僕よりも2歳年上の54歳だということもうまく想像できないし全く実感がわかない。
まあ実感がわこうがわくまいが月日は過ぎて誰も彼も歳をとっていくのだ。
時間は相対的だとしても生物としての自分は確実に死に向かって老成していく。
このところ仕事で少しトラブっている。
慌ただしい場面をすり抜けた途端に関係者が責任を押し付けるべくスケープゴートを探し始めたからそんな状況をすり抜ける事に神経をすり減らすことが増えてしまった。
まったくもって建設的ではないどちらに転んでも誰も幸せにならない疲弊するだけの仕事に少し倦んでいる。
ブログを書き始めてから毎年誕生日にエントリを上げていたのだけど今年はそれも億劫になるほど疲れていた。気持ちが萎えてしまった。
その程度の仕事の嫌なことは今までだって何度もあったのにこんなの楽勝だったのにそれでもこんなに疲れてしまうのは歳のせいかもしれないな...なんてなんのためらいもなく思ったことに自分で驚いた。
僕はまだまだ若いつもりだったのにな。
そういえばいろんな事に対する好奇心が枯れてきたような気がする。
それが端的に表れているのがブログの更新頻度だ。
ブログは健康のバロメーターと思っていたのだけど様々なことへの好奇心が薄らぐと何も書く気にならなくなる。そういう意味では不健康。
そして先月から血圧が高い。
そのせいかどうかわからないけど体を動かすのが以前よりもめんどくさい。
肉体的にも不健康な感じなのだけど相変わらずビールがやめられない。
だいたい不健康自慢を始めるということ自体が年寄りへの坂道を転がり始めた証拠だ。
こんなことを書き連ねるほどにどんどん落ち込んでくる。
ダメな自分を愛せないけどそれを改めようともしない自堕落な放任者。その投げやりな生き方の行き着く先はどこなのかと想像力が欠如した頭で考えてみたところで見えるものも見えない。見えるわけがない。
こんなはずじゃなかったと子供の頃に思っていた自分が大人になった姿と現実の差異に震えたところでテレビから流れる YOUNG MAN が心に突き刺さる日曜日の夕暮れ。
なにまだまだこれからなのさと憂うつを吹き飛ばすことができずにやりたいことがなんでもできなくなった52歳は自虐的な笑みを浮かべてため息ながらの Y.M.C.A.
そんなことを憂いながらも大丈夫僕は元気です。
気持ちは昔も今もこれからも下のエントリと変わらず変わらず。
しれっと干しいものリスト貼っておきますなんかください嘘です本当です。
[ま]STARBUCKS×BEAMS 「STARBUCKS TOUCH The Drip」を追加抽選販売するってさ @kun_maa
昨年7月に2万2,500個をオンラインストアで抽選販売したスタイリッシュな非接触タイプのスタバカード「STARBUCKS TOUCH The Drip(スターバックス タッチ ザ ドリップ」ですが、当選者の一部が購入をキャンセルしたために 3,315個を追加で抽選販売するということです。
(引用元:STARBUCKS TOUCH The Drip Designed by BEAMS)
今回追加で抽選販売されるのはグレー、ライトブルー、ピンク、イエロー、キャラメルの全5色。
販売価格は1個4,240円(本体価格3,000円+税/カード入金1,000円)です。
1,000円分は購入するTOUCH The Dripにチャージされてスタバでの支払いに使えるので実質3,240円ですね。
(引用元:STARBUCKS TOUCH The Drip Designed by BEAMS)
応募資格はスタバのWeb会員サービス「My Starbucks」に会員登録をしている人なので、まだ会員になっていない人は入会手続きを済ませてからの応募となります(会費等無料)。
僕は当選したイエローが先月手元に届きました。
その後、まだ1回しか使ってないのですがレジでこいつをサッと取り出して「これでお願いします(ニヤ」といった時の拗らせた自己満足感たるやなかなかのものです。
逆に言えばその程度しか利点はないような気がするのでそれに対してこれだけの金額を支払うということについては賛否が分かれるところでしょう。
今回追加で抽選販売するって情報はスタバからのメールで知らされたのですが、そのメールから飛んだリンク先にはこう書いてありました。
「既にオンラインストア抽選販売で当選・ご購入いただいている方は申し込みいただいても抽選対象から除外させていただきます」
おいおい何の嫌がらせですか...それじゃただのスパムメールじゃないか。
スタバは応募資格がないとわかっているはずの僕に何故メールを送ってきたのでしょうか。
そりゃもちろん応募資格があっても2個も必要ないから買う気はないですし転売ヤーでもないですしおすし。
そんなわけで僕にはすでに必要のない情報なのでブログでお知らせしようかなと。
もしも興味があったのに買い損ねてしまって残念無念っていう人がいたら応募してみてはいかがでしょうか。
応募期間は2018年5月16日(水)〜5月20日(日)なので、気になる方はお早めに!
俺(わたし)ってこんなにスタバ好きなんだぜ(ですのよ)と周囲にアッピールしながら肥大した自己満足にひたるには最適な逸品です。
[ま]浸潤する異空間 @kun_maa
通勤経路で古びたアパートが立ち並ぶ一画を歩いて通る。
複数のアパートが建っているというのにその辺りはあまり日当たりが良くなくて昼間でもなんとなく薄暗い感じがする。
それに加えてふたつの急な坂道に挟まれている場所なのでうっかりすると平衡感覚がちょっと狂うような感覚がしてお世辞にも住みやすいとは思えない。
そんなわけで以前から他の場所とは違う雰囲気が漂っているなと感じていた。
どこがどう違うのかうまく言えないのだけどその辺りに立ち入ると温度がスーッと下がったりじめっとして肌に湿気がまとわりついたりするような皮膚感覚に由来する違和感とでもいった感じだ。
そんな場所で最近さらに違和感を感じる出来事があった。
不思議な人影
薄暮に包まれたアパート2階のとある部屋の入口にゆらゆらと前後に揺れている人影が視界の隅に入った。
反射的にそちらに顔を向ける。
照明はなくて黒っぽい人の姿であること以外はよくわからない。
その人影は体を部屋の方に向けて立ったまま俯いてゆらゆらと揺れている。
辺りはまだ完全に暗闇に包まれる前の時刻だというのにそこだけ闇が濃く光が吸い込まれていくような不思議な感じがした。
僕は見てはいけないもの見たような気がして咄嗟に顔を背けて足早に立ち去った。
虚ろな顔で道端に座り込むおっさん
アパート近くの路上で虚ろな顔をしたおっさんがしゃがみこんで道路に顔を向けている姿に何回か出くわした。
その時々によって現れる時間や場所は異なるのだがいつも同じ格好をして何をするでもなくじっと動かずにしゃがみこんでいる。
日本人にしては少しエキゾチックな顔立ちをしているせいか見ようによってはアジアの街角でしゃがみこんで無為に時間を過ごしている胡乱な連中のようにも見える。
それにしてはあまりにも表情がなくその視線からは何の感情も読み取れないまるで空洞のような眼。
それは昔訪れたインドの路上で転がって死を待つだけの乞食の姿を僕に思い出させた。
しかしなによりも不思議だったのはそんな違和感たっぷりのおっさんに誰も注意を払わないことだった。
まるで道端の石ころのように道歩く人が誰も気にしないので見えているのは僕だけなんじゃないかという思いに囚われた。
夜中に階段に立ってこちらを見ている少女
それは酔っ払っての帰り道。
ある部屋のドアの前で荷物を広げて弁当を食べている男がいた。
こんな遅い時間になんでそんな場所で弁当なんて食べているのだろうと不思議に思い数秒見つめたところで別の角度からの視線を感じて振り向く。
道を挟んで反対側のアパートの照明もない暗い階段の途中に立ってこちらを見ている小学生くらいの髪の長い少女が見えた。
あまりにもアレな状況に声をあげそうになったがそういうとき実際には息を飲んでしまうので気持ちと裏腹に声は出ないものだ。
暗いし距離もあるので少女の瞳が僕を見ているのかどうかまではわからなかった。
僕が酔っ払って帰るような遅い時間にそんな場所で少女が独りでいるだけでも不自然なのに顔がこちらの方向を向いているなんて鼓動が跳ね上がるには十分だった。
弁当男は気になったが最早それどころではない。
僕は少女の存在に完全に気をのまれて慌ててその場から逃げ出した。
あのアパートが立ち並ぶ辺りだけが僕らの住んでいる世界とは別の世界とつながって異空間がこちら側に浸潤してきているような不気味な感覚。
まるでホラー映画の中で日常が確実に変容しているというのに、不吉な予兆が現れているというのに気付かずに生きている登場人物にでもなったかのような不安感。
これは僕の思い違いや思考の偏りあるいは現実逃避の成れの果てにみる妄想なのか。
あなたの知らない都市伝説の真実: だまされるな!あのウワサの真相はこれだ!
- 作者: 皆神龍太郎
- 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
- 発売日: 2014/04/30
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