心が荒んでいると辛いものが無性に食いたくなる。ついでにビリビリと口が痺れたら言うことなし。なんだろ?自分を苦しめたいのかな。
そんなわけで久しぶりに「阿吽(あうん)」を訪れた。
目的は新メニューで痛いくらいの辛さと「あうあうあああ...」ってなるような痺れを自分に喰らわせたいから。
新メニューは2017年6月1日〜の「黒胡麻つゆ無し担担麺」と6月20日〜の期間限定「冷やし担担麺」があったのだが、冷やしの方には大嫌いなトマトの影が見え隠れしていたので自分を痛めつけたいとか言いながらコソコソとトマトを避けるところが根性無し。
券売機で食券を買って店員さんに渡す。
辛さと痺れのレベルをそれぞれどうするか聞かれる。
俺は辛さも痺れも「5」で...とボソッと答えた。途端に店員さんは「5はかなりの辛さと痺れなのですが...」と言い返してくる。
前はそんなことなかったのに「こんなに痺れるなんて事前の説明がねーじゃねーか!」とかくだらねークレームをつけた奴でもいたのだろうか。
俺が余裕の笑顔で「レベル6経験者なんで(フッ」と答えたら彼女は安心したようだ。
待つことしばし。
俺の目の前には無事に黒胡麻つゆ無し担担麺が着丼した。
目の前の器から辣油の香ばしい香りと花椒の刺激的な香りが鼻腔を直撃する。
よく混ぜてお召し上がりくださいと彼女が言うから仕方がない。
俺は箸を握りしめて混ぜ込むべく黒胡麻つゆ無し担担麺の器に正面から向き合った。
全身にみなぎる気力...ふぅぅぅぅぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!
ぜぇぇぇぇぇぇえんんんんぶぶぶぶぶううぅきぃぃぃぃいえぇぇぇちぃぃぃいいまああああぁぁぁあえぇぇぇぇええ!!
うぇぇぇぇえぇんんんんんんびぃぃぃいいいぃえぇぇぇええええええんんん!
うごごごごごごごおぉぉぉおおおおお♢♤♀♀♂♃⚤♌︎∀∞⨌♵☠!!
まあ大体こんなものか。店で混ぜ込むのは久しぶりだったがカップ焼きそばで練習していた甲斐があったというものだ。
悔いが残るとすればけっこう周りに飛び散ったことと麺を大盛りにしなかったことぐらいか。こんな少なかったっけ?気のせいなの?
静かに箸で麺をつまみ上げて息で吸い込むのではなく唇をうまく使ってハムハムムグムグと口の中に麺を収納していく。
ここでズルズルっと啜ると麺は途端に兵器と化すから要注意なのだ。
レベル6経験者はやはり心得えているだろ?って周りを見回したが先ほどの店員さんはどこかへ行ってしまって姿が見えなかった。残念無念の一人芝居。猿芝居。
確かに辛い。レベル5でも十分に辛い。
そして痺れる。ビンビン痺れる。
そりゃもう味がわからなくなって「あうあうあー」ってなるくらいに痺れる。
それでも涼しい顔で何事もないように喰らい続けるのだ。
噴き出す汗と鼻水と涙。
それを飲み込んでは咽せそれでも何かに抗うように麺を喰らい続ける。
...レベル6を食べたのって夢だったのかもしれないな。そんなことを思った。
少し気が遠くなる。もはや辛さと痺れが口の中を支配してどーにもならない状況だ。
完全に負け戦さ。何に負けているのかさえわからない。
ようやく麺を喰らい尽くして残った肉どもを喰らう。辛さと痺れの元が濃縮されているひき肉どものふてぶてしさよここに極まれり。
最後の攻撃で口の中の全ての味蕾が破壊された......
完食した俺に勝利の喜びはなかった。いやむしろ打ちひしがれていたと言っても過言ではない。
ブランクとは恐ろしいものだな...こんなにも辛さと痺れに弱くなっているとは。
荒んだ心にさらに傷を負いながら惨めな気持ちで外に出た俺は「このままじゃ済まさねーぜ」って阿吽の看板を見上げながら心に誓ったのだ。
このブログを気に入っていただけたら、ちょくちょくのぞきに来ていただけるとうれしいです。そして、とっても励みになります。
RSS登録していただける方はこちらのボタンをご利用ください。