[ま]マインドフルネス瞑想のワークショップに参加して様々な瞑想を体験してみた @kun_maa
本を読んでマインドフルネス瞑想の世界に足を突っ込み、今のところ毎日少しずつでも継続できています。
早いもので、もう1か月以上続いているのですね。
飽きっぽい自分にしては意外と気負わずに続いているんだなあ。
本を読んで付属のCDを聴きながら自分なりに瞑想を続けていて、それなりに効果を感じる時もあったり、思ったように上手くいかなかったりという日々を過ごす中で、やはり一度はマインドフルネス瞑想の実践者から直接学んでみたいという気持ちは深まるばかり。
ネットでいろいろ調べてみたところ、怪しくなさそう(これ大事!)で家や職場からあまり遠くなく日程もちょうどいい感じのマインドフルネスとヨーガのワークショップを見つけたので参加してみました。
今回参加したのは「マインドフルネス&ヨーガ ネットワーク」というところが主催している「1日リトリート」というワークショップ形式のものです。
マインドフルネス&ヨーガネットワーク | マインドフルネス瞑想、マインドフルネス&ヨーガのワークショップなどを行っています。
時間は午前10:00〜16:20(実際には17:00までゆっくりと行いました)と、名前のとおりほぼ1日中マインドフルネスな体験に取り組めるという充実度。
マインドフルネスとはなんぞやっていう、初めての人から初心者向きのワークショップです。
会場はJR目白駅から徒歩5分ほどの住宅地の中にある豊島区立目白庭園の静かな和室を利用します。池袋駅西口から歩いても15分くらい。
目白庭園って訪れたのは初めてだったのですが、こんな自然にあふれた静かな場所が都会の住宅街のなかにポツンと取り残されたように存在することが不思議な感じ。
今はクマガイソウの見頃みたいです。
区立の庭園だけあって閉園は17:00ってところがとってもお役所っぽくって、初めて参加するワークショップの会場としては安心感があります。
なかに入ると様々な緑が目に飛び込んできます。
心地の良いそよ風と花々のいい香りでここにいるだけでも心が落ち着くんだなあ。
1日リトリートは庭園の池に面した和室で行われます。
とても静かで眺めの良い和の空間。
リトリート中は電子機器の使用は禁止なので写真もここまでです。
そもそもマインドフルネスってなにかというと、こういうものの御多分に洩れず様々な団体や考え方があるようですが、僕が読んだ本では次のように書かれています。
マインドフルネスとは、今という瞬間につねに注意を向け、自分が感じている感覚や感情、思考を冷静に観察している状態のこと。つまり、「今、ここ」に100%心を向ける在り方のことです。元々はパーリ語の「サティ」という言葉の英訳で、日本語では「気づき」、漢語では「念」と訳されています。(マインドフルネス瞑想入門 P.18)
今回参加したワークショプでも同様の説明がありました。
<心理療法におけるマインドフルネスの定義>
意図的に、現在の瞬間に、そして瞬間瞬間に展開する体験に判断をせずに注意を払うことで現れる気づき(Kabat-Zinn,2003)
生じてくる内的・外的な刺激の流れを判断せずに観察すること(Baer,2003)
<日本マインドフルネス学会設立趣旨>
本学会では、マインドフルネスを”今、この瞬間の体験に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること”と定義する。なお、”観る”は、見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の動きをも観る、という意味である。
マインドフルネスの本格的な説明になると本が一冊かけるほどですから、定義だけを読んでもなかなか理解できないとは思いますが、とりあえず意識を「今、ここに」集中するということくらいに思っていればいいんだと思います。
今回のリトリートの参加者は僕を含めて5人。男女比は男性3人、女性2人。
指導者を含めて適度な間隔をあけた車座になって座ります。
宗教的な団体ではないので普段は祈りとかは行わないそうなのですが、今回は熊本地震の被害者に対して全員で1分間の黙祷をしてからワークショップを開始しました。
定番の自己紹介から。みなさん参加動機はそれぞれですがマインドフルネスについては僕同様に初心者か全く初めてという方ばかりでとりあえず安心。
最初に行ったのは「飲む瞑想」。
一人ずつ茶碗に入ったお茶を渡され、それに集中します。
茶碗に触って感触を確かめたり、持ち上げてみたり、匂いを嗅いでみたり。最後に口に含んで口の中でお茶の感触を確かめます。飲み込むのは一番最後。
普段は無意識に飲んでいるものをひとつひとつ感触などを確かめながら意識的に飲むという行為も「今、この瞬間」を観察するという意味で瞑想になるのです。
ひとつの瞑想を終えた後には、参加者ひとりひとりが感じたことをみんなの前で語って体験をシェアするということを行います。
ひとりで瞑想をしているとこういう体験はできないのでなかなか刺激的。
この体験のシェアでは必ずしもいいことをいう必要はなく、感じたままを言えばいいので気楽なものなのですが、自分が感じたことによっては言葉で表現するのが難しいこともあるなってことにも気づくんですよ。
だから必ずしも全ての体験を言葉でシェアすることはできないんだなって。自分自身で体験しなくてはわからない感覚って間違いなくあると思うんだよね。やってみなけりゃわからないこと。
「飲む瞑想」の次には、「室内を歩く瞑想」→「庭園を歩く瞑想」と続きます。
「飲む瞑想」でも感じたのだけど、無意識にやっている動作の全てを意識的に行うのって動きがぎこちなくなるしけっこう難しいです。
「飲む」程度の事ならまだしも、歩くこと全ての動作を意識的にゆっくりと行うと、自分の体のバランスの悪さ、意外なところに必要以上に入ってしまう力の感覚など自分の体のことをたくさん観察できます。
庭園に出れば、さまざまな音や香りや地面の感触の違い、皮膚を撫でるように流れる風の動き、汗をかいて気化熱で額が冷える感覚など普段全く意識していないことを次々と観察することで「今、ここ」に集中し、自分に起こっていることや感じている気持ちを客観的に観る練習になります。
歩く瞑想についてはけっこう歩き方がゆっくりでぎこちなかったりもするので、街中や職場でやると不自然な印象を周囲に与えてしまうかも。あれ?ゾンビなの?とかね。
だから日常生活で取り入れることができる場面は少ないかもしれません。
それでも終わった後の気持ち良さと自分の状態の観察のしやすさに、これからも可能な限り「歩く瞑想」を取り入れていきたいなって思いました。それくらい気分爽快。
間違っても「歩く迷走」じゃないからね。
動きがない状態で意識を集中させるのは難しいけど、自分の動作に対して意識を集めるのは比較的簡単なので「歩く瞑想」って初心者向きの瞑想法なんじゃないかなあ。
そして「食べる瞑想」。禅寺での食事作法のように難しいルールはないし、音もバリボリ出して構わないんだけど、瞑想中はおしゃべり厳禁。
メニューはどこにでもある普通の和食惣菜と玄米のおにぎり。それを10分間黙って口に入れながら素材ひとつひとつの食感や味わいを感じ取ることに集中します。
これはひとりでやるのはなかなかバカらしいというか、恥ずかしい感じがして今まで知ってはいたけどやらなかった瞑想法。
何人かで一緒にやると不自然な感じもなく、みんなも黙っているのでとても集中できるし、いつもは流し込むように食べている食事をひとつひとつ丁寧に味わうことで得られる満足感がハンパない。
一度体験してしまえばもうひとりで行うことにも抵抗はないので、これからは生活に取り入れてみようと思っています。
食べる瞑想の後は30分ほど横になってそれぞれ休憩。
午後の一発目はマインドフルネスについての簡単な講義。
心をマインドフルネスにするための瞑想って、頭で理解しようとしてもあまり意味がなくて、結局は自分で体験して身につけていくものなんだなってあらためて再認識。
うまくできる日もあればそうでない日もあって当たり前であり、それでも続けること意味があるんだね。心の筋トレって言われているみたい。
そして今回の指導者に好感が持てた理由のひとつは、マインドフルネスが流行している理由についての考え方と、マインドフルネスに対する世間の過剰な期待に危惧を抱いているところ。
マインドフルネス瞑想を生活に取り入れても「劇的に」人生が変わることなんてないし、「魔法のように」不思議な即効性があるものでもないっていう考え方はいいよね。
だって本当にそう思うもん。激しく同意ですもん。
だから、そんなことを謳い文句にしている本や団体があったら要注意。
ただ、瞑想って即効性はないけど日々の生活の中で活かせるストレスケアの実践法としては有効なんだってこと。ほんとそう思います。
講義の後はマインドフルネス瞑想ヨーガで、ゆっくりとした動きのヨーガを行いながら自分の体の動きや状態を観察する方法を経て、最後は座ってのマインドフルネス瞑想を体験して1日のリトリートは終了。
最後の座って行う瞑想は、すごく「今、ここ」に心が留まっていろんな観察をすることができた感じがして、今までで一番よくできたんじゃないかなって思いました。
とても充実した1日を過ごすことができ、満ち足りた気持ちで帰途につく僕なのでした。
でも今回のリトリートに参加してみて、全員がマインドフルネス瞑想で快感や安らぎを感じるわけではないんだなってわかりました。
瞑想によって自分と向き合うことにより過去を思い出して辛くなったり、体調が悪くなったりする人もいるので、やっぱりマインドフルネス瞑想は万能ではないのです。
僕はたまたまこの瞑想法に向いているようで、瞑想がうまくできないことはあっても辛くなったり気分が悪くなったりすることはありません。
本を読んで興味を持って、自分なりに続けてみた段階で自分にはけっこう合っているかもしれないなって感じたら、一度実践者のもとで正しい瞑想法を体験してみるといいと思います。
僕が参加した「マインドフルネス&ヨーガ ネットワーク」の1日リトリートは毎月開催されていますし、その他にも夜や昼だけの瞑想会も開催しているようです。
ネット上にはなんとなく怪しげな団体もありますが、ここはとりあえず大丈夫そうなので興味がある方は一度体験してみてはいかがでしょう。
マインドフルネス&ヨーガネットワーク | マインドフルネス瞑想、マインドフルネス&ヨーガのワークショップなどを行っています。
グーグルのマインドフルネス革命―グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端のプラクティス(付録:マインドフルネス実践ガイドCD)
- 作者: サンガ編集部
- 出版社/メーカー: サンガ
- 発売日: 2015/05/25
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (4件) を見る
このブログを気に入っていただけたら、ちょくちょくのぞきに来ていただけるとうれしいです。そして、とっても励みになります。
RSS登録していただける方はこちらのボタンをご利用ください。