[ま]40字要約で仕事はどんどんうまくいく/要約力をつけて本質をつかむ力を磨く(意外と楽しいよ) @kun_maa
タイトルのとおり「仕事」に特化した要約力の活用による成功法について書かれている本なので、表現がちょっと鼻につく部分がある。
まあ、気にならない人もいるのだろうけど、僕はちょっと苦手だった。
例えば、次のような部分。
この日本の社会において、ビジネスパーソンが人生において本当の幸せとは何かというと、究極すると「仕事が出来ることだ!」と、57年の人生を振り返ってみて思います。
だからこそ、この40字要約法を修得して、人生の幸せを手中に収めていただきたいと思います。
ねぇ?なんか嫌な感じじゃないですか。そう思うのは僕だけですか。そうですか。
本書が提唱する「40字要約」だが、実際にやってみるとかなり難しい技術である。
一度やってみるとすぐにわかるのだけど、100字くらいに要約するのはちょっと練習すれば意外と楽にできる。でも、この「40字」というのが難しいのだ。
そこまで短くするためには、本文の要点を確実に読み取り、言葉をより簡潔に言い換えたり、徹底的に無駄な部分をそぎ落としたりする必要があるからだ。
本書には、40字要約の解説や仕事への活用法だけではなく、実際に40字要約の練習ができる「実戦練習編」の問題と著者による回答例がある。
実戦練習に自分自身で取り組んでみると、40字で正確に要約するためには相当な読解力や思考力、判断力が必要とされることが実感できる。
なぜ「40字」なのか。著者が最初に念頭に置いたのは五七五七七の短歌だったという。
内容を凝縮する短歌の字数に、句読点や普通文という点を考慮してキリがいいところで40字にしたという。本当か冗談かよくわからんが思ったよりいい加減な理由だな(失礼!)。
実際には次の文に書いてあるように、40字という制限を設けることで、より重要なポイントを見抜き、考え、判断する力を養うという意味があるようだ。
単に「この文書・談話の要点を示せ」というだけなら、読み返したり、聞き流したりしてもできるでしょうが、40字という字数内に収めるためには、分析的に読んだり聴いたりして、どの部分を使うか判断しなくてはならないのです。こうした練習を続けているうちに、読解力や思考力、判断力が自然に向上していくのです。しかも、筋力トレーニングと同じで、自由に練習するより、一定のルールに従って負荷をかけたほうが効果が増すのです。
本書では、「40字要約」がビジネスでどんなふうに役立つのかということから、40字要約のための核心を素早くつかむテクニックや要約力をつけるための練習法、文章ごと(例えば、新聞、雑誌、書籍、企業文書、講演など)の要約のポイントなどについて丁寧に説明がなされ、要約練習問題も適度に用意されている。
本書に書いてあることを実践すると、仕事が本当にうまくいくかどうかはわからないが、文章や資料の本質をつかむ力は確実につくだろう。
本書を読み終えた後、時間があれば新聞のコラム(朝日新聞の『天声人語』や日経新聞の『春秋』など)を要約する練習をしているのだが、これがけっこうおもしろい。
わからない言葉は調べなければならないし、慣れるまでは時間もそれなりにかかるのだが、頭を使っているって感じがしてワクワクするのだ。
ただし、著者には申し訳ないがそれほど厳密に「40字」にはこだわっていない。
こだわりすぎるとかなり強引な力技が必要な場合もあるし、意味がわからなくなってしまうこともあるからだ。全てが40字以内で収まるわけではないことは少しやり始めれば何となくわかってくるものだ。
本書の例題でも「これはちょっと...」と感じたものもある。だから何が何でも40字以内ということではなく、ほぼ40字程度くらいに考えたほうがやりやすい。
もちろん、要約の実践は今だけではなく、継続して続けていかなくては意味がないということは本書にも述べられているとおりだ。
実践により、自分の血となり肉となることでより世界は広がるような気がしている。
「仕事で成功するため」とか抜きで、単純に要約っておもしろいなって思わせてくれる本である。
40字要約で仕事はどんどんうまくいく―1日15分で身につく習慣術
- 作者: 原田虔一郎
- 出版社/メーカー: アーク出版
- 発売日: 2004/08
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
このブログを気に入っていただけたら、ちょくちょくのぞきに来ていただけるとうれしいです。そして、とっても励みになります。
RSS登録していただける方はこちらのボタンをご利用ください。