この本に書かれているノート術は、巷にあふれている有能な人材となるためのノート術とは違います。したがって、この本を読んでも「効率よく時間を使う」、「人生の目的を具現化する」、「プレゼンを成功させる」といった直接的に仕事に役立つような技術は書いてありません。
タイトルにあるとおり、「天才」になるためのノート術です。
一言で「天才」と言っても、その定義がはっきりしていなければよくわかりません。ただ頭が良くなるノート術なの?って漠然と思いますよね。
本書でいう「天才」とは、発想力・表現力・論理力に関して高い能力を持ち、それが主体制によって1つの人格にまとまっている状態を指しています。
そして、それぞれの能力を高めるための7つのステップが用意されています。ただ、その7つの段階が難しく困難なステップでは長続きしません。
著者は「レコーディング・ダイエット」という長続きして効果があるダイエット法の提唱者ですが、ダイエットと同じく、ノート術も続けることが大切。だから無理せず、楽しく取り組める工夫が取り入れられています。
本当に「天才」になるのかどうかは、まだこれから始めるのでなんとも言えませんが、一通り読んだ限りにおいては、楽しくノートをつけたり、それをもとに表現をすることを継続することで、最終的には自分自身で物事を考えること、そしてそれを表現することにとても効果がありそうです。
著者の体験によれば、うつ状態の緩和にも効果があったようです。
このスマートノートは、次の7つの段階を経て進んでいきます。
①5行日記(行動記録):基礎
②今日はどんな日?(行動採点):基礎
③毎日いち見開き(論理訓練):論理力・表現力
④見せてお話(表現訓練):表現力
⑤臨界突破(脳内リンク開始):発想力
⑥知識→教養→見識(統合):統合的人格
⑦世に出る(私によれば世界は):自覚と覚悟
このようにただタイトルだけを並べたのでは、なんのことだかわからないと思います。
内容については、実際に本書を手に取っていただきたいと思うのですが、このノート術のおもしろいところは、見開き1ページ(つまり2ページ)をワンセットにして、常に右のページから書くというところにあります。
これは、①〜⑦のどの段階においても同じスタイルです。
ポイントは、空白ができてしまっても気にしないで先に進んで行くことです。
だから、書くことがあまり考えつかなかった日は空白のままでかまわない。翌日に前日のページに続きを書こうとせずに、翌日は翌日のページに書き込んで行くということです。
読んでいて、なるほどなあって思ったのは次の部分です。
毎日、自分は「考えている」ような気がしますよね?でも、いざ書こうと思ったら書けない。実は私たちは、毎日脳内で「考える直前」までの作業をしているんです。(中略)
「書く」という作業は、そういう「考える一歩手前」の想念を、無理やり固定化させる働きがあります。(中略)
まず「感じる」。次に「感じた理由を考える」。私たちは感じているだけで、実は考えていない場合が多い。考えを言語化していません。そのためにも自分の感覚や感情を日本語にする訓練をしてみてください。
たしかに、頭の中でモヤモヤと考えているように感じていますが、それを言葉で表現できないということは、実は考える一歩手前で止まっているっていうことがすごく腑に落ちました。
また、本書では未完成な論理や、中途半端な理屈、単なる屁理屈でもいいから、自分が使える言葉でとりあえず書くことを勧めています。それが積み重なることで、ある地点を越えたときにその積み重ねたものがリンクして自分独自の考え方につながっていくからです。
ほかにもご紹介したい点や自分で「はっ!」とした部分が多かった本書ですが、読んで終わりでは意味がありません。
とりあえず今日から、第1段階に取り組もうと思います。
使うノートはB5やA5などを例に挙げていましたが、僕はモレスキンのラージサイズが余っているので、これを使います。
最近いろいろ行き詰まりを感じたり、辛いことがあったりして体調も崩しがちなので、このスマートノートでなんとか巻き返しを図りたい気もしています。
僕はこの本をAmazonのKindleオーナーライブラリーで読みました。
Kindle端末を持っていて、Amazonプライム会員ならこのオーナーズライブラリーを利用すれば、無料で読むことができるのでおすすめです。
もちろん購入してもきっと役に立ついい本だと思います。
- 作者: 岡田斗司夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/02/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 23人 クリック: 1,529回
- この商品を含むブログ (70件) を見る
最後までお読みいただきありがとうございます。
このブログを気に入っていただけたら、下のボタンからツイートやいいね!、お気に入り登録などしていただけるととてもうれしいです。
また、RSS登録していただける方はこちらのボタンをご利用ください。