肩の力が抜けるような脱力系の、かわいらしいブタのイラストを使いながら、恋のつらさや幸福と不幸、悲しみの正体やモノの見方について主人公のシッタカブッタとともに気づいていくというちょっと哲学的な漫画エッセイ本(こういう呼び名が正しいのか知らんけど)です。

ブッタとシッタカブッタ 1 こたえはボクにある【新装版】 (コミックエッセイ)
- 作者: 小泉吉宏
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2014/09/22
- メディア: Kindle版
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使われている言葉は平易で、絵はほのぼのとしているけどけっこうズバリと真実を突いてくるので、なかなかどうして侮れない本です。
例えば、こんな感じです。
一見ふざけているだけのようにも見えますが、自分の意のままになるはずもないことに対して怒りをぶつけることの愚かしさについて、とてもわかりやすくかかれています(この前後の漫画と併せて読むとさらにわかりやすいです)。
「はじめに」で、シッタカブッタは仏様のブッタにこんなふうに疑問を投げかけます。
シッタカブッタは思った。
ボクたちはどうして悩むのかなぁ。
恋ってどうして苦しい時があるのかなぁ。
人から愛されないと、どうして苦しいのかなぁ。
人に認められないと、どうして苦しい時があるのかなぁ。
寂しい気持ちってどこから来るのかなぁ。
ボクたちはよく自分を見失うって言うけど、自分はずっとここにいるのに、どうして見失うのかなぁ。
恋人がいないといけないのかなぁ。
いい学校に入らないといけないのかなぁ。
何がいいことで、何がいけないことなのかなぁ。
(略)
まさに人生における哲学的な悩みとも言える内容の疑問でしょう。
そんな悩みや疑問に対して、心和む漫画を通して寄り添い、一緒に答えを見つけていこうというのが本書のキモです。
本書で示されるのは、悩みに対する対処療法的なものではありません。悩みの根本に迫り、その悩みの根元を探ることで、「ああ、それでいいんだ」って感じで、心を軽くしてくれます。
本書の中では、シッタカブッタを中心として悩めるブタたちが何匹か登場します。
彼らの悩む姿に合わせて、自分だったらどう思うか、どうするのか考えてみます。
そんなことを繰り返しながら、次第に心が軽くなるのを実感することでしょう。
悩むことは決して悪いことではありません。無闇に自分を追い込むことを避けるためにも、一生懸命悩めばいいのです。
悩みたくなければ、幸せを追い求めることをやめてしまえばいいのです。そうすれば、悩んだり、不幸になったりすることはなくなるかもしれないけど、それって生きていても楽しくないよねってことを考えさせられる一冊です。
まだ、1巻しか読んでないけど、これはもしかしたらとてもおもしろい本なのではないかと思います。自己啓発系的要素もあるけど、どちらかというと悩みの根を特定して無駄に苦しむことを避けるためのライト仏教って要素が強いかなって思いました。
この本、おもしろいよ。

ブッタとシッタカブッタ 1 こたえはボクにある【新装版】 (コミックエッセイ)
- 作者: 小泉吉宏
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2014/09/22
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ブッタとシッタカブッタ 2 そのまんまでいいよ【新装版】 (コミックエッセイ)
- 作者: 小泉吉宏
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2014/09/22
- メディア: Kindle版
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