2008年にスタートした「ふるさと納税制度」。
もともとは自分の故郷や応援したい自治体に対して寄付をすることで、寄付を受け入れた自治体は財政的に潤い、寄付した人は寄付額のほとんどが住民税や所得税から差し引かれて、実質的に自分の支払う税金の納め先を自分で選べるのと同じという画期的な制度です。
最近では、ふるさと納税制度を利用してくれた人に対する地元特産品のプレゼントの豪華さばかりが話題になっていますが、税額控除を受けるためにはサラリーマンも確定申告を要するなど、それなりの手間がかかることも事実です。
来春の統一地方選挙対策として、安倍政権が新設する「まち・ひと・しごと創生本部」を中心にまとめる方針である地域振興策の目玉として、政府が検討を始めたのが「ふるさと納税制度」の確定申告の簡素化や控除額の引き上げです。
具体的な動きは、もちろんこれからですが、報道を見ていると次のような案があるようです。
<確定申告手続きの簡素化>
サラリーマンの場合、副収入がある方や医療費の控除をする方などを除いて、普通は年末調整だけで納税関係の手続きは済んでしまい、確定申告を行うことは稀だと思います。
だから「ふるさと納税制度」のプレゼントがかなり魅力的でも、確定申告の手間を考えて二の足を踏んでしまう人も多いのではないでしょうか。実は僕も、これまでいくつもふるさと納税制度についてご紹介しておきながら、確定申告が面倒で制度を利用したことがないのです。
そこで制度の利用者の手間を省きハードルを下げるため、ふるさと納税制度専用の還付申告用紙を新たに作成し、税務署での確定申告手続きを簡素化しようということを検討しているようです。
この専用の還付申告用紙を、寄付を受けた自治体が地元特産品や領収書などと一緒に寄付者に送付することにすれば、今よりも確定申告に行く手間が省けます。僕の重い腰も上がるかもしれません。
これについては税務署での手続きの簡易化と合わせて、2015年度税制改正での実施を目指しているそうです。
<ふるさと納税にともなう控除額の引き上げ>
ふるさと納税制度は、自分の故郷や応援したい自治体に対して、2000円を超える寄付を行うと、金額に応じて現在の居住地の住民税や所得税が控除されるというものです。
この控除額の上限について、管官房長官が引き上げる考えがあることを明言しています。
ふるさと納税に伴う税金の軽減額は、例えば年収500万円の夫婦2人世帯で3万円など、収入や家族構成によって上限があります。官房長官によれば、現在、住民税のおおよそ1割までとなっている控除の上限額について2倍にすることを検討しているそうです。
こうすることで、より一層ふるさと納税制度を利用しやすくなるのではないでしょうか。
<ふるさと納税制度の今後について>
現在検討が開始されたこれらの制度改正によって、ふるさと納税制度の利用促進が進む可能性は大きいと思います。過疎化によって現住民だけでは立ち行かなくなる可能性のある自治体も、この制度を上手く利用することで財源の確保が図れるようになるかもしれません。そのためには、これらの制度改革と合わせて魅力的な地域の特産品などの特典をいかに生み出すかといったところが重要でしょう。
今のようにその豪華さを競い合うのもかまいませんが、品物だけで釣るような仕組みは長続きしないような気がします。
今後必要なのは特産品の提供だけではなく、ふるさと納税制度利用者が地元を訪れるような仕組みや、その地域の良さを知ってもらう機会をどう設けていくかといったところでの工夫が、ある意味永続的なふるさと納税利用者の確保に繋がっていくのではないかと思います。
ふるさと納税制度ってそもそもなにさ?って方は、以下の過去記事を参考にどうぞ。
[ま]YouTubeと特産品プレゼントでふるさと納税制度のPR/鳥取県江府町 @kun_maa - [ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)
[ま]ふるさと納税制度を利用するなら長野県がお得かも/寄付者に県産品を大判振る舞い @kun_maa - [ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)
この飯山市の取組みなんかは、地元に来てもらって魅力を堪能してもらうという意味ではなかなか先見性があると思います。
[ま]これはすごい!長野県飯山市がふるさと納税の特典に「1泊2日の人間ドック」をプレゼント @kun_maa - [ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)
このブログを気に入っていただけたら、下のボタンからツイートやいいね!、はてなブックマークなどしていただけると僕がとっても喜びます。
また、RSS登録していただける方はこちらのボタンをご利用ください。