このブログでも何回か「ふるさと納税制度」について取り上げてきました。
ざっくりいうと、現在居住している場所以外の自治体に寄付を行うことで、所得税や現居住地の住民税が軽減されるという制度です。2008年にスタートした制度ですが、それぞれの自治体が用意しているふるさと納税者に対する特産品などの特典の豪華さが話題になったりしています。
現在、政府内ではこの「ふるさと納税制度」の手続きの簡素化について検討を進めているところです。
先日の新聞報道では、現在所得税と住民税の両方で行われている減税を、住民税のみにすることで、これまで必要だった確定申告が不要になる方向で制度改正を考えているようです。
僕もそうなんですけど、確定申告がめんどくさくてふるさと納税制度を利用してこなかった人ってけっこういると思うんですよ。確定申告が必要なくなれば利用する人も増えるんじゃないでしょうか。
また、税金控除の上限額のアップも検討されています。
現在は所得税の一定額と住民税の所得割額の1割が上限ですが、所得税の減税が無くなる分、住民税の所得割額の2割まで上限が引き上げられるようです。これにより、利用者の所得にもよりますが、控除額が最大で現在の約2倍になります。おそらく平成27年度からの制度改正となると思われます。
各自治体では、これを機会にたくさんの寄付額を集めたいところですが、特典が年々豪華になり、赤字覚悟で特産品などを提供している自治体も多いことから、継続的で安定した寄付を募るために現在の手法でいいものかという問題提起も各方面からされているところです。
そんな中で、継続的な寄付を集めるために地元への愛着を持ってもらうことも重要な戦略となってきています。いわゆる体験型の特典で地元に寄付者を呼び込み、ファンになってもらおうというものですね。
今回ご紹介する山梨県笛吹市では、これまで他の自治体同様に「ふるさと納税」の特典としてぶどうや桃などの特産品を贈っていましたが、内容をリニューアルし、寄付者に地元へ足を運んでもらい、笛吹市の良さを楽しんでもらえるような特典を加えることにしました。
そのひとつであり、手軽な目玉特典として導入されたのが「ワイン作り」です。
1万円以上のふるさと納税を行ってくれた人に対して、市内のワイナリーで実際にワイン作りを体験してもらいます。
それも、ワイナリーの農園で採れたぶどうを足踏みでつぶす製法で行い、絞った果汁は2〜3ヶ月後にワインになって自宅に届くという本当に手作り感あふれるものです。
ワインのボトルに貼るオリジナルラベルも作製するそうなので、自分オリジナルのワインができて楽しそうですね。
そして、さらに高額寄付者にはすごい特典が用意されています。
毎年春に行なわれている川中島の合戦を再現する「川中島合戦戦国絵巻」というお祭りの中で、寄付額が100万円以上の人には「武田信玄」役を、50万円〜100万円未満で「上杉謙信」役を、10万円〜50万円未満でその他の特別武将役をそれぞれ演じる権利がもらえるそうです。希望者の中から抽選でという条件になるそうですが。
お祭りの主役の座まで売り渡して地元を楽しんでもらおうという、なんていうかそこまでやる?っていう感じの企画ですね。笛吹市の本気を感じます。
その他にも、そば打ち体験やいちご狩りなど、とにかく笛吹市に一度来てみてくださいって特典が複数用意されています。
特産品だけを目当てにふるさと納税制度を利用するのもいいですが、ある意味では税金の使い道を自分で決めることができる制度でもあるので、できることなら自分が寄付をする自治体のことをよく知り、好きになった上で寄付をしたいものです。それなら、寄付をする方も、される方もお互い気持ちよく長続きできる制度になりそうな気がします。
笛吹市のふるさと納税制度の特典や寄付方法などはこちらをご覧ください。
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