謎のエイリアン「スカブ」によって月が破壊され、その影響で地震や津波により壊滅状態となった地球。
破壊された月の映像が禍々しい。
スカブとの戦いで核兵器も使用され、スカブとの戦いには勝利したけれども天変地異と放射能汚染で住めなくなった地球を放棄し、土星の衛星タイタンへの移住を進めている人類。
作品の舞台は、スカブの侵略から60年後の地球。
主人公のジャックとビクトリアは、高度1000メートルに設置されたスカイタワーに2人だけ派遣され、地球上の海水採取装置を守るため、今だに破壊工作を続けるスカブの監視を続けている。
ビジネスライクのような、それでいて愛し合っているような不思議な2人。
2人の残された派遣期間は2週間。それが過ぎればタイタンへと移住できる。
2人はこの任務の為に、なぜか過去の記憶を消されている。
ビクトリアは早く任務を終えることしか考えていないが、ジャックは毎日謎の女性の夢に悩まされ、荒涼とした地球に残された自然に魅かれ、地球に住みたいとさえ考えている。
前半はジャックのパトロールシーンにまつわる出来事で過ぎていく。
無人監視攻撃機「ドローン」がスカブに破壊されたり、罠にはめられたジャックがスカブに誘拐されそうになったり、海水採取装置がスカブの破壊工作で核爆発を起こしたりと、スピード感もあり、アクションシーンもなかなかいい。
作品に登場する乗り物やスカイタワー、荒涼とした地球の姿などの作り込まれた映像に魅せられながら、ちょっと不思議だけど魅力的なSF映画の世界に引き込まれていく。
それでも、たぶんスカブの攻撃とかあって、果たして2人は無事に任務を終えてタイタンに行けるのか?的なお手軽な話にちょっと色を付けた感じでストーリーは進むのかな、なんて思っていた。
趣向が変わるのは中盤で謎の宇宙船が不時着し、生き残ったひとりの女性がジャックの夢に出てくる女性であり、彼女の方もジャックを知っていたところから。
モーガン・フリーマン演ずる謎の男も登場し、主人公視点で次々と明かされていく真実。
ジャックの本当の任務はなんなのか。
なぜ記憶を消されているのか。
謎の女性とジャックの関係は・・・
SF映画にありがちな、全てを知っている人間が登場してきて全部説明しちゃうという手法をとらないところは好感がもてる。
あくまでも主人公視点。
謎が明らかにされていき僕の頭のなかでいろいろなことが繫がった瞬間、おおおお!そうなのおおお!と思った。ちょっとしたアハ体験。
正直、監督とプロデューサーの顔ぶれから映像の作り込みには期待していたけど、トム・クルーズ主演映画だし、ストーリーにはあまり期待していなかっただけに、素直に驚いた。ホント楽しめた。
そして、全ての謎が解け、ジャックが自分の運命にケリをつけたあとにも、驚きが用意されていた。
男としては、ちょっと複雑な心境にはなったけど、こういう終わり方も悪くないかな。
これは薄っぺらなアクションSF映画なんかじゃない。
観る前の期待値が低かったこと、予備知識全くなしだったことも幸いしたとは思うけど、けっこうおもしろかった。
複雑な心境の変化をその表情で演じ切っていたトム・クルーズも素晴らしかった。
この手の映画にはよくあることだけど、この映画にもそりゃ突っ込みどころはある。
え?そりゃないでしょっwwてな場面。
予備知識なしで観て欲しいからあえて書きはしないけど。
それでも、やっぱり楽しめる映画だと思う。
なんかあまり話題になっていない気がするけど、僕はおすすめのおもしろい映画だと思ったな。みんな観ればいいのに。
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