by lumaxart
社会学って一口に言っても、範囲はとっても広いわけで、本書はいわゆる理論的な社会学の本ではありません。
取り扱っている内容に近いのは「社会現象学」といったところでしょうか。
現代社会と言いつつも、取りあげている社会現象はちょっと古くて、2004年から2008年にかけて話題となった社会現象を取り上げています。
本書で取り上げているのは、モテブーム、純愛ブーム、オタク、スローライフ、ハンカチ王子、KY、モンスターペアレント、萌えブーム、スピリチュアルブームなどなど。
懐かしいものから今でも続いているものまで諸々取り揃えています。
これらの社会現象を、明快な分析でバサバサとぶった切っていきます。
あまりに明快な分析とそれを表現するおもしろい漫画に、つい笑ってしまうおもしろい本です。
そう、言い忘れましたがこの本は漫画です。
だから、ちょっと硬派な感じのタイトルとは裏腹にとても読みやすいんです。
個別のタイトルのセンスもいいです。
例えば、「純愛プレイ」「地震ノイローゼ」「アキバの戦い」「セクハラ脳の恐怖」「オーラの泥沼」「今。そこにあるテロ」「日本総モンスター化計画」など、タイトルだけでも思わずクスッとします。
さまざまなブームにどっぷりと浸かるわけではなく、絶妙な距離感を保ちながら、これらの社会現象とも言えるブームに潜む危うさや滑稽さのエキスを、上手くすくい上げてあぶり出しています。
現代日本社会の抱える滑稽さを、力まず気楽に楽しむのにちょうどいいおすすめの本です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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