[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]「21世紀の資本」が誰でもわかる解説本/21枚の図で「21世紀の資本」は読める!図解 ピケティ入門 @kun_maa

トマ・ピケティの「21世紀の資本」という分厚くて高い本がまだまだ売れている。

ちょっと本屋をのぞくとわかるけど、あの本の解説本の数も半端ない。まるで売れている本の波に乗り遅れるなと言わんばかりに、コバンザメのようにピンからキリまでなんでもかんでも「ピケティ」とタイトルに入れておけばいいんじゃね?と思っているんじゃないかというくらいの解説本の数だ。

例えば「マンガですぐわかる...」「1分間...」「30分で理解する...」「見るだけでわかる...」「....を読み解く」「一番やさしい...」etc.etc.

僕自身は「21世紀の資本」を読んでいない。だって高い本だし、難しそうなんだもん。 

21世紀の資本

21世紀の資本

 
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だけど売れている本は気になるものだ。

また、ある一般向けの講義の中でピケティは「経済のことはよくわからないと言って済ましてしまうのは安易すぎる。他人任せにしてはいけない」と語ったそうなので、とりあえず数多ある解説本からとりかかってみるかと思い、選んだのが本書「21枚の図で『21世紀の資本』は読める!図解 ピケティ入門」である。  

【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!
 

選んだ理由は、実際に「21世紀の資本」で用いられている図を本文で使って解説をしていることと、僕でも理解できそうな平易な語り口からだ。

われながら安易な選択だと思う。

ところが、これが本当にわかりやすかった。読めばわかると思うけど、本当わかりやすくてびっくりするよ。

そのわかりやすさは、本書を読み終えた後、ものぐさな僕はもう「21世紀の資本」は読まなくてもいいんじゃね?って思ってしまうほどだ。

まあ、21世紀の資本」を読まなければこの本に書いてあることが、本当にピケティの主張と合っているのかという検証はできないわけだけど。

だから、これから僕が書くことはあくまでも本書に書かれていたことであって、「21世紀の資本」に対する本書の著者「髙橋洋一」さんの読み解いたものについて、さらに僕が読み取ったことであることをお断りしておく。なんかめんどくさい話だな、おい。

なんか前置きがひどく長くなってしまったので、本書に書かれていたことはざっくりとまとめてしまうことにするゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ

 

本書によれば、ピケティが「21世紀の資本」で言いたかったことは次のとおりである。

まず、この本が書かれた前提として、ピケティは富や所得を「持てる者」と「持たざる者」との格差が世界的に広がっていることに強い懸念を示している。

そして膨大なデータ(20カ国、300年分!)から世界の格差の現状をあぶり出して捉え、格差是正のために何をすべきかということにまで踏み込んでいくのだ。

なぜ格差が拡大していくのか。

それは「資本収益率」(資本に占める資本所得の比率)が「GDP成長率」を上回る状態が続くからである。

大雑把に言うと、不労所得の方が労働から得られる所得よりもより儲かる状態が続くし、その儲けの差は広がっていくから、金持ちはより金持ちになり、貧乏人はいくら働いても金持ちを追い越せないってこと(一部の桁違いな超高給を得る経営者になる場合を除いて)。

このことを、ピケティは数学のように難しい計算式で証明したわけではない。

膨大なデータから歴史的な事実として提示しているのであり、そこに「21世紀の資本」の特徴があると言える。

ピケティはこの「資本収益率 > GDP成長率」という状態が今後も続き、格差はますます広がるという予測により、ノーベル経済学受賞者であるクズネッツの理論を覆している。

どういうことか。本書から引用しておこう。

クズネッツは、資本主義の初期段階では格差が拡大するが、一定レベルを超えれば、経済成長に伴って格差が縮小すると主張していた。しかし、ピケティの推計に従えば、成長率 g が資本収益率 r より高かったのは、戦争と恐慌という有事が関わった時期の一時的現象、ということになる。平時においては、つねに r > g となり、格差は広がるのだ。

そして、ピケティが格差是正のために示す最善の策とは累進性の強い税率であり、国際協調のもと、すべての国で課税強化を行うべきだと言っているという。これにはピケティが理想とする社会像が現れており、それは簡単に言うと次のようなものである。

より多く稼ぐ者と、より多く資産を持つ(相続する)者から、より多くの税をとり、社会に再分配すべきだ、という理想像である。

 

こうして見てくると、なぜ「21世紀の資本」が売れているのかわかるような気がする。多くの人々がなんとなく感じている「格差拡大」について、膨大なデータと歴史的な視点を用いて明るみに引きずり出し、ノーベル賞という権威ある賞の受賞者の「格差は縮小していく」という理論を覆したというところが注目に価するからなのではないだろうか。

とりあえず、僕でもそんなことがわかるとてもいい解説書である。

やっぱり本体も読んでみようかな。 

21世紀の資本

21世紀の資本

 
【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!
 

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