[ま]たまには足を止めてじっくり考えてみませんか?「100の思考実験」@kun_maa
こんにちは!果たしてこれは倫理的に如何なものか?などと思索に耽るのが好きな男 @kun_maa です。
今回ご紹介する本はこちら「100の思考実験」
- 作者: ジュリアンバジーニ,河井美咲,向井和美
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2012/03/01
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 51回
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「これは『読む』本ではありません。『考える』本です」と帯に書いてありますが、期待を裏切らないそのとおりの本でした。
思考実験とは、科学実験と同じようにある事柄の特定の要因を切り取ってきて、その要因が、その要因だけでどんな違いを生み出すか検討することです。
思考実験として取り上げるのは、道徳、倫理学、環境、芸術、幸福、論理学など多岐にわたる問題です。
例えば、動物の肉を食べることに抵抗がある人は何に抵抗を感じているのか?もし家畜を遺伝子操作で自ら食べられることを望むようにしたら倫理的問題は解決されるのではないか?
或いは、患者を故意に死なせる行為が誤りならば、患者の死を防ぐために簡単な行為をしないことも同様に誤りなのではないか?
或いは、芸術作品は鑑賞する人に働きかけるから価値があるのか、それとも例え誰にも見られなかったとしても芸術作品の存在価値はあるのだろうか?
または、運の良し悪しでよい行いか悪い行いかが決まることはあるのか?
などなど、このような問いかけが100問題あります。
なかには、どこかで一度は目にしたことがあるような有名な思考実験も含まれています。
一問一章で構成されていて、全部で100章。
一章一章はとても短くて読みやすくなっています。
それぞれの章に著者による解説がついていますが、その解説は問題の解答ではなく、複数の選択肢を示して読者自ら考えることを求めています。
そこに正解はありません。
内容は非常にわかりやすく書かれていますが、読後も考え続けることとなる答えのない難しい問題です。
既成の概念や価値観を揺さぶられて、思考がビシビシ刺激される楽しい良本です。
たまには、こんな本で思考実験を楽しみながら、じっくりと腰を据えて深く考えてみるのも楽しいものですよ。
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