[ま]六本木「Two Dogs TAPROOM」はクラフトビールの種類が豊富なアメリカンなビアパブだった @kun_maa
六本木で「クラフトビール」と「犬」といえば、真っ先に思い浮かぶのは BrewDog ですが、その近くにもう一匹(いや、Twoだから二匹か)クラフトビールを出している「犬」がいます。そこが今回ご紹介する「Two Dogs TAPROOM」(トゥードッグス タップルーム)。
ちょっと薄暗い通りの先にある目立つ看板が付いているビルの二階がお店です。いかにもアメリカ人が好きそうな(偏見...)看板の雰囲気じゃありませんか。
遠くから見たらちょっと怪しげな店に見えましたが、階段付近は普通感があって安心します。看板に貼ってあるメニューは英語メインですが、下には日本語も書いてあるので大丈夫です。さあ階段を登りましょう。
二階に上がって店に入ったらそこはアメリカ。すでにカウンターがハロウィンです。
僕が訪れた時はカウンター席はガラ空き。テーブル席と吹き抜けの中3階(っていうのかな?)に団体客がいるようでした。
テーブル席の方が吹き抜けになっているのでとても天井が高く感じてすごく広い空間ではないのですが、圧迫感がありません。お客さんのほとんどはたぶんアメリカ人。
これが上に行く吹き抜け部分の階段。
上で騒いでいる団体は日本人のようでした。途中でグラスが割れる音がして何かが上からテーブル席に降ってきたので「うわっ!日米開戦か!」って逃げる心の準備をしましたが、下で飲んでいるアメリカンも酔っているのかほとんど気にしていない様子。おおらかなところがアメリカっぽい?
タップ数は全部で24タップあります。
写真には22タップしか写ってないけど、メニューは24種類あったのであと2つどこかにタップがあったはず。見落としました。
ビールの種類とサイズと値段はこんな感じ。六本木でこれならけっこう良心的なんじゃないでしょうか。半分以上が日本のクラフトビールですがアメリカやイタリアのビールもあります。
ところで、なんでメニューが2番からはじまっているのかを聞き忘れました。今度行った時に聞いておきます。
そしてこの2番の「六本木ペールエール」が Two Dogs TAPROOM のオリジナルビール。といってもここで醸造しているわけではなく山口県の醸造所に頼んで造ってもらっているとのこと。
オリジナルと聞いては黙っていられません。黙っていてもいいんだけど。当然「六本木ペールエール」をパイントで。
モルトの香りと旨味、ホップの香りと苦味がほどよく出ていてなかなか美味しいペールエール。苦味も強すぎず弱すぎずでちょうどいいです。こう書くとなんとなく無難な感じのビールに思われるかもしれませんが、ぶっちゃけ無難なビールです。特に冒険的なところはありませんがいい感じに仕上がっていて美味しいと思います。
目の前がハロウィンのかぼちゃ電飾で賑やかなこと...
料理はピザやステーキ、チーズフォンデュにアヒージョ、チキンウイングなど種類豊富に取り揃えていますが、ちょうど日曜日はピザが半額キャンペーン中だったのでひとりピザに決定。
トマトが苦手なことをお店の人に話して決めたのがこちらの「アンチョビ カラマタオリーブ ガーリック」ピザ。
これがもうすんげー美味そうです。アンチョビ好きなのでなおさら愛しい。
それにしてもひとりで食べるにはちょっとでかいよね。アメリカンだよね。
まあ僕のミサイルはアメリカンサイズな( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
2杯目は行く先々で売り切れてしまいなかなか飲むことができなかった埼玉の羽生ブルワリー「こぶし花 IPA」をパイントで注文。やっと出会えました。うれしー!
それにしても後ろのパンプキンランプのせいで、どのビールの写真もオレンジ色っぽくなっちゃうな。
アメリカンタイプのIPAを想像していたら、どちらかというとイングリッシュスタイルのIPAなんですね。柑橘系の爽やかさはないけどモルト感と華やかなホップの香りと苦味が味わえるとてもマイルドで飲みやすいIPAでした。
そして3杯目。アメリカの Lost Coast というブルワリーの「Watermelon Wheat Ale」を選んでみました。
ウィートエールなので小麦麦芽を使ったエールなのですが、香りがほとんどスイカアイスです。小麦感なんてよくわかりません。
アロマはそれほどきつくなかったのですがフレーバーもうだめ。スイカ果汁を使用しているということだったけど本当かな?って思うほど人工的なスイカ味。水で何回口をすすいでも風味が残ってしまい困りました。クラフトビールを本格的に飲み歩くようになってはじめて「失敗したー!」って思いました。
これくらい個性的なビールだと大抵の場合、注文するときにお店の人が心配して試飲させてくれることが多かったのですがアメリカンなビアパブは細かいことは気にしないのかもしれません。
いつまでも口に残るスイカ味にすっかりまいって3杯で退散です。次回は地雷を踏まないように気をつけようっと。
BrewDog からは歩いて5分ほどのところなので、スコットランドとアメリカのクラフトビールをハシゴするなんてのもいいかもしれません。
関連ランキング:ダイニングバー | 六本木駅、六本木一丁目駅、麻布十番駅
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[ま]Instagram で日本の国立公園公式アカウントが開設されてほぼ半月/フォローしてると荒んだ気持ちが癒されるかも @kun_maa
訪日外国人旅行客を増やすぜー!と叫びはじめてかなり経っているのに何を今さら感がなきにしもあらずなのですが、環境省自然環境局が2016年10月3日から Instagram に国立公園の魅力を発信するための国立公園公式アカウントを開設して半月あまりが過ぎました。
10月18日現在のフォロワー数は「623」と国立公園の魅力を発信するための国の公式アカウントとしてはちょっと寂しいかなって感じです。
写真は国立公園で働くパークレンジャーさんたちが撮影したものが1日3枚ずつ投稿されています。
でも土日祝日は担当職員さんがお休みのためか投稿はありません。個人のアカウントではなくお仕事なので残念ながら更新は平日限定。
現時点ではまだ33枚の投稿しかありませんが、ざっと見ただけでも国立公園の魅力を伝えるのに十分魅力的な写真があるよなあと思います。
まあ僕基準なんでたかが知れてるかもしれませんが、これを見るであろうと想定される外国の人たちもきっと素人でしょうから魅力が伝わるのになんら問題はないかと。
例えば、大山隠岐国立公園の三度崎とか。
同じく大山隠岐国立公園のロウソク島とか。
慶良間諸島国立公園のチービシ クエフ島なんて「マジ日本っすか?」なんて思ったりなんかして。無知ですいません。
環境省が Instagram のアカウントを開設した本来の目的は、外国人観光客誘致のための「国立公園満喫プロジェクト」(名前がちょっと...)を推進するためのようですが、個人的には自然豊かな国立公園の写真を時々眺めながら荒んで落ち込みがちな気持ちを癒しています。
環境省はフォロワーの伸び悩みに若干焦っているようですので、せっかく立ち上げたんだから1日3枚とかセコイことを言わずにガンガン更新して、世界中の人の目に触れるといいなって思います。
とりあえず気になった人からフォローしてみませんか。
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[ま]浦和の「CRAFT BEER BABY!」のクラフトビールが美味しくて飲み耽る日々 @kun_maa
相変わらずクラフトビールにハマっています。
最近ではスタバやラーメン屋からも足が遠のいてビアバー巡りの日々。肝臓が悲鳴をあげる日も近いかもしれません。
初めて行ったお店を紹介するのは書きやすいのですが、行きつけの店を行く都度書いているとなんだかしつこくなりそうでついつい書かずに溜め込んでしまいます。
ブログに書くことはビールやお店の紹介をする目的の他に、自分が飲んだビールの記録も兼ねているので、今日は記録として「CRAFT BEER BABY!」で飲み耽ったビールを振り返ります。
こういう時には飲みながら書いている感想の詳細なメモが役立ちます。メモと写真がないとあっという間に忘れちゃいます。
まずはアウトサイダーブルーイングの「サンセットゴールデンエール」から。特にサイズを書いていない場合は全てパイントです。やっぱり基本はパイントでしょ。
マンゴーや柑橘系の入り混じったフルーティーなアロマとマンゴーっぽいフレーバーがしてとても飲みやすい。爽やかで美味しいゴールデンエールです。苦味も適度にあってキレがいいということで、メモには「アウトサイダーのビールでは一番好きかも」って書いてありました。すっかり忘れていたけど...
つまみは「牛もも肉のたたき」。柔らかくて肉の旨みがたっぷりと詰まっています。タレもさっぱりとしていて牛もも肉の味わいを引き立ててビールによく合います。
全部独り占めできるのがひとり飲みの醍醐味。考え方がセコくてすいません。
お次は同じくアウトサイダーブルーイングの「トリペル」。ベルギーの修道院ビールのスタイルです。
先ほどのゴールデンエールと比べると色はかなり濃いめで、マンゴーを思わせるアロマとフレーバーもかなり強め。アルコール感はけっこう感じますが、ほどよい酸味もあってとても美味しいです。軽くすいすい飲めるタイプではないけどその濃厚なフルーツ感のためにかなり飲みやすいので、ゆっくりと飲まないとヤバいやつ。アルコール度数8% だけどそれ以上にガツンと効いてくる感じがします。これはクセになる美味しさ。
こういう濃厚なビールにはおすすめDELI の3種盛合わせ!選んだのは「きまぐれポテサラ」「ハーブ鶏ハム」「クリームチーズの味噌漬け」です。
これってその日のDELIメニューの中から好きなものを3種類選べるのですが、個人的にはこの組み合わせが最強だと思っているので CRAFT BEER BABY! に行ったらぜひ注文してほしい。
ビールと並んだ姿も美しい。これも独り占めできるのがひとり飲み(ry
そして3杯目は同じくアウトサイダーブルーイングの「ビターラガー」
以前飲んだことがあるんだけど、その時よりも苦味が強めな印象。しっかりとしたコクは健在で初めて飲んだ時よりも、よりビターラガーという名前にふさわしい美味しさを感じました。僕の舌がよくなったのかアウトサイダーの状態がよかったのかはわかりませんが。
続いて、いわて蔵ビールの「オイスタースタウト」。これは以前から気になっていたビールです。ようやく出会えました。
もともとはイギリスで19世紀末に醸造されていたビールとのこと。牡蠣の身と殻を使っているそうです。オイスターとか名前に入っていると牡蠣の匂いでもするのかと期待しましたがそんなキワモノではありませんでした。まるでコーヒーのような焙煎香がとても気持ちよく口の中に広がります。そして飲み終わった後にほんの少しだけ牡蠣の風味を残り香のように感じた気がしました。濃厚だけど飲みやすいスタウトだと思います。
そして〆はあまりにも美味しかったサンセットゴールデンエール。やっぱりアウトサイダーで一番好きなビール決定!苦味を抑えたIPAって感じのホップのさわやかさがたまらんです。
さて、ここから別の日。
まずはベアードブルーイングの「沼津ラガー」から。
ほんのりとモルトの甘味を感じるエールのような風味。とてもまろやかなラガーです。苦味はけっこうあるけど嫌な残り方はしないので飲みやすいと思います。
つまみには、いつもお店のFacebookで写真が公開されていて非常に気になっていた「牛ハラミステーキ」を注文。
やっぱり美味しいクラフトビールには美味しい肉だよねー。
2杯目はアウトサイダーブルーイングの「スコティッシュスモークエール」。
とにかくスモーキーなビール。グラスを鼻に近づけるとすぐにわかるスモークのアロマと口いっぱいに広がるスモークのフレーバー。控えめに広がる心地よい苦味。それがスモーキーさにちょうどあっている気がします。ステーキとの相性はバッチリ。以前飲んだ時はわからなかったかすかに感じる酸味もアクセントになっていい感じ。
そして3杯目はベアードブルーイングの「帝国IPA」。スコティッシュスモークエールと同じく CRAFT BEER BABY! で以前飲んだことがあります。
ホップのしっかりとした苦味と爽やかな香りがとてもいい。しっかりとしたコクと重た目のボディにガツンとくる苦みが"帝国"らしいところ。アルコール度数はそれほど高いわけじゃないけどじっくりと飲みたくなる味わいです。
しばらくメニューから消えていた「きゅうりのアンチョビソース和え」が復活しているというのでたまらず注文。これ美味しいんだよなあ。
4杯目は誘惑に堪えきれずにアウトサイダーブルーイングの「トリペル」を。
やっぱり美味しい。マンゴーのようなフルーティーなフレーバーとほどよい酸味。アルコール感はかなりあるんだけどほんとクセになる美味しさです。ボディは重たくてちびちび飲む感じですが、逆にごくごく飲んだら倒れます。
この日は「肉が食いてー!」って気分だったようで「三元豚バラのハーブ岩塩焼き」もガッツリといただきます。これがまたビールに合うんだよねー。ハーブと岩塩でサッパリ仕上げているんだけどバラ肉の脂の甘さもいい感じで。
〆はベアードブルーイングの「黒船ポーター」。
焙煎香のとてもいい匂いとビターチョコのような苦味とコクがまったりとして美味しいポーター。最後にじっくりと飲むのにふさわしいと思います。
さらに別の日...
1杯目はブリマーブルーイングの「カリフォルニアコモン」。
これはラガー酵母をエールの発酵温度で発酵させたもの。歴史的にはアメリカのゴールドラッシュの時代にまでさかのぼる「スチームビール」と呼ばれていた種類のビールです。典型的なラガーよりもモルト感とフルーティーな香りが印象的。苦味はそれほど強くないのですが意外と後を引きます。後味さっぱり苦味残し...って感じで夏にグイグイ飲みたいビールですね。
つまみは「焦がし玉ねぎと黒オリーブのピザ」にしました。CRAFT BEER BABY! の定番料理のひとつ。土台サックサクで焦がし玉ねぎの甘みと旨みがオリーブとマッチしてたまらん美味さです。ビールのつまみに最高。
ひとり飲みの至福のひととき...もうたまらんです。
2杯目は大好きな BrewDog の「デッドポニークラブ」。
アメリカンスタイルのセッションエールなので、とても爽やかな柑橘系のアロマとグレープフルーツのようなフレーバー。苦味もほどよくてホップの効いた爽やか系のエールが好きなら迷わずおすすめ。
3杯目はスワンレイクビールの「ホワイトスワンヴァイツェン」。
アロマはそれほど強くはなかったけど、口に入れた途端に広がるバナナのようなフレーバー。これが適度な酸味と合わさって酸っぱいバナナのジュースのような風味が炸裂。普通のヴァイツェンよりもスッキリと飲みやすいかもしれません。これはこれで美味しいです。僕は好きです。
もうちょっとなんかつまみたかったので「鶏ササミのたまり醤油漬け焼き」を追加。
肉自体にしっかりと味が付いているのでそのままでも美味しいのですが、ワサビをちょっとつけるとさらに美味しくいただけます。
まあこんな感じになりますわな。幸せタイム。
この日の〆はベアードブルーイングの「シングルテイク セッションエール」。
ベルギー酵母特有の香りとモルトの旨味が美味しいセッションエール。爽やかで飲みやすく軽い味わいが魅力的です。飲み進めるほどに軽くフルーティーな感じも出てきて、以前飲んだ時よりも美味しいなって思いました。
これでようやく3回分。本当は溜まっているのを全部書こうと思ったのですが、ちょっと長くなってしまったのでそろそろ力尽きそうです。
この続きはまたそのうちに。ほんと書くよりも飲んでいる時間が長くて全然追いつかないってちょっとハマりすぎだ...今年の人間ドックが楽しみです。
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[ま]プミポン国王陛下の死去でタイ人はみんな悲嘆にくれていると思ったら... @kun_maa
昨夜急に飛び込んできたタイのプミポン国王陛下ご逝去のニュース。
実は日本のニュースで流される少し前にタイ人から王様が亡くなったとの知らせを受けました。
まだテレビのニュースで流れていなかったので本当かよ?って疑ったら出所不明なこんな写真まで送りつけてきました。
そして日本の夜9時のニュースで大々的に国王逝去のニュースが流れ、本当なんだ...って思ったらなんだかタイ国民でもないくせに涙がポロポロと溢れて泣けてきて。
ニュースで取り上げられるのも「悲嘆にくれるタイ国民」とか、王様のこれまでの偉業を紹介する映像ばかりが取り上げられているので、そんなニュースばかりを見て胸熱になりますます泣いていたら、最初に知らせてくれたタイ人の友人からは何故か「全然悲しくないよ」「泣くことないよ」ってメッセージが送られてきました。
その友人から連絡が来たのはものすごく久しぶりで、過去には王様のことを尊敬しているように見えたし、悪口を言ったことなんてなかったのに、亡くなった途端にいわゆる「14ตุลา(血の日曜日事件)」や「6ตุลา(血の水曜日事件)」での多くのタイ国民に対する虐殺への国王の関与を匂わせ、そのようなことが写真付きで述べられているFBページを見るようにURLまで教えてくれたのですが、残酷な写真のオンパレードと文字が全てタイ語だったので今後の課題とすることに決め、そっ閉じしました。
また、まだまだ貧しいタイ国民が多い中で多大な財産を持ち、贅沢な暮らしを続けてきた王室への批判とも言える厳しい意見を力説してきました。
さらにタイの高僧の占いでは10番目の国王は現れないという噂もあるとか(亡くなられたプミポン国王は現王朝第9代の国王)。
あれ?これってもしかしてタイのアンダーグラウンドな政治組織へのオルグですか?久しぶりの連絡が政治や宗教活動へのオルグとかありがちすぎて笑えないぞ。
僕も以前から王位継承権第1位のワチラロンコン皇太子に対する国民の人気がないことや、シリントーン王女の方が人気があること、プミポン国王が亡くなった時には王位継承権をめぐってそれぞれを持ち上げる勢力によるクーデターが起こるのではないかなどというタイ人の噂話や、タイには王室の権威を守るための秘密組織があるというある国の元駐タイ大使館職員の話などは聞いていましたが、プミポン国王や王政に対する批判を直接タイ人から聞かされるのは初めてでかなり驚きました。
まあ、それでもよくよく考えてみればタイには不敬罪があって国王や王室批判は犯罪として取り締まられる状況ですし、批判的な意見が公に聞こえてくることはなくて当然なのかもしれません。
その友人はタイ国内だけに住んでいるタイ人は何もわかっていない。外国に暮らしたことがあるタイ人しか本当のことを知らないという意味のことを言っていました。
もしかすると外国人である僕が思っている以上にタイ国内での国民に対する情報統制と王室崇拝プロパガンダは巧妙なのかもしれませんし、その友人が特定の政治的思想にかぶれているだけという可能性も否定できません。まあ本当に誰も国王や王室に対して不平や不満がなければ不敬罪で取り締まる必要はないわけでそこは察し(ry
個人的には黄色やピンクの階級闘争みたいな争いはあっても、プミポン国王に対しては完全なる一枚岩であると思い込んでいたタイ人が実はそうでもないのかもしれないっていう当たり前といえば当たり前のことを感じた次第。
いずれにしても、プミポン国王陛下が亡くなったことでタイは新たな局面にさらされることになるのは間違いないでしょう。
このまま喪に服してなんとなく日々が過ぎていくのかもしれないし、軍がさらに強力な権力を握ることになるのか、王位継承をめぐって争いが起こるのか、軍政権下で民主化運動が活発化してまた「血の◯曜日事件」なんて事態に発展するのか、はたまた王政が廃止されるなんてこともあるのか、何が起こるのかは全く想像もつきませんが混乱や争いでタイ国民の血が流れるようなことがないことを祈るばかりです。
久しぶりに連絡をくれた友人も過激な活動に関わらないことを願っています。そして間違っても僕をヤバい政治活動に巻き込まないでくださいな。
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[ま]トビウオとんだ @kun_maa
就職したばかりの頃、カヌーにハマっていたことがある。
カヌーといっても競技用のものやリゾート施設にあるようなポリエチレン製やFRP
製のカヌーやカナディアンカヌーと呼ばれる小舟のようなカヌーではない。
折りたためる木製の骨組みとビニール製の船体布で出来た一人乗りのファルトボートと呼ばれるものだ。これはバラして自分で背負って運べる優れもの。
幾つかの川や海辺に毎週のように僕はファルトボートを担いでいって、水の上を滑らかに漂いながら、意外なほどの水面からの視線の低さと自由を満喫していた。
そんなある日、大学時代に探検部に属していた友人と前泊日帰りのツーリングに出かけた。行き先は静岡県の熱海。
熱海から初島に渡り、伊東に向かおうというもの。
熱海の浜辺では漁師さんから「浜に泊まってもいいけど絶対に港から出発するな」と釘を刺された。その港から出港したとなると、事故が起きた時に問題になるのだそうだ。
前日の夜は浜辺で焚き火をしながら酒をかっくらい、語り合い、歌い、ブルースハープを奏でたりしながら馬鹿騒ぎして過ごした。
すでに大学は卒業し、お互いに就職していたけどこれって青春じゃね?...なんて青臭いことを思いながら楽しんだものだった。
もちろん翌朝は二日酔い気味のふらふら状態で、それでも律儀に港ではなく砂浜から出航した。
快晴の海原は凪いでいて波もほとんどなく快適この上ない。ほぼ水面と同じ高さの視線の先には初島が思ったよりも近く見える。まあ近く見えるだけでやっぱりそれなりに遠かったのだけど。
二艘並べての人力船旅は、経験豊かな友人からいろいろ教わることも多く、自己流でやってきたカヌー技術を向上させる意味でもとても有意義で楽しいものだった。
これまでのカヌー旅の中でも最も楽しかった思い出のひとつである。
初島を後にし、多少疲労感が目立ちはじめた伊東港への帰路のこと。僕の顔の横を水面すれすれに何か光るものがすごいスピードでとんでいった。そしてそれはひとつでは終わらず次々に続いた。
トビウオだった。トビウオって本当にとぶんだなってそのとき初めて知った。
知識としては知っていたけど体験として初めて理解できたということ。
僕らはトビウオの群れの上にでもいるのだろうか。次々と水面をとんでいく羽を広げた流線形の銀色に輝く生き物に圧倒されて、カヌーを漕ぐ手を止めて彼らの姿に魅入っていた。
あれからもう25年以上が過ぎた。僕の部屋の押し入れには今でもあのときのファルトボートがしまってある。もう全体が劣化してしまって乗れる状態ではないが捨てられずにいる。
そして僕はいつかまたあのころのように自由に海に漕ぎだしたいと思い焦がれながら、時々トビウオが水面をとんでいく夢をみる。
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[ま]書くことについて(スティーブン・キング 著)を読んで @kun_maa
あのスティーブン・キングが書いた文章読本である。
モダンホラーの巨匠にして稀代のストーリーテラーであるキングが綴った小説の書き方についての本がおもしろくないわけがない。
小説の書き方についての技術的な本であるのと同時に、本書は「書くこと」について彼の体験を通して得てきた考え方を述べている本でもある。
したがって、はじまりは彼の貧しい子供時代から売れない不遇の時を経て、ベストセラー作家になるまでの半生の回顧録ともいうべき内容となっている。
自伝とか回顧録なんてのは調子のいいことばかりが自慢げに書かれているとうんざりするものだが、そこはやはりキングである。ユーモアたっぷりに、時に自虐的にそして辛辣な表現を用いながらも誠実に語りかけてくる文章にどんどん引き込まれていく。
僕はキングがアル中でジャンキーだったとは本書を読むまで知らなかった。しかもアルコールとドラッグに溺れながらも「シャイニング」や「ミザリー」、「クージョ」などの傑作を書いていたとは驚かされる。
そんな自分の醜態すらもキツい表現を交えながら読者を楽しませてくれるサービス精神旺盛なキング。更生できて本当によかった。
作家であるかどうかは関係ない。ヤク中は単なるヤク中でしかなく、アル中は単なるアル中でしかない。作家であれ誰であれ、どこの馬の骨とも知れないヤク中やアル中と分けて考えなければならない理由は何もない。鋭敏すぎる感受性を鈍らせるためにドラッグやアルコールが必要だというのは、自己弁護のための陳腐な戯言でしかない。
文章を書くために必要なスキルについて、またストーリーやテンポの捉え方や推敲の大切さなどについて述べる段になると、具体例を多く挙げながらやはりスパイスのたっぷりと効いた言葉を織り込みつつ決して攻撃的で嫌味な感じにはせずに、ユーモアたっぷりにやさしく語りかけてくるのもとても魅力的だ。
大切なのは受動態や副詞の多用で格好をつけた文章を書くことではなく、余分なものをそぎ落としてシンプルに書くことであり、書くことの基本単位はセンテンスではなくパラグラフであり、プロットなんぞに気をとられずに登場人物に息を吹き込み自然にストーリーができていくようにすることである。他にもあるけどあとは実際に本書を読んでキングの言葉に触れてほしい。
書くことを生業にするために必要なことはすべて書いてあると言っても過言ではない。こういう表現はキングに言わせれば失格なんだろうけど。
冷静にやさしくわかりやすく書かれている本書だが、時折見せる「書くこと」に対する想いはとても熱い。
ものを書くときの動機は人さまざまで、それは焦燥でもいいし、興奮でも希望でもいい。あるいは、心のうちにあるもののすべてを表白することはできないという絶望的な思いであってもいい。拳を固め、目を細め、誰かをこてんぱんにやっつけるためでもいい。結婚したいからでもいいし、世界を変えたいからでもいい。動機は問わない。だが、いい加減な気持ちで書くことだけは許されない。繰り返す。いい加減な気持ちで原稿用紙に向かってはならない。
そして、作家になりたいのなら絶対にしなければならないこと。それはたくさん読んでたくさん書くこと以外はないと言い切る。その代わりになるものも近道もないのだ。
「書くこと」に対する熱い思いや、やるべきことを丁寧に綴りながらもその言葉に説教くさいところはない。ベストセラー作家でありながら(だからこそ)、上から目線で偉そうに語らないキングの文章は心理的にもスッと入りやすく分かりやすい。
最終章で語られるが、彼は本書の執筆中に交通事故で死にかけている。
そしてその生死の境をさまよった経験からあらためて書くことの意味について次のようにその思いを真摯に述べている。
ものを書くのは、金を稼ぐためでも、有名になるためでも、もてるためでも、セックスの相手を見つけるためでも、友人をつくるためでもない。一言でいうなら、読む者の人生を豊かにし、同時に書く者の人生も豊かにするためだ。立ちあがり、力をつけ、乗り越えるためだ。幸せになるためだ。
前半で「ものを書くときの動機は問わない」としていた彼の心境を変えてしまうほどの臨死体験とそれを乗り越えてきたからこそ書ける言葉が心に刺さった。
小説家になりたい人はもちろん、そんな気はさらさらない人でも一気読み必至なおもしろい文章読本だった。
スティーブン・キングのファンはもちろん、そうではない人にもおすすめである。
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