[ま]映画「アンフェア the end」(ネタバレなし)/さらば雪平夏見...好きだったんだ「バカかお前は」 @kun_maa
アンフェアのファンとしては早くみたいような、先延ばしにして欲しいような不思議な気持ちで迎えた映画「アンフェア the end」の劇場公開。
とうとうこれで完結なんですね。
最新予告編が公開された時には、まだ先のことだと思っていたのにあっという間に夏が終わり、ついに観てしまいました。アンフェアの結末を。
テレビドラマから始まって、10年にも及ぶこのシリーズはドラマから映画へと、次々と謎がつながっていきました。
雪平夏見(篠原涼子)の父親殺しを追っていったら、とんでもないものが出てきたといった様相を呈してきて、どう決着がつくのかと楽しみにしていましたが、これまでの映画作品「アンフェア the movie」や「アンフェア the answer」のように謎を残したままモヤっと終わることもなく、完全に終わったのです。
そう、雪平夏見の父親を殺した犯人もわかるし、前作の「the answer」で手に入れた警察や検察、裁判所までをも巻き込む一大スキャンダルの機密データについても機密ではなくなります。
この作品がこれまでテーマとしてきたものは、ズバッとスッキリ、丸っと全ての結果が明らかになり、本当に完結です。
このシリーズの特徴でもある「誰が味方で誰が敵か」わからないというギリギリの選択の中で、信じてきた人々に裏切られ続けてきた雪平夏見は、今回も登場人物たちに翻弄されます。
それでも、今作の雪平は裏切りによる復讐の連鎖を自分が断ち切ろうとしたりして、それはそれでこれまでとは違う切なさを感じました。
これまでの表面的な強さを見せつける雪平夏見に感じた切なさとは別の、内面から自然に滲み出てくるような本当の切なさね。
雪平を取り巻く人間模様については、前作で自殺したはずの一条(佐藤浩市)や、同様に裏切り者であることが判明した薫ちゃん(加藤雅也)などが、意表をつく行動に出たりして、いい味を出しているほか、レギュラーメンバーである山路(寺島進)はもとより、小久保(阿部サダヲ)までもがかっこよかったりするので、そういう意味では最後まで飽きさせません。
ただ、完結編ということでこれまでの謎を明かし、結末まできっちりと納めるという難しさはあったのかとは思いますが、謎の組織がかなりの闇を抱えた大掛かりなものであるという設定を見せつける割には、雪平の持つ機密データを奪うことに汲々としすぎて、実際の行動に対してその辺のヤクザか?って思ってしまうようなセコさを感じてしまうのは僕だけではないでしょう。きっと。
組織としての行動がけっこうボロ出しまくりだし。巧妙なんだか雑なんだか、巨大組織なんだか極一部のつまらない組織なんだかと設定がぶれているようで、あまりにもお粗末な感じは否めませんでした。そこはホント残念だったなあ。
今回初登場で、キーパーソンともなる津島を演じた永山絢斗って、以前安藤を演じた瑛太の実の弟なんですね。全然知らなくてやけに似ているから、そこになにか重大な罠があるのでは?なんていろいろ考えちゃったけど安藤絡みネタは何もありませんでした。ただ、永山絢斗に瑛太と同じ「雪平さんは無駄に美人ですね」って台詞を言わせて、雪平の「バカかお前は!」っていうやり取りには、うはー!って萌えちゃいましたけど。
制作サイドのサービスですか?サービスですか?
一度でいいから僕も言われたい(*≧艸≦) いや、変な意味じゃなくてね。ホントに。
今回も一番の見所は、やはり裏切りと裏切らない人物の見極めと騙される爽快感でしょう。ストーリー的にはなにかの大事件があって云々ではなく、雪平と秘密組織の決着のドラマなので、これまでの経緯がわかっていないと全然おもしろくないと思います。
さっき書いたように組織の描き方もブレてますし。
良くも悪くも、アンフェアのファンのための総決算的作品です。
長かった謎は全部明らかにされているし、雪平は相変わらずかっこよかったし、アンフェアのファンは観ないと後悔すると思いますよ。
そうじゃない人は観なくても、全然OKな映画です。
ちなみに、「アンフェア」気になるけど今までの作品を全部観るのはめんどくさいなあって人向けに、公式ホームページにこれまでの作品の概要とネタばらしをしているコーナーがあるので、そこを読んでから観に行くとたぶん楽しめると思います。
でも、僕はずっと雪平夏見が好きだったんですよ。
もう「バカかお前は」って聞けないと思うととても寂しいです。
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