[ま]香りと記憶/HERMES(エルメス)「ナイルの庭」 @kun_maa
目や耳から入ってくる情報と記憶の結びつきってかなりストレートな感じがします。
見た瞬間、聴いた瞬間にパッとつながる記憶の数々。
それに比べて香りと記憶の結びつきはもっとボヤッとしているというか、ワンクッション置いたような感じがしませんか。最初は微かな繋がりなんだけど、フッと記憶がよみがえるような感覚。
だからなのかもしれないけれど、僕は目や耳から入ってきて残った記憶よりも、香りと結びついた記憶が好き。そのつながりは儚くて消えてしまいそうだけど、匂いでふわっとひらけていく記憶が好きです。
一言で香りといっても様々な香りがあります。
雨上がりの街の香りや、人混みの香り、森や海や川や職場や料理や酔っ払いや友人や憎い相手や彼女や自分の香りetc.
ある匂いでふわっとよみがえる楽しい記憶もあれば、ある匂いで無理やり引きずり出される傷だらけの記憶もあります。
だから、古い記憶を封じ込めて新しいスタートラインに立つには、新しい香りを積極的に利用するのもひとつの手段として有効だと思います。
そんなことを考えながら歩いていたら、珍しくHERMES(エルメス)の入口で香水を紹介する声かけをしていました。いつもは高級感と静けさが似合う店先なのに。
誘われるまま店内に入り、いくつかのフレグランスをテイスティングしました。
エルメスはご存知のとおり超高級店なので、今までまったく縁がなくて、この歳になって初めて入りました。緊張を気取られないようにビクビクしながら。
メンズからいくつかとユニセックスからいくつかテイスティング。名前なんて説明してもらったけどメモするわけにもいかず、やっぱり緊張しているので覚えていません。
この情けない経験も、ひとつの香りの記憶になるんだろうな。
そしてここでとても心安らぐ香りに出会いました。テイスティングした瞬間に心が震えました。いやいや、大げさではなくマジで。これだ!って感じ。表現が貧素すぎて泣けるけどさ。
これは購入したのでもちろん名前がわかります。
「ナイルの庭」(UN JARDIN SUR LE NIL)というオードトワレです。
聞くところによると、エルメスのオードトワレには「庭園のフレグランス」と呼ばれるシリーズがあり、「屋根の上の庭」や「地中海の庭」などいくつかの「庭」がつく香水があります。そのなかでも、一番人気がこの「ナイルの庭」だそうです。
どこかで嗅いだことがあるようなちょっと懐かしさを感じる香り。それなのに新鮮っていう矛盾を感じながらも心惹かれる香りです。
柑橘系の爽やかでフルーティーな香りのトップに、落ち着いて安らいだ気分になる草っぽいミドル、そして上品で癒されるウッディな香りのラストと最初から最後まで僕にとってはドストライクな香水です。
僕は相変わらず香水に関してど素人なので、成分とか見てもさっぱり意味がわからないのですが、説明書によると次のようなものです。
グリーンマンゴー、ロータスの花と芳香を放つイグサの香りが、インセンスやシカモアウッドと溶け合い、芳醇できらきらと輝く命と光のフレグランスが誕生しました。
どの香りがグリーンマンゴーなのか、イグサなのか、はたまたシカモアウッドとは何なのかさっぱりわかりませんが、とてもいい香りに癒されることは確かです。
全体の香りのバランスの良さに気がついたのは購入後ですが、お店でトップの香りを気に入って購入してよかったと思います。
また、ここから新しい香りと記憶が始まります。
エルメスの製品としては安いほうだと思うけど、やっぱり高いです。厳しいです。完全にストレスを浪費で誤魔化しているのがわかります。
それでも心の安定はプライスレス。今はバカみたいに金でも使って日本の景気回復に貢献します!まあ、貢献できるほどお金持ってないけどね。
部屋にこもって1日中嗅いでいたいくらい好きな匂いですけど、それをすると引きこもりの記憶とこの香りが結びついてしまうので考えものです。
エルメス ナイルの庭 50ml(並行輸入品) 【HTRC3】
- 出版社/メーカー: エルメス
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エルメス ナイルの庭 30ml(211008024) 【HTRC3】
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