「毎日ブログを書いてるよね」と彼女は言った。
「うん。そうだね」と僕は答えた。
「ブログを書くのは仕事なの?」
「仕事じゃないよ」
彼女は不思議そうに僕を見つめてこう言った。「なんで毎日ブログを書くの?」
言葉に詰まった。
なんで僕は毎日ブログを書くのだろう......
「書くのが好きだから、かな」そう答えたものの、彼女の表情は納得していない。
僕自身も自分の答えに違和感を感じている。
グラスのバーボンを飲みながら目を閉じて考える。
書くことが好きなだけじゃないな。読んでもらうことも好きだからだ。
自分の書いた物を読んでくれる人がいて、たまにだけど意見をもらったり、共感してもらえたり、批判されたり、そんなことも好きなんだろうな。
一度そういううれしさみたいなものを知ってしまうと、また何か反応してもらえるんじゃないだろうか、共感してもらえるんじゃないだろうかって期待してしまう。
それが楽しくて毎日書いているのかもしれない。
ほとんどは何の反応もなく、ネットの海の中に静かに埋もれていくだけなんだけど。
例えとしてはどうかと思うけどパチンコで大当たりした経験が忘れられずに、負けても負けてもパチンコ通いをしてしまうような感じ。
ブログで大当たりしたことはないけどさ。
もしかしたら、僕はブログ依存症なのかもしれないなって思った。
自分が書いたものを読んでくれる人がいて、うまくすれば反応っていうご褒美がもらえる。そのご褒美で満たされない生活の穴を埋めようとしているのかもしれない。
でもそれだけじゃないんだ、それだけが理由じゃないんだよなあ。
うまく言えないけど。
頭の中にモヤモヤが残る。
そんなことをボーッと考えていたら、彼女が僕の肘をつついてこう言った。
「だから、なんで毎日ブログを書くの?」
咄嗟に思い浮かんだ「君が毎日読んでくれるからだよ」ってそんな陳腐な言葉を飲み込んで僕は静かに彼女の額にキスをした。
僕はなんで毎日ブログを書いているんだろう。
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