[ま]万里の長城遭難事故について思うこと @kun_maa
中国河北省の万里の長城付近で、登山ツアーに参加した日本人旅行者3人が死亡するという痛ましい事故がありました。
連日、事故当時の状況や主催した旅行会社のずさんな安全管理体制について報道がされています。
特に、主催した旅行会社については、2009年に北海道大雪山系トムラウシ縦走ツアーで8人が凍死した事故も起こしており、会社としてツアーの安全管理体制に問題があると言わざるを得ないでしょう。
今回事故のあったツアーは、9日間の日程で万里の長城周辺100キロを歩くというものだったそうです。
その場所は、万里の長城のなかでも観光名所として知られている部分からは離れた場所で、普段は中国人もあまり訪れることのない、道がはっきりしなかったりする寂れた場所だと報道されています。
また、今回は近年まれに見る大雪だったという不運も重なっています。
僕は亡くなられた方たちは非常に残念なことだと思いますし、彼らを誹謗中傷するつもりはまったくありませんが、そのようなちょっと普通の観光旅行ではなくそれなりの装備や体力が必要となる場所へ行くことについて彼らはどのくらい真剣に考えていたのかなと思うのです。
事前に行き先について下調べを十分にし、装備や体力面での準備をしていたのでしょうか。
ガイド付きのツアーということで、ガイドに任せていれば大丈夫だなんて考えていたのではないでしょうか。
そうでなければガイドが携行している装備が1人用の簡易テント1つだけだなんて状況をおかしいと思わないことが不思議です。
たとえ、今回ツアーを主催した旅行会社がこのツアーについていいかげんな情報を参加者に与えていたとしても、自分が参加する以上、申し込み前にツアー内容や旅行会社について調べるのが当然のことじゃないかと思うのです。
そして、参加した後もガイドの準備の状態や天候の判断などについて自分の問題として真剣に考えていたのかどうか不思議で仕方ありません。
もしそんなことすらしていなかったとしたら、例えは不適切かもしれませんが、まるで悪徳業者の儲け話に簡単に騙されるお年寄りのようなものです。それも、騙されて奪われるのは金じゃなくて命。
海外で、しかもその内容は限りなく登山に近いものであるにもかかわらず旅行会社とガイドに任せておけば大丈夫と、思考停止状態でツアーに参加していたとしたら、その態度こそが問題なんじゃないかと思います。
そもそも、ガイドがいなかったとしても自力で行けるような場所だったのでしょうか。
僕は、ガイドなしで自力で行ける自信がなければ、そういう人はそういう場所に安易に行くべきではないと思っています。ガイドはあくまでもサポートあるいはその旅を豊かにするためのものであって、その場での行動や判断は本人の自己責任で行うのが当然だと思います。
中高年者の海外旅行や登山ブームはかまいませんが、自分の頭でしっかりと考えて、自分の力だけでも行ける場所なのかどうか判断する力が必要なのではないでしょうか。
今回主催した旅行会社の安全管理体制には問題があると思うし、責任は重いと思いますが、旅行会社だけの責任で済ませるのではなく、参加者の自己責任と危機管理意識についてもあらためて考えるべきなのではないでしょうか。
そこが抜けてたら、そのうちまた同じような事故が起きるだろうし、海外で見かける危なっかしい人たちも減らないよななんてことを今回の事故についての一連の報道を見ながら思ったのでした。
亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに今回の教訓が今後に活かされますように。