[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。

[ま]映画「プリズナーズ」(ネタバレなし)/ヒュー・ジャックマンとジェイク・ギレンホール共演の秀逸なミステリーだけど... @kun_maa

2014年5月日本公開のアメリカ映画。

ヒュー・ジャックマンジェイク・ギレンホールの有名どころふたりが共演。

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娘を誘拐された父親が容疑者を捕らえ、常軌を逸した方法で娘を助けようとする問題作としても話題になった作品である。

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ストーリーは公式サイトから引用してみよう。

平穏な家庭を突如襲った少女失踪事件。

これは、父親ならば当然の"愛"なのか?モラルを越えた"狂気"なのか?

ペンシルヴェニア州で小さな工務店を営むケラー(ヒュー・ジャックマン)の幸せに満ちた日常は、何の前触れもなく暗転した。

感謝祭の日、6歳の娘アナがひとつ年上の親友と一緒に外出したまま、忽然と消えてしまったのだ。まもなく警察は青年アレックス(ポール・ダノ)を容疑者として拘束するが、自白も物証も得られず2日後に釈放。

刑事ロキ(ジェイク・ギレンホール)の生ぬるい対応に不満を隠せないケラーは、アレックスがふと漏らしたひと言から、彼が犯人だと確信し、自らの手で口を割らせようとする。最愛の娘を取り戻したい一心で、法律とモラルの一線を踏み越えていく父親。

粘り強い捜査によって、新たな容疑者の存在を突き止めていく刑事。

もがけばもがくほど混迷が深まるこの難事件の背後には、想像を絶する闇が広がっていた...。(映画「プリズナーズ」公式サイトより引用)

愛する娘のためならば、私的制裁も許されるのかという点ばかりが宣伝ではクローズアップされ、冷静さを失い暴走する父親の狂気をヒュー・ジャックマンが名演しているらしいということから、観る前はアメリカ映画にありふれた感もある「自分の家族にゃ指一本触れさせないぜ!」っていう マッチョで脳天気な作品ではないかと思っていた。

その考えは、冒頭部分を観た段階でも変わらなかった。

ヒュー・ジャックマン演じるケラーは、息子に鹿狩りを教える銃社会の住人であり、敬虔なキリスト教徒でもあり、最悪の事態が起きた時には自らの力で生き延びる備えをしているといういわゆるPrepper(プレッパー)と呼ばれるいかにもなアメリカ人である。

そして、映し出される絵に描いたように幸せそうな家族。

ああ、こりゃ予想通り平凡なマッチョでバイオレンスな作品なのかなって思うよね。

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ところが、いい意味で僕の予想は裏切られた。

ブチ切れて常軌を逸していくケラーに対して、熱い心を隠し持ちながらもあくまでも冷静に、そして粘り強く捜査を進めていくジェイク・ギレンホール演じるロキ刑事。

対照的な二人の行動と、どんどん深まっていく謎。本当に最初の容疑者アレックスは犯人ではないのか、それとも彼は嘘をついているのか。行方不明の娘たちは無事なのか、それとも...。

そしていったい誰が真犯人なのか。

この作品は決してマッチョで脳天気なバイオレンス映画なんかではなかった。

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数多くの伏線が張られており、それが後半で破綻なくつながっていくミステリー作品としてのおもしろさは秀逸である。ちゃんと細部にまで計算されつくした作品なのである。

二転三転するストーリー展開のおもしろさ。派手さはないけど、じっくりと作り込んでいることがわかる。

そして巧みにカモフラージュされつつも、実は次第にキリスト教的背景がぷんぷんしてくる作品だということもわかってくる。

僕はこういう宗教がらみっぽいのが見えてしまう作品はちょっと苦手なのだが、この作品はミステリーとしての出来が悪くないので許せるかなって感じ。思いっきり上から目線でごめんなさい。

それは、観客が引くほど残虐な行為に手を染めながらも信仰心を失うことのないケラーと、ある出来事を境に信仰心を失って悪魔的な行為へと進んでいった真犯人との対比で表現されている。そう、敬虔なクリスチャンと悪魔の対決のようである。

そして、その信仰心の対決は事件の解決へと結びつくことはない。

それはつまり、神は信者を救ってくれないし、自分の力を頼りに最悪の事態に備えているはずのPrepper(プレッパー)も自分たちを救うことはできないということを主張しているのではないかと思うのは考えすぎだろうか。

最終的に何もかも解決し、人々を救ったのはさりげなく何度も登場させて入念にアピールしているフリーメイソンを表す指輪と、その持ち主である。

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この作品は、上質なミステリーであると同時に、極めて宗教的陰謀論までをも巻き込んでいるという意味で問題作なのだと思う。

見方によっては、この世界の秩序を守り、みんなを救うのはキリスト教でもPrepper(プレッパー)でもなく、冷静沈着なフリーメイソンであるというプロパガンダ映画とも言えるのだから。

それに比べたら、ケラー(ヒュー・ジャックマン)の残虐行為など実は問題ではなく、キリスト教的なものを表現するための小道具の一つに過ぎないのだ。考えすぎだろうか。

まあ、そんな余計なことは考えずに、素直にミステリーとして観て楽しんだ方がいいのかもしれない。宣伝が推すように娘に対する親の愛情の力をテーマにしてね。

ただ、ここで触れた程度のことは頭に入れてから観たほうが楽しめることも確かである。


『プリズナーズ』予告編 - YouTube

 

 

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