暇だったので、近くのヴィレッジ・ヴァンガードをフラフラしていました。
以前からちょっと「あ〜、これそんなに不味いのかあ」って気になってはいたのですが、自分がネガティヴな気分だと周囲のネガティヴな言葉が自然と目に飛び込んでくるようで、「ハリボー シュネッケン」というグミのポップの酷さに心惹かれました。
もうね、ほんと酷いです。これが食べものに対する宣伝文句かと。
『世界一まずいグミ』『トラウマ級』『ゲロまず』『ニオイでもうムリ』
ヴィレヴァンの人もウケようと思って酷いことを書くなあ。いくらなんでもそこまで不味いわけないだろうってんで買ってきました。
ちなみに、僕はタバコをやめてからグミ中毒になっているのでハリボーのコーラ味のグミは好物です。
ちょっと他のグミよりは高いんだけど、あの弾力とコーラ味の力強さがたまりません。
グミ好きの僕に食えないグミなどあるものかと、意気揚々とシュネッケンを振り回しながら帰ってきましたが、家でネットで調べたらけっこう前からクソ不味いことで有名なグミなんですね。知りませんでした。
それを知ってから、Macの前でちょっとビビったのは秘密です。
これが「ハリボー シュネッケン」。どう考えても黒い食べものって食欲わかないよね。
袋に描いてあるガキがとっても楽しそうだけど、その後ろに見える黒いトグロ状の物体が気になってガキの笑顔には共感できません。
だいたい何でこんな形なんだよ!って思ったら、ガキが乗っている自転車のタイヤの形がグミそのもの。
ハリボーはドイツの会社ですが、ドイツ人ってゴムタイヤを食うのか?
袋をバリバリっと開けると、何ともボヤけた感じでうっすらと、軽く焦がしたおばあちゃんの着物みたいなニオイがします。
なんかわからないけど、ちょっと古臭くてムカムカするような香り。うん、確かに『ニオイでもうムリ』っていう気持ちもわからなくはないですね。
それにしたって、この形はないでしょ。なんかの嫌がらせですか?
ドイツ人はこれを見て食欲が湧くのかなあ。
タイヤの絵と同じ形の黒いトグロって...食い物じゃないよね。
アップにすると余計食べたくなくなるって、やっぱり食べ物として何かが致命的に間違ってるんだと思うんだ。
1個つまんで、そのまま口の中に放り込みました。
口の中いっぱいに広がる「後悔」という名の形容し難い味わいと匂い。
ハリボーのグミの特徴でもあるあの弾力の強さがなく、ぐにゃぐにゃというか、にちゃにちゃというか「このフニャ◯ン野郎!」と罵りたくなるような嫌な食感です。
この味はどこかで食べたことがあるような古の味わい。
吐き出したくなるような劇的に強烈な不味さというものではなく、食べものとして如何なものかという意味でのぼんやりとしているけど根源的な不味さ。
原材料を見てみると「甘草」が入っていました。おまわりさん!こいつです!
甘草って漢方薬の原料ですよね。横文字だとラクリッツ(リコリスとも言う)。
この「甘草」の味って、ヨーロッパでは比較的ポピュラーな味なんだとか。
僕を含めた一般的な日本人にとっては、とても「お菓子」認定できない味だけどな。
なんていうか、ホコリ臭い嫌〜な甘みというか、薬っぽいというか...
その味わいの不自然さたるや、飲み込むのにかなり勇気がいるほどです。
さらに、飲み込んだ後も悲劇は続きます。
後味が最悪なんです。ずっと口の中や喉の奥にその味と匂いが残ります。
確かにこれはかなり不味いグミでした。世界一かどうかはわからないけど、お菓子として楽しめない最悪なグミのひとつであることは間違いないです。
こういう僕のような態度は、ドイツの食文化に対する文化的な寛容さに欠けるとの批判は甘んじて受けます。だってクソ不味いです。理解しろと言われても無理です。
せっかく買ったので捨てるのももったいないし、日独の関係に亀裂が入ってしまっては申し訳ないと思い、我慢して少しづつ食べています。
自ら招いた突然の独り罰ゲーム。
下の写真のようにタイヤのチューブ状のトグロを、紐みたいにほぐして少しずつ食べるのがコツです。
間違っても粋がって一口で食べようとしてはいけません。危険です。とても危険です。
この写真だって、何かのコードだよって言ったら信じますよね。
何も言わなければ食べものだと思いませんよね。
それが「ハリボー シュネッケン」なのです。
味と香りがダイレクトに伝えられないのがとても残念です。
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