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[ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

ぷるんにー(พรุ่งนี้)とはタイ語で「明日」。好きなタイやタイ料理、本や映画、ラーメン・つけ麺、お菓子のレビュー、スターバックスやタリーズなどのカフェネタからモレスキンやほぼ日手帳、アプリ紹介など書いています。明日はきっといいことある。                     

[ま]初めてのバンコクで出会ったシンガポールから来た女 @kun_maa

「あの...すいません。旅行者の方ですか?よかったら一緒に観光しませんか?」

バンコクの路上で突然そう話しかけてきたのはシンガポールから来たと言う2人組のちょときれいな女だった。

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僕は初めての海外旅行。インドへ向かうための飛行機の乗り継ぎで前日の夜からタイのバンコクに来ていたのだ。

インドへの乗り継ぎ便が出る夕方までバンコクで友人と時間を潰さなければならなかった。すぐに空港に行くのもなんだかもったいないし、かといって荷物をどこかに預けるということも考えつかなかった僕たちは早々に宿を引き払い、2人でデカいリュックを背負ってバンコクの繁華街を歩いていた。

誰が見てもド素人の旅行者以外の何者でもない。

悪い人からはきっと美味しそうな餌に見えたことだろう。鴨ネギだ。

 

インドへ行くことが目的だったのでタイ語なんてまったく覚えるつもりもなく、当然ながらタイ人の言っていることはさっぱりわからなかった。その頃はバンコクの街中でも英語はほとんど通じなかったためタイ語が理解できないことでひどく疎外感を味わったものだ。

そんな疎外感の中、わかりやすい英語で話しかけてきた2人組の女がとっても魅力的に見えたのは、僕がひとえに女好きだったからだけとは言い切れない....はず。

 

友人はあまり乗り気ではなかったのだが、僕は当然「一緒に観光しましょう!」と鼻息も荒く答えていた。

すると、女が「ホテルの部屋に忘れ物をしてきたから、今から一緒に部屋まで来てください。それから出かけましょう」と言う。

もちろん、人を疑うことなんて知らなかった無垢な僕は大きくうなずきながらOKして、4人でタクシーに乗りその女の宿へと向かった。

 

宿に着くと、忘れ物を取りにきたはずなのになぜか女の部屋に招かれた。

それも、僕と友人と別々の部屋に。

さすがに僕もなんか変だな?とは思ったのだけど、女が「暑くて疲れたから少し休んでから出かけましょう」というので、それもそうだよなとあっさりと丸め込まれた。

 

「汗をかいたから、シャワーを浴びるわ」と女はシャワールームに消えた。

僕はあれあれ?何この展開は......と戸惑いつつもちょっとだけちょーっとだけ妄想に浸って鼻の下を伸ばしていた。バカだよね。

日本を出てたった2日目でこんないいことが!もしかしてこれは!と変な期待に胸をドキドキさせながら、友人のことも忘れて女がシャワーから戻るのを待っているバカな男。

 

女はバスタオルを身体に巻いただけの姿でシャワーから戻ると、すぐに「あなたもシャワーを浴びたら?」と言って僕の服を脱がそうとする。

さすがに慌ててそれをことわり、自分で服を脱いでシャワーへ。

さっさとシャワーを浴びて部屋に戻ると、もう1人の女も部屋に来ていて、2人掛かりでベッドの上に押し倒された。正直、頭の中は( ゚Д゚)ウヒョーである。

この状況で( ゚Д゚)ウヒョーってならない男がいるだろうか。いるだろうか。

 

僕に迫る2人の女、なぜこういう展開になるのか、さっぱりわからないまま無防備に理性が崩れて( ゚Д゚)ウヒョー( ゚Д゚)ウヒョーとなっているアホな自分。

あー!もうどうにでもして!って思ったとき、部屋のドアをガンガン叩く音。

女のひとりが鍵を開けると、友人が飛び込んできた。

「なにやってんだ!おまえは!!」友人は僕を心配して様子を見にきてくれたのだが、僕のだらしのない姿を見て一瞬で状況を悟り腹を立てて出て行ってしまった。

 

僕は心配してくれた友人の気も知らずに「あ``ー!せっかくこれからいいところなのに、なに邪魔してくれてんだよ」と思いながらも、土地勘のまったくないバンコクで友人とはぐれてしまっては困ると思い慌てて服を来て、荷物をもって部屋を飛び出した。

シンガポールから来たと言う2人の女は、なぜかそんな僕を止めもしなかった......

 

宿を飛び出し、周囲を探すが友人の姿は見えない。

自分がいるところがバンコクのどの辺かもさっぱりわからない。

あてもなく少し歩いて太い道に出たら、偶然遠くに1人で歩いている友人が見えた。

急いで追いつこうと歩き出した僕に、またしてもシンガポールから来たと言うさっきとは別の2人組の女が話しかけてきた。

正直に書こう。僕はそのとき「チャンスよ再び!」と思ってしまったのだ。

今思うと我ながら恥ずかしい。やっぱりバカなんだろう。

 

むやみやたらと膨らむ期待と股間はとりあえず置いておいて、まずは遥か前方を歩く友人に追いつかなくてはならない。

おいしい話はその後だと決めて、女に事情を説明してちょうど通りかかったタクシーを拾って友人を追いかけた。

 

タクシーに乗るなり、僕の言ったことをまったく理解していないのか「ねぇーねぇーどこに行く?」と甘えた声で言いながらバンコクの地図を車内で盛大に広げる女。

僕は、何だよこの女は!ふざけんじゃねーよって思いながら「前を歩いているあの男のところで車を止めてくれ」と必死で説明する。

 

その時ふと感じた下半身の違和感。

地図を広げた女が、こっそりと地図の下で僕のウエストバックのチャックを開けて中身を探っていたのだ。

気づいた僕が「なにやってんだテメー!」と日本語で怒って抵抗しているうちに、タクシーは友人を追い越して猛スピードでどこかに向かっている。「車を止めろ。ばかやろー!」と叫んでも女も運転手も動じない。

......こいつらグルか。

いくら鈍感な僕でもさすがに気がついた。気がつくのが遅すぎだけどさ。

 

後ろの座席から、運転席をガンガン蹴っ飛ばし「ストーーップ!」と絶叫してやった。

ようやくスピードを緩めたタクシーのドアを開け、転がるように外に飛び出す。

女たちは何語かわからないけどたぶん罵詈雑言を叫びせながらも、車からは降りてこない。僕はそのまま走って逃げた。

周囲を見渡しても友人の姿はもうどこにも見えなかった。

どこだかわからない場所で、僕はひとりぼっちになってしまった。

でもそのとき僕はまだ本当のことを知らずにいたんだ。

 

ひとりで少し心細いものの、夕方の飛行機は決まっているのでそれまでに空港に行けば友人と再会できるし、まあなんとかなるだろうと思い、にぎやかそうな方向を目指して歩いて行く。

また、他の女が話しかけこないかなあなんてのんきなことを考えながら(まったく懲りていない)、町の食堂で身振り手振りでタイラーメンを食べ、初めて外国のスーパーで買い物をした。

スーパーで支払いをした時に異変に気づいた。

財布に入っているタイの紙幣が少ないのだ。

急に不安になり何度も財布の中身を確認した。やっぱりお金がない.....

焦って腹巻の中に入れたトラベラーズチェックを確かめると、20ドル紙幣を数枚残してごっそりと抜き取られている。奥に隠しておいた日本円も全くなくなっていた。

頭が真っ白になるという表現があるけれど、この時の僕がまさにそうだった。

 

そう、最初に話しかけてきたシンガポールから来たと言う女。

僕が鼻の下を伸ばしてシャワーを浴びている間に、僕の荷物を探って現金もトラベラーズチェックもごっそり持っていきやがったんだ。

しかもすぐに気がつかないように全部ではなく、ほんの少しだけ残して。

僕は、日本を出てたった2日でほぼ一文無しになった。

もし、2度目に声をかけきた女がもっと上手くて、僕に気づかれないようにウエストバックから財布を抜き取っていたら......と思うと恐ろしくて真夏のような気候のバンコクで僕はひとり震えた。

 

本当に泣きそうだった。自分のバカさ加減が頭に来るやら悔しいやら......

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涙をこらえてトゥクトゥクを止め、唯一残っていた100バーツを見せながら「これしかないんだ!これで空港まで行ってくれ!」と必死で迫った。

最初渋っていた運転手もアホみたいに「これしかないんだ!」と繰り返す僕に諦めたのか渋々OKした。

でも、自分がどこにいるのかもわからずタイの相場も知らないのに最初から手札を見せて交渉するなんて、ずいぶんバカなことをしたものだなとは後で思ったが、その時の僕にはとてもじゃないけど冷静に値段交渉をする余裕なんてなかった。

 

虚ろな表情で空港に着いた僕は少し歩き回ったが無事に友人と会えた。

友人に事の次第を説明し、一緒にタクシーで最寄りの警察に行って盗難証明書を作成。

日本に国際電話をして盗まれたトラベラーズチェックを止めることも忘れない。

飛行機の時間が迫っていた。トラベラーズチェックの再発行はインドでやるしかない。

そして、失意のまま僕はインドへと旅立った。

 

この続きは、以前書いたこちらの記事。

[ま]インドに行ける人は運命で決まっている? @kun_maa - [ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)

後日談・・・インドからの帰りにも飛行機の乗り継ぎのためにバンコクで2泊した。

同じように話しかけてくる自称旅行者の女は相変わらずいたが、鼻で笑ってあしらえる程度にはインドで鍛えられていた僕は無敵。

帰国してから調べたらこの手の犯罪はバンコクではありふれているようで、なかには話しかけてくるシンガポールの女は本当の女性ではなくオカマだという説もある。

また、女と入った部屋に急に怖いお兄さんがやってくるという美人局のパターンもあるそうだ。

僕が出会った奴らが本当の女性だったかどうかはそれを確かめるところまでいってないので今更知る由もないが、怖いお兄さんが出てこなかっただけよかったのかもしれない。

 

いずれにしても、この程度ですんでよかったと思っている。

その後、僕はタイを中心に海外に何回も出かけているが、犯罪らしい犯罪にあったのはこの1回だけ。

いま思うと本当になんの警戒心もなく平和ボケしただらしない男だったなあと思うのと、この件がなければたぶん危険を感じるアンテナはいつまでも持つことができなかっただろうなと思っている。 かなり高い授業料だったけどね。 

世界中で危ない目に遭ってきました

世界中で危ない目に遭ってきました

 
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