著者は年に3冊の本を執筆し、月に20〜30冊の本を30年以上欠かさずに読み、2500文字程度のメルマガを毎日発行し、YouTube動画も毎日更新、Facebookにも日々投稿しているという超人みたいな人物である。
それだけじゃなくて影響力もすごいんだぜ!っていう証拠に、インターネット媒体には累計40万人の読者がいると自慢もしている。
そんなすごい人が書いた本だからきっとすごいはず。
著者が自ら語るようなものすごい執筆活動ができる秘訣は、「圧倒的なインプット」にあると豪語する。「圧倒的なインプット=読書」があって、はじめて「圧倒的なアウトプット」ができるのだ。
読書もただ読んだだけで、内容を覚えていないようでは単なる時間の無駄に過ぎないとバッサリ切り捨てる。読むからには、その内容について議論できる程度の理解と記憶への定着がなければ話にならないという。
実際に本書を読むと、ちょいちょい自慢話を挿入してくるので、なんとなく癪にさわるんだけど著者の主張にも一理ある。
著者の推奨する読書とは、そのときの自分にとって必要な本をしっかりと選び、深く読み込んでいくという読書である。
そうすることで「自己成長」することができるのだ。それこそが、著者のいうところの正しい「読書」のあり方なのである。
「記憶に残る読書術」とは、言い換えると「自己成長につながる読書術」であり、「人生を変える読書術」です。
ここまでスッパリと言い切られるとちょっと反感を覚えるけど、きっと意識高い系の人にはたまらん本だと思う。
本書では、この「記憶に残る読書術」のみならず、読書の必要性(これがまたいやらしいくらい現生利益に結び付けてくるんだ( ꒪⌓꒪) )、本の選び方や電子書籍の使い方、読書時間の作り方など、読書に対する様々な事柄が盛り込まれている。
ちゃんと読んで実行すれば、きっとそれなりの成果はあるのかもしれないとは感じた。
それじゃあ、「記憶に残る読書術」って具体的にはどうするのよ?って話だけど、大きく分けると「3つの原則」と「2つのキーワード」を用いて解説している。
それらを簡単にざっくりと言ってしまえば、
①複数回のアウトプット
②スキマ時間の効率的な活用
③内容について議論できるレベルでの「深読(しんどく)」
という3つの重要性について繰り返し述べているに過ぎない。
これで本当に記憶に残り続ける読書になるのか?という疑問は最後までうっすらと残ったのだけど、それはきっと僕の意識が低くて、まだ著者の言うところの「本当の読書」の域に達していないからなのだろう。
随所にちりばめられた著者の体験談という名の自慢話や、専門とする精神科や脳科学的な根拠もいいスパイスになっていて、読んでいるうちになんとなく自分にもできる!って気になってくるから不思議だ。
こうやってブログに書くこともアウトプットの一環なのである。
読書体験を金銭的なメリットに置き換えるという、そういうのが好きな人にはたまらん錬金術士的な手管もふんだんに使われており、意識高い系の方にはぜひおすすめしたい一冊である。
他人の自慢話や意識高い系があまり好みではない方にはおすすめできないことは言うまでもない。
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