漫画家の西原理恵子が上京して、漫画家として食べていけるようになるまでのことを描いた作品。
カネなしコネなしの田舎出の少女が、なにか違うものを求めて東京にやってくる。
居酒屋、コンパニオン、スーパーでの靴売り、チラシ配り、食器洗い、ミニスカパブ・・・さまざまなアルバイトをこなしてもこなしてもお金がない生活。
いつまでたっても東京にいる人たちのようにきれいでかっこいい服も着れず、イヤな店長には怒鳴られ、同棲している男は働かず、それでもくじけずに頑張る姿がおもしろおかしく描かれてはいるが、やはり切なくて、ちょっと悲しい。
自分の本当の居場所を探して、本当にやりたい仕事を手に入れるために頑張り、世の中の不条理を笑いに変えて精一杯やってきたんだなあと思う。
エロ漫画から始まり、やがて仕事が増え、忙しくてもまともな生活ができることを喜び、人生が大きく変わっていくことを楽しむ姿は前半部分が悲惨だっただけに、読んでる方まで一緒にうれしくなる。
そして、自分の作品が疲れている人、悲しい人、悔しい人、そんな生活を我慢している人たちにとって、ちょっとだけでも笑ってもらえることに喜びを感じていく。
西原理恵子といえば、毒舌のイメージがあるが、きっとこの作品で描かれたような苦労をしてきたからこその毒舌なんだろうなあ。
ロクに苦労もしないで泣き言ばかり言っているような奴は許せないのかもしれないなあって思った。
そして、苦労してきたからこそ、今はあれだけおもしろい作品を描けるんだろうな。
絵は決してうまいと言えないけど、彼女の作品って視点がおもしろいもん。
西原理恵子の原点ともいえる作品。
おすすめです。
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