[ま]そして静かに世界は終わりを迎える/メランコリア @kun_maa
こんにちは!映画っていろいろあるからおもしろい @kun_maa です。
とても美しい音楽と幻想的な映像から始まる作品です。
意表をつかれて映像美に見惚れているうちに、小惑星が地球に衝突するシーンで導入部分が終わり、本編が始まります。
作品は、2人の姉妹の名前をとった2部構成です。
第一部はジャスティン。そして第2部がクレア。
監督はあの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー。
<あらすじ>
その日はジャスティンにとって、人生最高の1日になるはずだった。マイケルとの結婚パーティーは、いま、姉クレアと夫ジョンの豪華な邸宅で盛大に行われている。しかし、皆の祝福を受けながら、ジャスティンは激しい虚しさと気だるさにとらわれていた。なにかに絡みつかれたのように、自らの感情をコントロールできなくなるジャスティン。そして、パーティーは最悪の結末を迎える。
憔悴しきったジャスティンが、クレアとジョンの邸宅を再び訪れた時、惑星メランコリアは地球に異常接近していた。地球との衝突を恐れて怯えるクレア。しかし、ジャスティンはなぜか心が軽くなっていく感覚を覚える。「地球は邪悪よ。消えても嘆く必要はないわ」。
観ているうちに、ジャスティンの精神状態がとても不安定であることに気づかされます。
異常に見えるジャスティンと、振り回されつつもあくまでも冷静な他の人々。
まるで、ジャスティンの世界が終わりを迎えたかのように。
第2部クレアは、第1部の数日後(かな?)を描いています。
自分では風呂に入る事もできず、食事も喉を通りません。
メランコリアは計算上地球には衝突しないと言い切りながらも、不安を隠せないクレアの夫のジョン。
第1部とは逆転したかのように冷静になっていくジャスティンとおかしくなっていく他の人々。
うつ病患者にしか見えないジャスティンが、クレアしか知らないはずのことを知っており、まるですべてを見通すことができるかのような発言と同時に語る「地球だけが生命を発生させた邪悪な惑星」という発言は意味深です。
まるで、うつ状態の人間が、静かにすべてが消え去ってしまえばいいと思ったときの心情を映画にしたような作品だなと思いました。
だって、みんなが苦しまずにこの世から消え去る事ができるんですから。
ハリウッド映画なら、このような事態を傍観するはずもなく、アルマゲドンのような展開になるはずなのですが、この作品ではそんなことはどうでもいいのです。
静かに美しく終わりを迎える世界。
案外、本当の世界の終わりもこんなものなのかもしれないなって感じました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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